0016:性癖

「イリス様……もしかして、スゴク気持ちいい……ですか?」


「……」


 小さく頷いた。足を閉じて内側に擦るように、モジモジしている。ああ、もう、これは簡単なオ○ニーをしている感じなんじゃないだろうか?


「イリス様、もっと気持ち良くなりたいですか?」


 びくっと身体が反応する。


「きちんと声に出して返事をして下さい。気持ち良くなりたいですか?」


「……あ、ああ」


「では少々恥ずかしいかもしれませんが……我慢出来ますか?」


「あい……」


 あい、か~。


 イリス様はそうか、ちょいMなのか。というか、勇者英雄をいじめちゃっていいんだろうか? まあでも、気持ちいいんだったらしょうがないよな。うん。


 さっき引っ張ったシャツの裾から、手を入れる。鍛えられた肉体。腹筋から胸部の下あたりを直接揉む。


ビクッ!


 激しく痙攣するように身体が反応する。もう、彼女の身体は快楽が支配しているようだ。


 ここまできたら……と、シャツがめくれたり肌が露出しないように注意しつつ、くすぐったくないように脇から背中へと手を回して揉んでいく。


 びくびくと身体が震えている。うん、ちょい強めに揉まれるのがお好みのようだ。


 さすがに胸を揉みしだくのは……うん、ねぇ。俺が辛抱溜まらなくなってしまいそうだ。。


 イリス様のお胸は……多分、CカップからDカップくらいか。男の掌にちょいあまる、これくらいの大きさっていいよね~飽きが来ないというか。


 両腕で顔を覆うようにしているため、未だハッキリとした表情は見えなかったが、激しい吐息が漏れている。


「……あ……ん……はぁ……ん」


 まあ、そりゃそうか。さっき切り替えた辺りからは既にマッサージの域は超え始めている。愛撫とまではいかないが……。


 うん。舌とか使ってないからね。


 右手で胸下をゆっくり触りながら、左手は脇の下から腰を撫でるように触る。さらに脇の下はくすぐったくならないように注意しながら、刺激していく。


 まあ、アレだ。脱がさなければ……いい……のかな? なのかな? この国の宗教的には。どうなんだろうか。迷いながらの行為なので、イマイチ大胆に攻められない。


 シャツを着たままなら胸を揉んでも大丈夫なんだろうか? ズボンを脱がさなければ、下半身に手を伸ばしても大丈夫なのだろうか。


 ズボンはゴムほどでは無いが、伸縮性のある細い布帯で腰回りを絞めている。当然、隙間に指を滑り込ますのは容易だ。この服の下は下着などは付けていない。


 どう見ても、ぐっしょりさんだ。それが汗のせいなのか、アレのせいなのかはよくわからなかったが、とりあえず、それはもう明らか。


クチュ……


 また音が聴こえた。まあ、そりゃズボンに染みが出来るくらいなんだから、大元はとんでもない。ううーん。衝動に負けてしまいそうだ。だけど。


「あ、ああ、あ、あ、あ」


 イリス様のノド奥から声が漏れる。ここにきてやっと、顔を覆うようにしていた腕がソファーの背と座面の端を掴む。


 目が……合う。


 首を横に振り、フルフルとこちらを見つめている。イヤと言っている気もするけど、まあ、それは、イヤヨイヤヨも好きのうち。というか明らかに戸惑っている。


 マッサージを続けたまま、耳元に口を近づける。


「イリス様、はしたないのでは?」


「ち、ちが、これは、お前の……」


「自分は女性が恥じらうような場所は一切触れませんでしたよ? なのにこの音……これは何の音ですかね」


 ズボンはなんていうか……お漏らし以上に大洪水状態になっている。


「あ、あああ……こ、こんなバカな……あ、あああ」


「それにしてもスゴイですね……イリス様は」


「そんなハズが……そ、そんなハズが無い、これまでこんな……こんな……あ」


 まあ、でも、うん、現状自分がどうなっているのか? 自己認識させながら、それを言ったり言わせたりしながらの、こういう行為は最高だ! 


 過去、それほど多くの女性と関係したわけではないが、自分の快楽欲求を満たすためにいろいろと研究はしたのだ。興奮する。


 って……興奮しちゃダメだったんだ……。うん。


 反省。


 正直、自分はちょいSだ。痛めつけるとか蝋燭、匂う系は踏み込めなかったのでドSとまでは言えないが~女性が恥じらっている姿に興奮する。


 というか、そういう姿や状況にしか本気になれない。イヤだけど、快感にどうにも抗えなくて、なすがままになる……なんてシチュエーションは最高だ!


 ちなみに、イリス様が喘ぎ始めてから、俺の愚息はお察しの通りだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る