0148:ほぐす
うーん。この後なんだよなぁ。もう、エロイ方向でも何でもいいんだろうか? というか、多分だけど、既に、オーベさんの身体は鈍いなりに、反応しているような気がする。
まあ、とりあえず、モリヤ隊のみんなに施したのと同じレベルでやろう。手を抜くと怒られそうだし。
最初の数回はもうちょっと色々すると失神して意識を失う人も多かった気がするけど……まあ、ハイノルドですし。大丈夫でしょ。多分。
あの……失礼承知でいえば。外見は常に幻惑の術で隠し続けなければいけないくらいの気品ある美女とはいえ。うちのノルド娘の数倍……いや、もっと? を生きて来た……おばあちゃんだ。精神的には。長い年月は感動や情緒、感激する様な高ぶる感情を知らぬうちに薄くしてしまう。らしい。
能面のような顔をしているのも、あまり、笑わないのも、怒らないのも。全て、そういった「頭に血が昇る」様な状態に陥らないことによる、弊害なのだとすると。
それなりに強くマッサージしても……大丈夫ってことになる。うん、オーベさん、強いしね! うんうん。
とはいえ。
太ももを飛ばして、腰周り、背骨を中心に下から上に優しくほぐす。これも尾てい骨の方はちょっと避けて、腰椎を軸にして、両手の親指でなぞる。これもあまり力を入れると、その部分が痣になったりする可能性があるので、慎重に行う。
背骨関係は正直、素人マッサージ師はあまり弄っちゃいけないと思っている。特に力を込めるのは危険だ。
優しく丁寧に。上に。肩の下背中の広背筋はそれなりに力を入れても良いが、これも親指とかピンポイントで力を込めるのはNGだろう。あくまで手の母指球辺りでゆっくりとやさしく、押す。
背中は背骨は当然だが、その両脇が凝っていることも多い。ちなみに……その辺が性感帯の人も多い。
イヤらしくならないように、キチンと揉んでいく。ちょっとねちっこくするとね。痒いというか、感じちゃうからね……って。
あれ?
んーやはり。ここまで処置した段階で、オーベさんの股間はどうしょうもなくなっている様だった。そうだよな~。モリヤ隊のみんなは一回目でここまで耐えられた人なんていなかったどころか。大体……そうだな。三回目くらいか。こんなにもってるのはスゴイ状態だと思う。
あ。俺が魔力特訓の時にファランさんに言われたのと似てるな。
自分でも気づかないうち、自然にモジモジしている……気がする。こすりつけるような動きは隠しきれない。
いいのかなぁ。続けちゃって。
オーベさんの着衣は布の材質が違う。これまでのみんなが着ていたのはよくある茶系統の室内着だったので濡れているのが即わかったのだが、目の前の美女が着ている室内着は上下、白。さらに絹の様な上質な触り心地で、視覚的に濡れているかどうかは判りにくい。
ぶっちゃけ、薄くて揉みやすい生地なので、多分、他の人よりも気持ちよさは倍増のハズだ。逆にハイノルドでオーベさんが強いから、耐性があるのか、良く、この程度で済んでいる……とも言える……のかな?
って、太ももとかを揉めば多分、音が聞こえたりするので判っちゃうんだけどな。うーん。とはいえ、きっと、現状でも気持ち良くなっているのは確かだろう。俺がある程度力を入れるたびに、小さく呻き声が上がるようになってきた。
「オーベさん、どうしますか? 今日はこれくらいにしておきますか?」
「あ、あ」
「通常時にモリヤ隊の人たちにやっているのの、半分ちょいですが……やめておきますか?」
……顔を横に向けてこちらを見たが、どこか涙目だ。セリフが出てこないのか、なんかアウアウしている。ってあれ? あれ? やばい……なんだ、これ。もの凄いドキドキするんですけど……あれ? なんだ?
「どうします?」
「つ、つづけて、くれ」
「はい」
ということで許可はいただいた。おもむろに、ふくらはぎ、から膝裏。そして太もも下部へと手を滑らせる。
ビクク!
ちょい跳ねた。太もも上部は既に臀部と一続きなので、とりあえず、置いておいて。膝上の、膝関節の両脇をくりくりとこねくる。この時、グリグリまで力を入れないのがポイントだ。
骨のあるところをグリグリするのは男なら結構気持ち良いのだが、女性の場合は痛くなることが多い。
さらに膝裏を親指で優しく押していく。実はここは隠れたポイントだ。
「あ、ああ」
声が我慢出来ないくらい気持ちが良いことが多い。膝裏から徐々に上に。足を動かす筋の辺りをゆっくりと揉んでいく。って、ここを揉むのに掌で行うわけだが、指が……どうしても臀部をかすめる。それがねぇ。どうしてもねぇ。刺激になるみたいで。モリヤ隊の面々も、ここまで耐えられるようになったのは五回目の施術以降だろうか? 初回は足回り、腰周り単体で脱落した人も多い。
「あ、あう」
うん。というか、初期反応が鈍かっただけで、ハイノルドといえども、この辺の身体の感覚はノルドの人たちと変わらないのだね。うんうん。ってことは……。
おもむろに臀部を左手で押さえて、尾てい骨を右手の掌で首に向かってゆっくりと上に押す。
「あ、あああ、あああああああああ……」
……オーベさんはそれなりに大きな声で呻いたあと、ガクッと力が抜けた。予定通り。うむ。そうなるよね。生暖かい空気と臭いが漂ってくる。こちらも予定通り。
まあ、伊達に何人も同じ様な状況になっていない。腰部分には分厚いタオルが数枚重ねてある。これを服ごと、シーツごと、横の籠に入れれば、ノルド隊の誰かがやってきて、すぐに洗濯。既に暗黙の了解だ。
ちなみに、ノルド隊にアンケートを取った所。
・自分でする行為は当然恥ずかしい。同性に対しても恥ずかしい。
・身内を含めて裸体を晒すのは、宗教的にはしたない。なので、長袖長ズボン、長い丈のスカートが基本。まあでも、実は、見られたところでどうというものでもない。仕方ないかとなる。
・お漏らしはかなり恥ずかしいというか、排泄音を聞かれるというのも少々恥ずかしい。我々は根が狩人なので、外ですることに慣れているから平気。
・これらの恥ずかしいは、純粋に恥であって、性的興奮にはあまり繋がらない。というか、繋がることを知らない。妄想時に色々考えている人がいるのは確か。
・慣れてくると大胆になるのはみんな一緒。
ってな感じかな?
何が良いのか悪いのか。向こうの世界のタブーは尽く当てはまらない。そりゃそうか。未だに良く判らない。歪んでいる……よなぁ。やはり。
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