永久凍土

古井　朔

永久凍土（短歌６首連作）

名前のない感情に曝（さら）され溺れてる虚数の海には入れない


沈みゆく思考の螺旋（らせん）は止まらずにソーダ水に浸（つ）かるフロート


とけたくはなかったんだという氷 　水（ワタシ）も氷（キミ）とは融和できない


青藍（せいらん）の空知らぬ雪さゆらいで記憶の残り香だけが哀悶（あいもん）と


息継ぎの下手な私が沈んでるポコポコボココボ もうかえらない


記憶すら氷河の中に閉じ込めた春など来ないここは永久凍土

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永久凍土 古井　朔 @izayoi_2023

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