ep.16 悪戯の代償は、その身を濡らして知るがいい


『種まく神からの祝福ギフトでありながら呪いでもある、生れながら備わった能力。

 魔法さながらに見せかけて、功能は人それぞれ。役に立つときもあれば、まるで役に立たない場合もある』


然し、それでも決して消えることのない光源。大いなる力に、苦悩は付き物だ。

神秘的な生態の一つであり、人々はその才覚に憧れるも、恐れ。「畏怖アイすべき者」の特徴として、認知してきた。



「あっ、—————————~~~っ♡♡」


が。本来あるハズの姿、「彼ら」の由来を知る者はいない。

現存する嘗ての記録も、今となってはただの常識むかしばなしだ。


「……わるいこ…本当に悪い子ね、レオ? ダメじゃない、いくらお父様やお兄様に比べ劣り、私が甘いよわいからと言って、仮にも『北の子』がそのぬしが誰なのか忘れちゃぁ……」

「ウ……っ、ぅ""う"う♡」


"金色ホシ"に藍が丸呑みにされる。

普段あれだけ耳に馴染まない他者の悲鳴が、目眩をもたらすのと同時に、生の実感とキラキラ輝く世界を与えてくれた。


柔らかな太腿でガッシリ固定され、上に乗られては……どれだけ盛れど、腰を振りたくとも振れまい。

鼻歌をむかのように言葉で責められ、『仕置き』とばかりに痛いほど胸の飾りを ぎゅうううううううッ♡ と、抓上げられた男は喉を仰け反らせ、怯えた眼差しを更に濡らすも、の泣き声を上げた。


そのまるで懲りてない、無反省な姿にオフィーリアは、内心「Subというか、これだから変態は……」と、眉をしかめる。

そうやって僅かに零れた溜息にすら、変態ダンナの体は嬉しそうにビクンと跳ねた。


「別に強請った訳でもないのに、嫌がる女の子にこんなことして、耽美エロ小説の読み過ぎです」


このドスケベボディーめが……!!

完全に脱がせはしない、だってその方がえちちだから。


白シャツの胸元だけを広げさせ、そんな思いを込め、またもう一度ぷっくり膨らんだSubの左■■を捻り上げ、爪で陥没させると。


「~~~~♡♡」


又もや感極まったような、悲鳴を上げられる。そんな旦那の艶姿に、


(コイツ、男のくせに、こんな体と■■■■しておいて、良く私を抱こうと思ったな……)


思わずそう思うほど、組み敷かれるや否やアヘアへし出したレオさんに、嫁は「神はなぜコイツにぱおんを与えたもうた、しかもこんなにもご立派なヤツを……」と嘆く。

それも、他でもない、腐ってもアストライヤの娘である私を……だ。


出会いがしらの始めこそは多少猫を被ってたものの、昔から"命を大事にしないヤツ"だと思ってはいたが、まさかここまでとは……。


「勇敢なのか、ただの色魔なのか分からない———こんな暴挙に出るほど正妻の余裕を持てないの? それとも情欲の勢いをかりてまで」


『お仕置き』


「……されたかった?」

「ッ、そ、それはぁ……♡」


耳元でささやかれた、声だけで■■そうになる。

もう少しで積年の思いが叶い、愛する雌の中に入れたはずの■■■■■が、今も未練たらたらに泣いていた。


オフィーリアが内心嘆いてる間、振り向くこともなく、■■に『仕置き』を施していない方の手を伸ばし、触れるか触れないかの"素振り"だけをする、嫁の意地の悪さに、レオくんは はっ♡ はっ♡ はっ♡ と荒い呼吸を零す。


その目はとうにとろんとしており、心なし瞳孔が♡に歪んでいて…。

どうやらいかれるDomに怯えるSubの性ですら、今の旦那にとっては興奮の一端にすぎないようだった。


「………………」


この変態……なので、いくら狼はイヌ科とは言え、まるで『パブロフの犬』としか思えないそのあり様に……こりゃあ、私の手に負えない。

ならばと熟慮の末、オフィーリアは自身の【インベントリ】から"とっておきの子"を引っ張りよび出した。


「………?」


顔なんてないのに、何故か「呼んだ?」と無防備な表情をこちらに向けている(様に見える)子に一気に心が温かいものとなる。

然しその一方……というか下で、凛と花香る、白い腕に絡みつくその蒼色あおみどりのヤツに、一瞬呆気に取られるも、レオくんはすぐさま眉を顰め、息を呑んだ。


「!」


……その蠢く体動に、蘇る耽美な地獄。

貴族社会を椅子取りゲームと表するなら、これは言わば勇気ある者たちの愛する狩場、この世にある【ダンジョン】から象徴と言える、魔性。


まずは「実力が伴わないのに、単独行動をした者」、そして「調子に乗って噛みつく相手を間違え、逃げるのに失敗した者」から消えて逝くのが、この世界の筋なのだから。

爪とぎの最中である『子供の内イマ』は場を弁え、できるだけ集団行動をした方が身の為というのに……。


「なんで、■■■■■をてると、男の人、男の子ってこうも知能が下がるのかしら。ねぇ、どうして……??」


ナニを思い出したのか、座っている旦那の腰が許可なく揺れ動こうとしているのを感じて、オフィーリアは「いい加減にしろ」と心の■■■を起てた。

そして、上でウロウロさせていた手、指で苦しそうにプルプルしてるレオくんの■■■■■の頂を ぴーん と弾き、そのままつつつ……上から下へと、爪で掠めるくすぐる


(だって、男の人はこういうのがお好き。昔見た吉原遊郭の解説動画、当時の遊女への『仕置き』の一つにくすぐりがあったはず……)


