エナジクト ~誰にも愛されず不幸なまま死んだJKが、美人なお姉さんに拾われ、半不老不死スキルを手に入れ、自分の人生を取り戻していく話
ノミオ
第一章 私の『運命』との出会い
第1話 ギラギラ-1
こんにちは、私の名前は
みんなからは愛、愛ちゃんって呼ばれてるよっ☆
「わ~! 遅刻遅刻ぅ~っ!」
「愛っ! 気をつけて行ってらっしゃ~い」
今日も寝坊しちゃって登校時間ギリギリっ! 食パンを咥えて、お母さんに見送られながら家を飛び出すよっ!
「あ、愛ちゃんおはようっ」
「愛、今日も走ってんなぁ~」
「えへへっみんなおはよぉ~☆」
通学路ではみんなが私に笑顔で声を掛けてくれるんだっ! ちょっと恥ずかしいけど、嬉しくなっちゃうよね!
「はぁ……はぁ……なんとか間に合ったぁ~っ」
「愛ちゃんおっはよ~!」
「ひゃあっ☆」
息を切らしながら教室に入ると、大親友のA子ちゃんが私に抱きついてきちゃった! 私もそれに「おはよ~A子ちゃん」って言って抱きつき返すんだぁ~!
「A子ってほんとに愛が好きだよねぇ~」
「何よ~B子ちゃんだって愛ちゃん大好きなくせにぃ~」
「まっそうだけどね」
席に座ったまま私達を見てクールな笑みを浮かべているのはB子ちゃん。この子も私の大親友なんだぁ~☆
「おい刃金。今日も遅刻ギリギリかよ」
「なっ……うっさいなぁA男。アンタに関係ないでしょ!?」
不敵な笑みを浮かべて声を掛けてくれたのはA男。いっつも私にちょっかいかけてきてやな感じ~! でもでも……実はちょっぴり気になってる男子なんだぁ~。
「どうせ今日も宿題やってきてねぇんだろ? しょ~がねえから見せてやるよ」
「えっマジ!? A男ありがとお~!」
「もうっA男くん。私の愛ちゃん取らないでよぉ~!」
「刃金はお前だけのもんじゃ無いです~」
「二人共、私のために争わないでよぉ~!」
A子ちゃんとA男はいっつも私を取り合って喧嘩しちゃう。二人共それだけ私のことが大好きってことだよね! 大変だけど、嬉しい~☆
「この公式はテスト出るから、しっかり覚えとけよ~」
「授業つまんないね」
「ね~」
「ねぇ、今日放課後パフェ食べに行こうよ。あの新しく出来たお店」
「「さんせ~いっ」」
「おいそこ! ちゃんと授業聞いとけェッ!」
「「「は~い」」」
授業中も先生の目を盗んでおしゃべりとかしちゃうんだぁ。いくら喋っても時間が全然足りないの。私達とっても仲良しだから、しょ~がないよねっ☆
お昼休みは屋上でお昼ご飯! お母さんの愛情たっぷり手作りお弁当を、みんなでお喋りしながら食べちゃう!
残りの時間はみんなで楽しくガールズトーク! 話題の中心は……もちろん恋バナっ☆
「愛ちゃん、好きな人いるの~?」
「へっ!? そんな人……いないよ!?」
「え~絶対ウソ。しょ~じきに話なさ~い!」
「ちょっ止めてよB子ちゃん! くすぐったい……あははっ!」
「B子ちゃんずる~い! あたしも混ぜて~!」
「A子ちゃんまでっ……あはははっ!」
二人といるととっても楽しくて思わず笑顔になっちゃう! 私ってなんて幸せ者なんだろうなぁ~!
授業が終わったら三人で街に遊びに行くのっ! 可愛い雑貨屋さんを見て、キラキラした可愛いお店でパフェ食べて、写真撮りまくり!
「ねえ、この写真スマホの壁紙にしようよ~」
「それいいっ! じゃあおそろいね?」
「さんせ~い!」
お出かけした記念に撮った三人で映ってる写真。スマホの壁紙に設定しちゃったっ☆ これで私達の絆はどこにいても繋がってるねっ!
みんなとバイバイしてお家を目指すよ! さっきパフェ食べたばっかなのにお腹すいたぁ~っ! 帰ってお母さんのご飯食~べよっと!
「ただいまぁ!」
「愛、おかえりなさい。ご飯できてるわよ」
「おお。愛、おかえり!」
「お父さん! 今日早く帰ってきたんだっ!」
「うん。なんたって今日は母さんの得意料理……ハンバーグだからなっ!」
「え~! 私お母さんのハンバーグ大好き~!」
「ほら、手を洗ってきて三人で食べましょ?」
「うんっ!」
お父さんとお母さんと食卓を囲んで晩御飯! 学校であったことをいっぱい喋って、お父さんとお母さんもニッコニコで聞いてくれるんだ。
ん~おいし~い! やっぱりお母さんの作ったハンバーグはさいこぉ~!
