ep.30 身内であるからこそ、食育は欠かさぬよう。


『善より悪であることに、人の性を感じた。

 時刻は真夜中、丑三つ時』


はい! 私がりました!

他でもないワタシが、あの子を奈落の底へ。

思いのまま作り変え、趣きのまま芽生えさせて。



「———はぁっ、はぁっ、はあっ……! う"うっ♡」


人としての尊厳すら奪い、喰らう。

悪食にも程がある光景に、伽藍堂の目をして、脚を組み直し。

……然し、この『行為』に一体何の意味があるのだろう? とも、脳の片隅で思いながら。


「うううううぅ♡♡」


"普通"からすれば、問題しかない情景に唾を呑む。

———これの何処に問題が?

今更、どことなく湧き上がる罪悪感を金色がみ殺し……ただそれでも。


「だめ、ほ、ほんともう! ほんとうにっはぁ、これ以上は……!!」


あの子、自ら望んでの沙汰だから……と。

蜘蛛の巣に引っかかった蝶のように縛り、めて、貶めて。

……振動を施す。


「……駄目、らめ、もうらめてぇ♡ らめ、ら、ん!? んんっ~~~♡♡」


それが堪らないのだろう。

唯一動かせる首を嫌々と横に振り乱すも結局、動けない故に パクパク♡ ヒクヒク♡ 『ナカ』を締めての悪循環。

犬のように舌を出し、乱れた呼吸を繰り返す婿の姿は、まるで性に狂った娼婦か、あんまりな環境に壊れた性奴隷のようだ。


「はあ、はっ、らめ…もう…『目隠し』…これ、めかくし取ってぇ……♡♡」


君の顔が見たい。


と言いながら、伸ばせない手の代わりに、腰をしならせ、媚びる。

下の口で無機物をしゃぶりつつ、差し出された胸の突起は熟れており……少しでも強く摘まみ上げ握れば潰せば、今にも ぶじゅっ♡ と苺みたく破裂。甘い汁をそこら中に飛ばしそうな勢いであった。


「…………」

「がんじぎゃうっ、みえないとよけい、敏感にッ♡ あああっダ、ダメ、さ、さっきから、こんなの……♡」


■、■■。

と書いて■■■■万歳と読む。


「ばいぶ、ばいぶ、好き…さっきから■■ぶるぶるされるの、きもちっ♡ で、でも、したも! 下も触って、ちゃんと触っ、■■と『中』だけじゃ、もどかし♡」


この程度の強さでは、もの足りない。

ただ煙る様な熱が腹に堪るだけだと、涙ながらに懇願する客人に。


「いじめてぇ…もっと、い、いじめ、恵んで、『愛でて』くださ……っ」

「…………」

「~~~~~ッ♡♡ はぁ…はぁ……だ、だめ!」


店主みたいな位置で構えている、オフィーリアは「いくら互いの歳が歳。とは言え吾輩の旦那ながら、コイツどんだけ旺盛なんだ」と将来の我が身を案じた。

からんとしながら据わっている目で、「もう、これ以上……♡♡!!」とやだやだするも、「もっとぉ……♡♡」と強請ってくる。


「ああっ、あっ……!」

「…………」


美青年の濡れそぼった柔肌が、実に心臓に悪く。にも似た情念が湧き上がる。

もしこちらが深夜テンションなるものなら、向こうは向こうでまるで薬物中毒のよう、完全にキマっている。


……少し冷静になった傍から見れば。それこそ、メンバーと仕事を盾に取られ、モブオジPに媚薬を盛られた駆け出しアイドルの如し……であった。

だから今宵も———なんで、何故。

向かいの美尻に、己が下半身に当のモツがぶら下っていないことを大いに悔やみ、諦めて。


「なんで、だ、もうダメなのにぃ……♡! だ、だめ、や、そんなにブルブルしたらっ、こ、ころっ、そんな風にっ、あ、ああ、ううぅっ……♡♡」


ん、


「んんんっ~~~♡♡!!?! はぁ…はぁ……はっ♡♡」


今更"こんな分部不相応な思い"を抱いて仕舞うのは、自業自得。

当然の報い。


(だろうけど……)