そう思い馳せながら、もはや自身の旦那をその手のプロ、高級遊女としか思えなくなった嫁は、三度目の正直とばかりに、レオくんのメス■■を強く捏ね回し、遠慮なく引っ張った。

例え怒れるお猫様最中であろうと、旦那が余りにもドスケベでイイ鳴き声を上げるので、IQ駄々下がり。ちょっと楽しくなってきた、AV監督気分である。


……然し、その性的な動きとは裏腹、まるで幼い子供のような口調で尋ね、無邪気に小首をかしげる綺麗な女の子に、レオくんのぱおんから ごぷり♡ 白混じりの汚濁が浮き出た。

上半身を真面まともに動かせない以上、彼は無意識に脚を擦りあわせ、少しでも多くの快感を得ようとする。


なので、


「本当に見境ないなぁ……」


怒られるのですら、気持ちいんだ?


その性への貪欲さ、流石はSub。

上では くうぅん♡ と仔犬のように鼻を鳴らし、もどかし気な口ぶりでごめんなさいするも。やはり、まるで反省や後悔……どころか普通に喜んでいる、旦那のえちちSubボディーに、オフィーリアの中に住まうナニカに火がついた。

……普段の"彼女からして"はあからさまな呆れ顔をするも、その中の人は、それはもう、メラメラである。


「この、変態」

「ッ♡」


……金色の瞳が藍に戻り始める。

先ほどまでとは違い、イライラはイライラでも■■■的なイライラ。怒っているというよりかは、どちらかというと、イケメンのドスケベ具合に発狂寸前という感じだ。


方や捏ね回し、イジメ倒すも、■■をとうとう弄り出したレオくんを見下ろしながら、彼女は「神は今生の体に二物も三物も与えてくださったのに、なんで自分■■■■がないんだろう……クッ」と悔しがる。


(レオくんのぱおんが余りにも憎い……)


……ただ、それでも思いは、あくまで思いの範疇。

前世で色々嗜んできたオフィーリアは、"この手の人間"がどんなことに喜びを覚え、どんなことを恐れるか(恐らくこの世界での誰よりも熟知し)分かっていた。

そして何より、今生のボキは他でもない星の子、しかも生まれながらの女攻めポジDomなので……彼女は目の焦点をきゅっと定める。


「あー、悲しいわ、悲しくて、泣いて仕舞いそうです。貴方がこんな体たらくでは、他の子たちにどうやって示しを?」


自分がヤラれて、"本当に嫌な事"はするな。

……口ではそんなごもっともな説教をするも、その心の中はもし自分に■■■があったのならと思い、レオくんのぱおんへの逆恨みでいっぱいだった。


「だのに、これでは、人道背くあるまじき事。今まで何だかんだ手加減してあげてた・・・・・・・・・私の方が馬鹿みたいじゃありませんか…」

「え…? ぁ、や、やだ」


なので、そんな理不尽でしかない怒りの勢いもあるし…。

後は、純粋に数刻まえまであれほど雄雄しかったカッコイイ男の子が、襲っていた雌の下、今や先ほどの自分みたくぷるぷる、いやいやしてるのが……もう、ね。


「ふふっ、あんなに私を犯すと息巻いて盛っていたというのに、可哀想……どうやら時選びも悪ければ、いくら百戦錬磨とは言え、喰らおうとした相手も悪かったわね」

「そ、ソレやだ……ひっ♡!?」


怒りが消えたのは良いが、もっと不味いナニカを呼び起こしたとしか思えない笑みを浮かべる、オフィーリアに、然しそれどころではない旦那は気づかない。


……かわゆい嫁からお嫁サマにメガ進化した俺嫁( 元変態大国出身 )は、ほぼちいかわでしかない旦那のはだけた胸に、ソレをそっと置く……。

そのあまりの生々しさに「ひっ」とレオくんが小さな悲鳴を零すも、問答無用。


「…………? ……!」


すると「なんだコイツ?」から「……ア」とナニかを思い出したかのように、頭上に「!」と浮かべた、大人のおもちゃだとモノのちまい脳天を、オフィーリアはツンっと軽く弾いた。


その、まるで愛おしくて仕方ない我が子を見る様な姿に、恐怖と嫉妬を始め、複雑すぎる感情を抱き、レオくんの顔が盛大に歪む。


『人間は簡単に明智るが、愛情を注いだ分だけ懐かれ愛される、動物は裏切りません!』


動物感動系まぢムリ……。

そう言い放つ、(当時まだちまい子供だった)何時しかの嫁の哀愁漂う背中が脳裏をよぎる……。


「うんうん、やだね、レオくんがこの子嫌いやだやだなのは、知ってるよ? でも、だからいいんじゃない??」


嫌だよね、嫌だから、好きなんだよね??


