第5話 魔王とは
翌日、朝食を終えたミハイル達はまず異世界について学ぶ為、書庫へと案内された。
そこではリリアが待っておりこの世界について簡単に説明された。
曰く、この世界にもいくつかの国があり、現在は魔王に対抗するため、連合国として同盟を結んでおり、ミハイル達を召喚したクレメア王国も連合に加盟している国の一つのようだ。
そして、この世界の魔王はミハイルの様に国を統治しているといったわけではない。突然変異し生まれた魔物もいれば、長く生きた魔物や動物が稀に進化し魔王となるというケースもあるそうだ。さらに魔王には他の魔物と違い知能があるらしい。
「しかし、知能があるといっても所詮は獣。ただ殺戮本能のままに人間を襲ってくる理性のない生き物です。しかし強い。そのために手が付けられないのです。」
また、魔王が誕生すると魔王付近の魔物達もそれに応じるように強化され、魔王の下へ魔物たちは集い群れをなす。なんでもこの強化された魔物が厄介らしい。魔物は強化されているだけでなく魔王によって統率され、群れをなしているので物量で押し切られてしまうこともあるとか。
「それも魔王が一体だけならばまだ対策を立てることもできたのですが、魔王と呼ばれる個体は複数体おり、現在確認されているだけでも5体います」
「え、そうなんですか?てっきり一体だけかと思っていたんですけど」
「はい、現在確認されている5体の魔王についての分かっている情報について開示致します」
「まず1体目が東の火山を住処とするオーガの突然異体。
『煉獄の巨人』ヒュペリオン。
そして2体目は西の大樹海にいる元は唯の猪。しかし異形の進化を遂げ魔王へと至った
『巨獣』エリュマントス。
3体目、南の砂漠全域を縄張りとしサンドワームの変異種にして砂漠に足を踏み込むもの全てを喰らう
『悪食』ウォーム。
4体目、海を支配しており、普段は眠りについており大人しくしていますが、暴れれば津波を起こし国をも飲み込むと言われ恐れられる、
『シードラゴン』リヴァイアサン。
最後に5体目、北の山脈を住処にし数多のドラゴン達を従える最強の魔王にして天空の支配者
『竜王』ラードーン。
以上の5体が現在確認されている魔王です」
こうしてリリアの説明が終わり、
(ふむ、魔王というからには我と同じように王として国を持ち君臨しているのかと思ったが強いだけの獣か。しかし、油断は禁物)
「なるほど!取り敢えず強い敵かわいるってことですね。でも大丈夫皆で協力すればきっと勝てます!ミハイルさん、昨日会ったばかりですがここは協力して一緒に魔王を倒しましょう!」
「ん?あ、あぁよろしく」
「ありがとうございます。光一様、ミハイル様よろしくお願いします」
こう言ってリリアは頭を下げ感謝を述べる。
「それではこの後は昼食をとっていただき、その後魔力を操るための訓練になります。詳しいことは、訓練場にて説明します」
ミハイル達は昼食後、訓練場へと案内され、そこでは初老の男性が待っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます