聖女の恥じらい

 聖女せいじょ望月もちづき紗夜さや』は、巫女みこ責務せきむけんを、なげつづけています。



 あいわらず、彼女かのじょは、宝飾品ジュエリーのみの公然こうぜん全裸ぜんらです。紗夜の裸体らたいは、なまめかしくも、かなしみでふるえています。



 勇者ゆうしゃ日野ひの雄大ゆうだい』は、はかなげな紗夜をいとしくおもい‥‥めながらささやきます。


おれは、紗夜だけを、一番いちばんあいしてる」


 その囁きに、紗夜は、すがるように、いてました。



 紗夜が、きながら、つぶやきます。


「わたし‥‥幾千いくせんもの男性だんせいを、祝福しゅくふくするんだよ。

 男性に、女性じょせいとして、もてあそばれて‥‥

 わたしも、女性自身じしんで‥‥男性自身を、いじくるんだよ!」


 呟きえると‥‥紗夜は、雄大に縋ったまま、唯々ただただ号泣ごうきゅうしました。

 しばらく、はだか二人ふたりは、おたがいを、抱きっていました。



 ところが、しばらくすると‥‥れたこえがします。


「お~い、魔王まおうたのまれたものが、完成かんせいしたぞ~♪」


 それは、人体じんたいした勇者とう穂村ほむら』でした。

 穂村は、あかるく、はなし続けます。


「それと、わたしも、魔王のおんなになったからな!」

「ん?」


 穂村のはなしに、雄大は、とことん疑問ぎもんかんじています。



 穂村は、戸惑とまどう雄大に、ひとりのかたなを、わたしました。

 穂村が、げます。


「それは、機械きかい刀『女穂おなほ』‥‥紗夜の『もうひとつ』の身体からだなんだ」

「????」


 雄大の困惑こんわくが、おおきくなります。

 すると、女穂が、人体化しました。



 そこに、るのは、宝飾ほうしょくひんのみの公然全裸‥‥もう一人ひとりの紗夜です。

 女穂が、挨拶あいさつします。


「わたしは‥‥機械刀『女穂』です。

 今後こんごとも、よろしく‥‥おねがいします」


 何故なぜか、女穂(化身けしん)も‥‥紗夜(本体ほんたい)も、じらっています。



 勇者『雄大』は、機械刀『女穂』をれました。

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