……それでも、未だ「アケチ」がどこぞの馬の骨なのかは、北部の少年少女にとって最大の疑問なのだが、何か響きが雅なので、ちょこちょこ使われ、大人たちを困らせている。

『天才』というのは追々として、突如意味不明なことを言い出すものだから、その辺りに関してもこの国の北部は寛大だった。


まぁ、どこ行けど戦闘狂と名高い奴らの頭は、細かいことはあまり気にしない(というかできないヤツがほとんどな地元である)ので……。


「……だって、ついさっきまで私がどんなにヤメテ、何度『嫌』って言っても聞いてくれなかったよね……?? んだから、目には目を歯には歯を。そして、何より…」


北部の長たる星獣アストライヤ

私を襲った時点で———"その覚悟"が、貴方の中でデキ上がっていたはずだ。


「なので。これは、そんな"既に"という次第で御座いましょう?」


私が『私』である限り、例えここで男性向けへと枠変しようにも、言わばクッころ。「そういった話」の女の子の扱いを熟知している、私がさせる訳ないのに。

これぞ雉も鳴かずば撃たれまい、いくら盛った状態であろうと、犬も噛み間違えなければ『お仕置きぺしぺし』されまい。


「だというのに。ほんと、バカね」


婚約した時点で、何れになる。

だのに、こんな日の時に限って。


「顔や体は無駄ってほど完璧なくせして、ばーか」

「ウッ♡」


ちいかわが、一瞬にして年相応の雄に戻る。

大人びた話口調から突然出た、何とも愛らしい罵倒に、実に健全的なダメージを喰らう。例えこんな時であろうと、旦那の心がぎゅっと鷲掴みにされた。


「…………………」

「えっ? ぁ……♡!?」


……然しそんな走馬灯のちの余裕も、次の瞬間にはレオくんの中から噴散する。


「ふ、ぁあ♡ 急に、力が、なんで…ま、まさか、このスライム……!」

「そう『あの時』の子です。折角の成人祝いにと、頂いたわけですし…あの後も色々あって、そのまま旅に」


まで行かずとも、やろうと思えば「レベリング」の仕様なんていくらでもあるし、思いつく。嘗ての生でアイドル~英雄や人外まで色取りみどり、その類の『育成ゲー』を統べらく、手を染めてきた私に不可能はない。


「ですので、"あの日の失敗談"を糧に情を育み、共に笑い、共に泣き、行く先々で命の大切さや輝き……」


そして何より、我が家の地下牢事情を未だ圧迫してくる【鼠】さんたちで……。


「とまぁ、」


とにかくそんな感じ……(੭ ᐕ))??


「ね」

「!」

「つまりです」


その辺りの冒険章は、詳しく話せば長くなるので、今のレオくんにはとりあえず アレからの日々、レベリング頑張りました!


「としか……」

「~~~~~~~ッ!!?! ぁっ♡ くぅ……♡♡」


旦那の顔をジッ…と、マジマジ見詰め、こちらを振り向きぴょこんと跳ねる相棒Ⅲに、オフィーリアは若干な罪悪感を抱きつつも、かわゆい笑みを浮かべる。

人間が信じられないから、動物に癒しを求めようとする。いくら元より"そういったモノ"に甘いとは言え、それでも番である自分との扱いの落差に絶望しながら、レオくんは「とても不満です」の顔をした。


なので、その声にならずとも、明らかに「意義あり、お前はまた……!!」という顔をした旦那のまたに、ちょっとムカついたので。

在りしの日の旅立ちでお世話になった博士どころか、【人】ですらない相手から頂いたソレを、オフィーリアはレオくんの下半身にそびえ立つ富士山、ぱおんに「これでも長男だから、にね」と言い、向かわせた。


「———っ♡」


敢えて言わずもがな、この手の世界観からすれば常識に等しい、説あるコアトル。


長男が子をなせないのは大問題だし、精液である必要はないが……いわゆる魔法を使える人間から分泌される体液は、人よりけり、多なり少なり【魔力マナ】を含んでいるので。

主人の思惑ともあれ、少なくとも"この子たち"にとっては【養分ごはん】にカウントされるのである。


「言わば、ちょっと? えっちな魔力供給というやつですね」

「~~~~ッ! ~~~~~~~ッ♡♡」


嫁の体が熟成する、然るべき時まで『待て』ばよかったものの、馬鹿な男である。

……本当にこんな女(※だけとは限らないが)泣かせ、ご立派なブツをぶら下げておきながら、なんてザマだ。

ほんと、って馬鹿……。


正しく、そんな眼で見下ろしてくる。

果たして、昔からでは到底思いつかないような「ヤラカシ」を度重ねてる嫁がヤバいのか、それとも低級魔物のくせに98レべ位の貫禄を背負う、(心なしムキムキに見える)スライムがヤバいのか……とにかく理解不明なナニカに遭遇した時の生命としての本能から、レオくんは起き上がろうとした。