ほんと……ずっと食べてたいなぁ。
「愛、そろそろお風呂入ってきなさい」
「は~い!」
「は~……あったか~い」
あったかいお風呂にゆっくり浸かるとほっとするよね~。一日経って冷たくなったお風呂じゃ、身体がぶるぶる震えちゃうもんっ☆
贅沢に入浴剤も入れちゃって、ゆずの香りでまるで温泉気分。あったかいお風呂、サイコー!
お風呂を出たら大事なスキンケアっ! 私のお顔は傷一つ無いぴっかぴかのお肌っ! みんなにいつも「可愛いね」って褒められてるから、お手入れにも気合入っちゃうんだっ☆
スキンケアとドライヤーが終わったら、お父さんとお母さんとソファに座って、アイス食べながらテレビを見るのっ!
バラエティ番組が面白くって、三人でお腹抱えて笑っちゃった!
「愛は本当に大きくなったなぁ~……将来仕事したり、結婚とかしちゃうのかな~。はぁ……寂しいなぁ~」
「何言ってるのお父さん。私が一緒にいてあげるじゃない?」
「そうだよお父さんっ! 私、結婚しても何回も帰ってきちゃうからね! だって私、お父さんとお母さんのこと……だ~い好きだもんっ!」
そう言って私は、お父さんとお母さんにぎゅ~っと抱きつくのっ! そしたらお父さんもお母さんも、抱きしめてくれるんだぁ。
えへへ、とっても幸せ。
だってお父さんとお母さんは、いつもとっても仲良しで、殴ったり怒鳴ったりせず、いつも私の事を一番に考えて、大事にしてくれるんだもん。
「じゃあお父さんお母さん。おやすみ」
「愛、おやすみなさい」
「明日は遅刻ギリギリにならないように、ちゃんと早めに寝るんだぞ」
「へへ、分かってるよ……大好きだよ。お父さん、お母さん」
名残惜しいけど、もう少し一緒に……ううん。本当はもっとずっと、永遠に一緒にいたいけど。もう寝なくちゃいけない時間みたい。
階段を上って、自分の部屋に入るの。可愛いぬいぐるみがいっぱいいる、私の大好きなお部屋。
ピンク色のベッドに飛び込むと、洗濯したての清潔なシーツの香りに包まれるの。
優しいお父さんとお母さんがいて、学校に行けば友達も好きな人もいて、全てが満たされた、夢みたいな日々。
幸せなはずなのに、私とっても寂しい気持ちになっちゃうの。枕に顔を埋めると、涙が止まらなくなっちゃった。
だってこれ、全部嘘なんだもん。
だって私には何もないの。私には──なにも。
「
背後からの怒号で、私はハッと我に返る。
走らせていた鉛筆を置いて慌てて振り向くと、おじいちゃんが怒った顔で私を睨みつけていた。身体中血がさあと引いていくのを感じる。
もう起きてたんだ。まだ朝の5時だったから、油断してた。
目が合うと、おじいちゃんが怒り顔のまま私の方へとズカズカと歩いてくる。「来る」そう思った私は、すぐに身体の力を抜いた
「このグズがぁ……またくだらんモン書いとるんかぁっ!!!」
怒号と共に髪を掴まれ、そのまま頭を力任せに勉強机に打ち付けられた。
ドカッ! ガスッ!ドカッ!
何度も何度も叩きつけられ、視界に星が散り、ぶつけた鼻先から、血が噴き出す。抵抗したらもっと酷い目にあうのだ。それが分かっている私は、叩きつけられる暴力の嵐を、目を瞑ってじっと耐えた。
「身寄りのない所を拾ってやった恩も忘れよって! このっ……グズめッ!」
掴んでいた髪を離し、一切の手加減無く頬を殴りつけられる。私の身体は吹っ飛び、カビ臭い畳へと倒れ込んだ。
この老体のどこにそんな力があるのだろうと、いつも不思議に思う。
じんじん痛む頬を押さえ、私は畳に額を擦り付け、おじいちゃんに向かって土下座した。
「ごめんなさいっ! 集中してて、気付かなくてっ……!」
「ごめんで済んだら警察などいらんわッ! いいからさっさと飯を作れッ! このグズが!」
そう怒鳴りながらおじいちゃんが私の頭を容赦なく踏みつける。私は目を閉じてじっと耐え、足が離れたタイミングで急いで台所に向かった。
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