君じゃなければ、この恋は始まらなかった

来未 希(くるみ のぞみ)

第1話 ①

学校中に悲鳴が響いた

何が起きたか近くに居ないから分からない

只事ではなさそう

先生達が慌てて教室に入ってきて

僕たちにこう告げた


ナイフを持った不審者が学校に入ってきました

無闇に教室から出ない様にと伝えて

出入り口の鍵を先生が締めた


そして、2回目の悲鳴が響いた

さっきより僕がいる教室に近づいている気がする

不審者がドンドン近づいているが

子供の僕には怯える事しか出来ないでいた


外からパトカーのサイレンが聞こえてきた

すると不審者も動揺したのか叫び始め

壁や扉を叩いている音が響き渡り

僕は余りの怖さから耳を塞いだ

騒音から一気に静けさを感じ教室を見渡した

大体の人は耳を塞ぎしゃがみ込んでいる


あれっ!

佐々木さんの姿が無い、、、

皆んな同様してクラスメイトが居ない事に気がついていない

何か嫌な感じを感じた

助けるとかヒーローになりたいとかそう言う事ではなく

ただ、佐々木さんの事を好きな人


怖い思いしてたら嫌だ!

その衝動で僕は立ち上がり扉を蹴り

破壊し教室から走り出た


ドンッ!


僕は何かにぶつかり

後ろに転んでしまった

慌てて顔をあげると不審者が目の前にいた

不審者はナイフを突き上げ僕に向かってきた

あっ!

死ぬんだ

これがスローモーション現象か、、、


ドキュンッ!

何かの爆発音が廊下一体に響き渡った

すると不審者はスッと膝から倒れたのだ

警察官による発泡で不審者が倒れそのまま死んだ

その後、先生達は保護者に連絡をし迎えに来る様にと電話をしている


暫くすると僕の親も迎えに来た

その待ち時間、佐々木さんを見つける事が出来なかった。


家に着き

テレビをつけると学校で起きたニュースが流れているお母さんは気を使ってチャンネルを替えようとするがどこもニュースの時間帯であった


テレビから聞こえるアナウンサーの喋る声から信じられない言葉が僕の耳に入ってきた

被害者、、、

佐々木、、、

実嶺、、、


僕の目から涙が溢れた


中学3年生の夏だった















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