……が、その反逆ともとれる思想は目敏い嫁に勘付かれ、発情真っ只中のSub■■を攻撃されたので、「ひんッ♡」と情けない声。何も得ぬまま、敗北に終わった逃避に、旦那の眼に熱い涙が滲む。

その余りにも哀れな姿に、


「…悪い子、キスしたい?」

「ッ、」


例えどんな事態であろうと好きな子から ちゅーする? と聞かれて、頷かない野郎はいない。


「でも、『オシオキ』だからね、ダーメ」

「~~~~~ッ♡♡」


コクコク頷く相手の唇に、オフィーリアは指についた『粘液』を塗り付け、そのまま突っ込み、ねぶらせる。

もし自分が本当の男で、私の下にもぱおんがついていたら、この手の展開で想像に難くない行為Playを強いれるけど、ナイものは、しょうがない。


……がホロリ溜めていた涙を零し、一瞬落胆するも、自分の指を旦那がうっとり、嬉しそうな顔で奉仕するさまを見て。


(私も男になれば……)


各々で使える属性区分あるも、魔法なんてチートパワーがある世界観だから不可能ではないはず。

二次創作等でよくお目にかかる男体化する薬って『調合』、完成した所で合法扱いなのかしら、と思う。なんせここは…………の世界、だからな。


そんな周囲のオトモダチや、男が聞けば実に悍ましい、然し女性陣からは絶大な支持を得そうな算段を付けながら、オフィーリアは「とりま、お父様等ではなく。これはサキュバスのお姉様か魔塔方面に相談してみよう、そうしましょう」と思った。


———まごう事なき、フラグである。


……ただ、今は。己が下で悶絶してる旦那に、例えこんな世界であれ、「流石に可哀想かな」と思うも、今日は甘やかさないと心に決めてるので。

理性と良心パが全滅した今、後に残るは奈落への一直線かの様な思考回路だった。


数刻前まで及ぶ、特にここ数日に渡りこの男から受けた辱めはずかしめを思い返せば、いくら厚顔無恥とは言え、コイツも法廷へ駆け込めまいよ。な気持ちである。


「勇気? 希望? アンパン界の話かな?? 寝言は寝てから、誇り高き処女が好きなら聖職につけばいいし、遊べる恋人は舞踏会マッチング、奇跡のような俺嫁が欲しけりゃ結婚相談所にでもどうぞ」


女は厳しいが、男側はそうではない。男尊女卑とまで行かずとも、上流階級の女性母体数からして、"必然的に男社会"になってる世界の事だ。私が嫌になれば、「次」に行けばいいし。


(アイが芽生えることに越したことはない———けれど、どちらかと言えば"ビジネス"に近い)


頭ではこの手の奥方への役割、時代の婚約はそう簡単なものではないと分かっていようと、根底で「現代」の感覚が抜け切れていないオフィーリア。

そんなことを考えながら、例のネコみたいに口をにぃ……と綺麗な三日月に歪める嫁に、レオくんは首を振るしかできなかった。

彼女の思いともあれ、先ほど嫁が感じていた気持ちを今更、旦那が身を以て実体験しているのである。


「ああ、あれだけ頭が高かったクセに、なんて惨めで、儚いアイらしいお姿…あの頃もその手の話は好きでしたが、ただでさえそう・・・・・・・でしたのに、こんなギフトまで付与されてしまったからでしょうか…」


猫だけに、なぁーんと鳴いて。


「いっ♡ ッ、いや、嫌だ! そこぉ、は♡ 離しっ、やめッ———!!」


弱弱しいあいくるしいジタバタで、こちらに手を伸ばす旦那の両手を、「危ないから、いい子にしましょうね~」と寝台の柵? みたいな所に縛り付ける。

他の魔法属性に比べ(妄想)力の分だけ、汎用性の高い【水】属性を持つ、オフィーリアは色んな意味で強い。


そして、完全にれいぷモブオジみたいな存在になった嫁に、いやいやしながらも、興奮できているレオくんはエロい。


少しは萎えたが、やはり今にも爆発しそうなほど硬く、錬成されたのに『放置』を強いられた精で ■■■■♡ に膨れていた、レオくんの可哀想な、そして全然可愛くない■■■■■に、細々とした触手が そろー と様子見かのように伸ばされ、きゅっと巻き付かれる。


「んぁっ♡!?」


その冷たさと、もどかしい痒さに、レオくんは体を強張らせた。


いくら狂暴であろうと、それでもSubだからなのか、確実に自分よりは加虐心を煽る、まるで生娘かの様なその反応に。

胸が高鳴り、『オフィーリア』の心が嫉妬と興奮で震える。


なので、彼女は可笑しそうに。


「そもそも"私"相手に後先考えず、おいたするから、自業自得。そんなに私との子が欲しけりゃあ、今からでも形勢逆転してみる?」

「ひっ、あっ、あぁああッ♡♡」


貴方こそ口先ばかり嫌がったところで、体は正直、この手の行為おあそび、Playはお好きでしょ?