この身に産まれて何重にも渡る、のを良いことに、この体たらく。

頬杖ついて、女王様気取り、脚まで組んでさ。


「ああ、あっ、先っぽ、さき…も触って……♡ んんっ、あ、ああっ……♡!! も、今度は、そこばっかりぃ~~~♡♡」


可笑しくなる。

これ以上焦らされては、本当に可笑しくなっちゃうからぁ……♡♡


「あっ、ああ、うっ♡」

「…………」

「んああっ……♡♡!!」


みんな輪になって囲い、慕うあの子も結局、虚像に過ぎない。

然し、例えその内が泥沼だろうと———嗚呼。


「……を見ていると余計、『腹が空いてくるおなかすいた』なぁ」

「て、手! いきなり、そんな激しく、うっ、動かさ……ッ♡ ないで、ああっ、僕の■■■■■、■■、しこしこ、しこっ~~~~~♡♡」


どこもかしこもずぶ濡れの、ぐずぐず。

■■■を、なぞらないでください。

ただでさえ、そこは。


「敏感なのにッ、」


喚く男の腹が跳ね。

太腿が痙攣し出す。


「くっ、ああっ、そんな、そんな強く……♡ ———ひっ、い、いい、うああっ……♡♡!!?! そこぉ……♡♡」


何気なく飾った、ベッドのサイドテーブルに置かれた百合の花瓶が実に意味深メメントモリだ。

ご馳走に盛られた多種多様な『玩具』たちから、目を逸らし。

あまりに滑稽で幾度なく、身も世もなく精を吐き続けた、その下が咥える『エネマグラ』を抜くと、じゅぽん♡

下品な水濁音を立て、晒された蠢く■■。


「あっ♡ あああああっ、はあ、あううぅっ、ゆび、おふぃーりあの……♡♡」


今もぱくぱく、物欲しげに開閉を繰り返す淵を、オフィーリアはそろりと撫でた。


「……これで少しは、ご理解いただけました? "この手の場"で無言になられると、どれ程怖い困るか」

「うっ、はあ、はっ……も、僕、だめ、ぇ……♡♡」

「ほら、アヘアへしてないで、お返事」

「ひいっ、い、■きます、もう■ッ———」


けれど駄目だこりゃ、と言いながら『目隠し』を外せば、恍惚然と宙を見やり、まるで反省していない。自我喪失とした青い目とかちり合う。

根も葉もない冤罪を理由に、コイツが私をいじめるから、少し意地悪してみた。


(が。そもそも変態相手にオシオキが成り立つかすら疑問。どうやら今夜も喜ばせただけみたい……)


この眼で見詰められると、私まで狂ってバカになってしまう……。


ので、目隠しをそっ……と戻す嫁。


「ッ!? ら、らんれぇ……♡!!」

「…………」


内心吐露吐露とろとろ、全身とろんとろん。

湯立つほど、こうしてぐずぐずに溶けた旦那様イケメンの中を指で掻き回しながら、何故か急に東坂肉喰いたくなったな。

……肉は肉欲でもコレジャナイ感に襲われる。


そう思いながら相手の反応に合わせ、ぱらぱらと指をまばらに動かす中。一等主張の激しいしこりを捕らえ、無遠慮に押し とんとん♡ 数回叩く……と。


「あっ、あっ、あ♡ そ、しょれぇ、それ、『■■■』きたぁ……♡ あっ、あっ、あっ、だめ、出る……っ! で、」


相手の肉壁に自身の指が貪られる分だけ、ぐるぐる鳴る腹が訴える。

心任せに、あの手この手の末、攻めを優しいものに変えれば…。


「な、なんで、なんでいきなり手の動き、緩めてっ……あああああああ♡♡」


今生の私ってほんと最低、鬼畜の畜生ひとカスそのものよな。

前途有望な男の子を、こんな変態に仕上げちゃった業に恥じずにいられない。だから、明日にでも自首しようかしらと、オフィーリアは口を開いた。



「男の子なのに。こんな甘えた声、振りまく愛想も、私にだけ。……にしときなね」

「……っ♡」

「三度目の正直ならぬ、三度目の限度。また"この前"や今日みたく、意地悪くされると、次こそ"本気で拗ねちゃう"から。その都度振り回されるこっちの身にもなれ?」


自分の事を棚に上げ、なんて可哀想で無様な、その末路。

到底妙齢の雄とは思えない、弱弱しい腰ふりに、オフィーリアの口から人知れず興奮半分、呆れた十二分の声が出る。


「……そんなへこへこの仕方じゃあ、よ。女の子みたい。どれだけ鍛えれど、こんな体しておいて雄気取りとか、笑っちゃう」


小癪な貴方によくお似合いだわ。

貴方が自主的に始めた遊びPlayなら。


「———最まで、責任取って」


ね?

ダーリン♡♡

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