だって、


「何も変わらない。出会った頃に比べ図体、態度ばかり大きくなっても、可愛いままだね。いくら格好が良くても、隙あらば盛るし、舐めてくるし」


でも、カッコ付けた所で、結局


「うちのレオくんは変態わんちゃん、だものね……??」

「き、き…はな、し、ぉ""、おっ~~~~ッ♡♡!!?!」


どんなに頑張って背伸びしても、働いても、幸先が見えない。

でも経験上、初めからある程度"晒した方"が楽だし。ナニ事においても『基礎』『基盤』は大事だ。


「だから、アナタもそうでしょう?」


結局いつの世の中も時代も同じこと、同じ種族が口にすることは信じたがらないクセに、快楽に溺れ。人はいつも予言カミサマを信じ、美しい夢テンゴクを見たがっている。


「レオくんは、『気持ちいの』が好きで、目がないものね……」


「狼なのに、すぐ発情しちゃうの、兎さんみたいで、可愛くて素敵と思うわ」 手を水の帯で縛られたまま、そう耳元でふーっと息を吹かれ、囁かれたレオくんの体が殊更、一気に熱を帯びる。


(ああ♡ この威圧、番の威圧だ、気持ちい♡ 気持ちいの、きもちいのがクル……♡♡)


例え言葉にせずとも、先ほどの声なき悲鳴とは違い、今度は目が全てを物語った。


可憐な娘と恐ろしい化け物。

映画であろうと小説であろうと大衆受けし易い、その分よく出て来る定番の組み合わせだ。


先ほどまでの雄雄しい姿スパダリはどこへやら、熱籠る期待の眼差しで見上げて来る雄だったモノの腹に乗ったまま、オフィーリアはその濡れそぼった顔を見下ろした。


「♪……」

「あぁ♡ ア""ッ"、もどかし、もっとぉ……♡♡」


下半身の方では、むくむく膨らむデカイ噴水をお気に召したのか、相棒が触手でつんつんしたり、特に血管の分かり易い裏筋のとこを撫で上げたりして、楽しそうで何よりです。


でも、決定打を与えないその絶妙な擽りに、やられている側は溜まったもんじゃない。

……と知識的な理解はするも、アヘアへしながら『キス』を強請るように、舌ををチラつかせ、顎まで唾液を零すレオくんの興奮顔を最後に一瞥いちべつするや、オフィーリアは突如"何時もの顔"をして、旦那の上から降りた。


そんな嫁に嫌な予感が走り、旦那はあへぇ……? と、しながらも「え……」と絶望する。器用なものである。


「一人になってこその自由度。さっきまでのお返し、してあげる。今夜は覚悟なさいな」

「ッ!? ぇあ♡」

「レオくんは男の子なんだから、戦いの中で成長しないと……ね?」

「ひっ、ひ…んん~~~~~ッ♡♡!!?!」


気付けば時空次元の壁をブチ破り、これまでの15年間、始まりの村こそ「女は~」的なニュアンスで原住民に喧嘩を売られると、それを逆手に「ならば、、男なら~」と家門パパの威光を背後に、正々堂々と打ち勝って来た、オフィーリアお嬢様のスタンス。

ここで使うのは、何か違う気がするも、そう言いながらお嫁サマは、レオくんの上から実にあっさりと退いたのだ。


(だって、この手の変態は、私……でなくとも素肌、行為を見られると、何してもご褒美になるだろうし……気持ちくなるだろうから)


このままでは埒が明かない、突如正気に戻る。

ならば、三十六計逃げるに如かずとけるしかないのである。


裂けて、そのつど縫われて、新しい跡として古い傷と混ざり合う。


(嘗てがそうならば、今となったところで変わらない嗜み、完璧でなくとも愛さずにはいられない、ワタシの推しSSRたちよ……)


最も強牌だったはずの外堀、防波堤を失ったオラに力を。


声楽もそう、楽器もそう、絵画やその他諸ともも、結局はそう。

オタクと言うのはすぐアニメ等に影響され、周りXに染まり、例え一文無しになろうと世の『芸術』と言うのに狂い出す生き物だからね。

何事も場面で、少なくとも私という人間は社畜する傍ら、そうやって生を謳歌してきたのだから……。


「ほんと、今更ね」


石の上だけでなく下でも、舞台は『観る側おきゃくサマ』だからこそ楽しめる。


ふと部屋にあった時計を見て、「タイムオーバーですね、お互い」と零すと、ふうふう喘ぎながらも「ど、どこ行くの?」と震えた声で聞いてくるレオくん。

思わず無課金で観ていいのかと唸るほど、かわゆく見えるドスケベ、目の前でアヘアへしてるイケメソに、オフィーリアは告げた。


「多分この例えを使えば、多方面から怒られてしまいますが」


それでも折角なので、これを期に言っておこうと思います。


「我が身がなんたるかは一先ず置いといて……やはり『レオ』って名だけに、お前は・・・そっちの方がお似合いよ」

「ぁッ、はふ、はぅうう……♡♡♡♡」

「……ほら、息の使い方が完全に『わんちゃん』、分かった?」


この子は気紛れだから、突如「こうなる」のは、よくある事。

だから、そこはいいが、今独りにされるのは不味い。本能的にそれが、分かる。


上から横に捌けた嫁に縋るも、指一本動けなく「ワカラセ」られ真っ最中の旦那は、腕を万歳状態で縛られたまま、次第に曲げられ、強制的に開かされる両脚に、前を震わせるだけでなく。何時しかの快楽を思い出し、中まで きゅうう♡ と、締めた。


『いくらそう言う時代とは言え、そこまで女性を見下すなら、もしや貴方様は男の腹から産まれてきたのですか?』


生理の苦痛を知らぬモノが、生理中のおんにゃの子を馬鹿にするな。メスにするぞ。


いくら様々なファンタジー要素が入り乱れ、蔓延るも、オメガバーではない。

少なくとも今のオフィーリアが知る、世界は、いくらSubであろうと愛液は出ないし、【人族】の男は、子を孕む子宮はない。


ただそれでも……。


「———まぁ、その辺りはとにかく、今の私がこの場を前、お借りしてまで何を、ナニを申し上げたいのかと言いますと…」


物凄く恥ずかしい体位にさせられた自身に対し好き勝手、横で好きなだけもの申し上げる嫁に、レオくんは「んっ♡ お、俺はそんなつもりじゃ……ッ!!」と何度も啼いた。


そんな旦那の震える、もう私のモノと言っても過言ではないはず……の、ぱおんを睨み付け、パクパク物欲しげに開閉する■■■をやはり、どこか審査員を彷彿させるような眼で見ながら、どうやら嫁は事ある毎にここ数日「俺の俺の俺の俺の」を付ける旦那に、いい加減にしろと思うとこがあったようだ。


———その時の言い分がこちらである。


「正直ね、レオくんクラスのイケメンに言われて気はしないけれど……いくら一部機能が機能しない宝の持ち腐れ? な私でも、それでも貴方のDomだからなのか、過剰なまでの不安を一方的にぶつけられてると、まるで自分のSubに信頼されてないみたいでイライラする」


だから、いっぱい反省して。

そして、何より……今どんなに頑張っても、■■■は生えないし、それは追々……。


「何より大事なのは、そう何度言われるほど私は難聴ではありません」


中身はあれでも体はぴちぴちの齢15、私も随分と見くびられたものだ。

後は、勘違いしないで。


「……婚約と言う契約おやくそくで私が貴方のモノになったのではなく、貴方が私のモノになったの」


だから、いつも自分に言い聞かせるのと同時に、貴方たち・・・・にも口酸っぱく言ってるでしょ?

———長生きしたければ最低限のTPOを見定め、準備が不十分な内は『弁えなさい』と。


だというのに、お前様ときたら……。


「能ある鷹は、限界まで爪を隠すもの。好きな子を前に大きくするのは心の広さと『ソレ』だけにして、態度まで大きくでっかくしないで。今まで可愛がってた息子わんちゃんの逆襲にあったノブナガ様気分…普通に怖かったんだから……」

「ひぐっ♡!? ひぃんっ……♡ なに、なにこれぇ……っ♡♡」


途中でなんか変な副音声が聞こえたかもしれないが、至極真っ当なコトを述べているようで、実は混乱している嫁の言葉に、然し弁明したくも、レオくんは目の前に迫る"未知なる脅威"にそれどころではなくなっていた。


先ほどまでチマチマ弄ったのち、冷めぬ前にそろそろしょくそうかしら、「ふむ、これは中々のお味……」と如何にもそういったエロアニメで見そうな内側いぼいぼびっしり、女の■■みたいにうねる触手オナホ。

軟体的な体の一部を パカー♡ と開花させ、旦那の悪いぱおんに覆い被さる相棒を横目に、彼女は続ける。


……ほんとソレだけでなく、こちらの気も肝も知らないで、何もかもデカくなりやがって……。


「あぁ、でも———」

「…ッ!? んぁ、ぁああっ♡! だめ、だめ、だめぇええ………っ♡♡ 入っ、やだ、今の状態、そんなッ」


絶対、死ぬほど善がらせられ、気持ちいいヤツ……♡


「中に勃起■■■■■入れたら~~~ッ♡!?」

「……思い返せば、お前は初めから他と比べ・・・・特段と……底意地だけでなく『ここ』の食い意地も非常に悪い欲張り屋、『困った子Bad boy』だったものね?」


だから、無理やり食べられる被食者の恐怖というヤツを、お前も味わってみればいいよ。

恐怖で支配するのも、暴力で物事を解決するのも好きではないが、最も効率の良い手段だと思っている。

優しく「メ!」ってしても、分からないなら、力づくでワカラセるしかないよね……(੭ ᐕ))??


「だから、レオくんね。今から念願の『お仕置き』頑張って? マァ無論…」


ひとりで。


「だけど」

「!!?! ヒッ、」


傍で魔法を展開される、去りゆこうとする気配に、「や———ッ♡」と反射的な声を上げるも、遅い。


「ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい、俺が、僕が・・悪かった、ただそれだけ不安で…っ、み、身勝手過ぎたのは、認める! からぁ、謝るから行かないで、こんな状態でもし『ドロップ』でもしたらッ! や、やだやだやだ、いっちゃいや、独りにしないで、ひとりは『怖い』ッ」


ようやく過ちを認め、全力で駄々を捏ね始めたレオくんに「……でも、私がいたら変態レオくんはナニされても嬉しくなっちゃって、仕置きにならないじゃない」と心を鬼にし、今にもガチ泣きを始めそうな旦那の顔に目を細め。

そして、


「謝って終われる世の中なら、FBIもCIAも公安警察も要らない。賞罰はハッキリとするのが我が家、強いては私のやり方だから、分かって?」


……ほら、せめてものドロップ防止、保険・・はかけてあげるから……。


「っ!! ぅ♡ あ♡ こんな時に、こんな優しい『キスコマンド』しないでぇ……♡♡」


オスだった相手の口を覆い、自分の唾液マナを飲ませる。


高位であればあるほど猪突猛進、この手の人や魔法は一度展開されてしまうと、止まれないから。

そうやって、消えながらも ちゅっ♡ と残し、全ての声が喘ぎとなった、雄のぱおんが相棒にすっぽり飲み込まれたのを見届け。


(確かに時間もそうだが、それよりレオくんが可愛くて思わず……でも後悔はしていない)


そもそも魔法などに頼りすぎて怠慢となる、屈折等の原理にまだまだ疎い時代なので。

水魔法で【マジックミラー】なるモノを作り出すなんて発想できるのも、たぶんこの世界で私だけだろうな……。

結局いつの世も、"誤魔化す方より騙される方が悪い"と、嫁はしめしめほくそ笑んだ。


……と言う、それだけの話。

今日も思わずゴクリ物、喉を鳴らして仕舞う———目前の光景に。


「!!! ! !!!!!」

「           」


気持ちいよ、気持ちいよぉ♡

気持ちいの、好き♡ なのだと髪を振り乱し。


でも、やっぱり……。


「          ~~~ッ♡♡」

「! !!」

「■けない…■けないのに、はぁ…腰うごいちゃ、オフィーリア、お""っ、おふぃーりあ! おれのつがい、俺の番どこッ、やだ、キミがいるのにひとりで気持ちよくなるのはぁ……♡♡」


堪えられない! と言いながらも……。

それでも……、


「はっ、はー♡ せつない、くるしぃ、前も中も、切な、こんなのひどい……こんな君の匂いフェロモンで充満された場所、へやじゅうから、」


なのに。


「この魔物からも、いないのに、はぁ♡ なんでのDom、あ、あ、ぁあそこ、もっとつよく……っ♡ しごいてぇ♡♡ オフィーリア、お前からもおふぃーりぁの魔力の匂い……♡♡ がする♡♡」


■■■■■■の体位で悶え狂い、はあ、はあ……熱っぽい声を上げ続ける。極上と呼ぶにふさわしい相手に、暫く苦難を共にした可愛い相棒が。


「………………………」

「あっ、出る……今度こそ、も、出そう……♡ うっ……はあ、はあ、■っ、■■、あっ、■■ちゃ———ッ♡♡♡♡」

「         」


……一体誰に似たのやら。


雄からすれば、正しく鬼畜の所業である責めイジメ方に、旦那に乱された衣服を再度仕立て直しながら、思わず目を逸らす。

いくら子は親に似るとは言え、でもそれを認めた途端、自分をドスケベ痴女だと認めたのも同然……。


「っ……!? ~~~~~~~~~ッ、な、なんでそこでっ、やめちゃうのぉ……♡」


自分のレベリングの才能が、こうも「あなおそろしや」なのだなと、オフィーリアは思った。


そう何度も「おふぃーりあ、ごめんなさい、あやまる、何度でもあやまる、なんでもする、なんでも、もうしない!」と虚空に謝る旦那は、確かに可愛いが。その分自分が汚らわしい存在だと思えてごめんなさいしたくなる。

これで離婚突き付けられても、電撃結婚せきにんもんだいを迫られても、もうナニも言えまいレベルであった。


人として……。


「…ごほうしでも、にゃさけない腰ふり、やがいおなにー、むだうちでも、これからはキミのゆうことだけ、するっ…からぁ♡! 早くもどっ、おふぃ、おっ♡♡」


何より、今もこうして旦那の口から出る内容が、ことさら自分を汚れた変態だと、思わせるには十分すぎる要素だった。


格好のイイ雄なのに、愛らしいメス声に耐え切れず、一瞬戻ろうとするも……思いとどまる。

今赴けば『お仕置』にならないし……これからの生活を考え、ただでさえフラグ塗れ、黒い噂塗れな身体に、更なるゴシップが生れるに違いない。

個人的に馬鹿にされるのは「まぁ、人間だし。そんなヤツ、どの業界にもいるよな……」となるも、天文学的


(どころではない……)


その様な、となっているらしい、資産を誇る実家まで悪く言われるのは、癪だ。


そう思いながら、旦那の痴態をBGMに、更に展開させた魔法【水鏡】に映る、如何にも異次元めいた顔立ち、神秘的な黒髪も、揺らめく夜空のような瑠璃の瞳も悪くはない。


(寧ろ、最高だ)


とオフィーリアは思った。


今生の父×母を良いとこ総どり、つまり夢に思い馳せれるつよつよ遺伝子のはんぶんこ状態———観る人の好みによっては「あのお兄様」以上に整った作画をしている。


(……のは、マァ贅沢な悩みが芽生える反面)


(おふざけ半分ではあれど)例の奇跡の八人同時をリアルで体験したり、結局のところで、彼女は「大変お宜しい」と思っている。見ているだけで「シアワセ」になれる顔面の数値だ。

傍から見ればゲスくとも、実に"現実的"な話である。


前世であろうと今生であろうと、見目が麗しいのは良い。上手く扱えれば被る損害以上のお得が、られるから。


綺麗な仮面かんばせは、それだけで人を惹き付け、女の地、そして『商品』としての価値を上げる。

例え戦時中であろうと金はあるとこにあるし、今から自身が向かう【夜会】、そしてこの学園に集うのは殆どが富裕層、お貴族様なのだ。


「しめしめ……」


経済はそうやって回される。

以前の世界の中で例えるなら、芸能界が専らそうであるように、使い道も多い。

自分だけをとっても、各ソシャゲー等に注ぎ込んだ、軍資金と言う名の推し達への投資額、期間限定の呪い、ガチャ……。


「は、もう思い出したくない……」


のぜ、だけれども。

いくら今生の生まれが生粋のお貴族様とは言え、自由を愛す。

その手のやり方を熟知してる自分オフィーリアからすれば、我が身の容姿ほど磨けば磨くほどコスパよくデコれて、他者に迷惑をかけないのを提に、使い勝手の良い『武器』はないのだ。


人知を尽くして天命を待ち、備えあれば憂い発生前に耐え。



「              」


ぁっ、ぁあああ"あっ♡ ひっ、ぐ、やめて、やめて、やめてぇええええっ♡


「   ~~~~~~~~っ♡♡」


……そう思いながら、もし両手足を縛られていなければ、確実にアへ顔ダブルピースをキメていたであろう、美青年の姿に「ごっつあんでした」と手を合わせる裏腹。

この瞬間も相棒に「遊ばれワカラサられ」ている旦那の姿を記憶に刻み、私は決してこうならぬぞと、胸に大志メメントモリを抱く。


【人族】での産卵プレイは、男からすれば興奮するシコれるかもだが、大概は見る分には可である、流石の私でも思うとこあり。


(ナニより現実ともなれば、普通に母体が死んで仕舞うので……)


あの日のアメリカンドリームを捨てたからには、今生こそ天寿を全うし、可能な限り楽しい異世界ライフを謳歌したい。

(今度は本当に)退出する自分に気づいて触手のおててを振る、顔がなくとも可愛いでしかない異世界のいのちに、「このあんまりな仕打ちに、この後、レオくんに離婚突き付けられた暁には、どうしようかな」と思いながら。


(その時はぱおんを生やし、男になるしかないや……)


攻略料は取るが、ギャルゲーでも乙ゲーでもお任せあれ。あと時間ある時に、時折り恋文の添削も承っている。

北部歴代最凶の口説きのプロキューピットと呼ばれし、我が身かな。女であるから乙女心も熟知してる私が、この顔で男になれば、きっと最強にモテるハズ。


そう今後の方針を決めたオフィーリアは、正しく賢者の貫禄ソレを背負う。

どこぞの誰かに散々弄ばれた鉛の様な体を引きずるように、人が好きそうな顔を作って、新たな戦場マップに目を向けた。


(……いつの世も真の敵は内部アケチにあり。とは言え、だからと言って油断はできない)


防波堤にする算段だった旦那がダメになってしまったからには、その分の力も惜しむべからず。歳にも負けず。

内外混同の夜会か夜会、絶対喧嘩売られる。最近の若い子のノリに着いて行けるかな……(੭ ᐕ))??


正直、公女としてあのお子様たちのご父兄やご婦人たちと言葉を交わす以上、その辺りに若干の心配を覚えて仕舞う。今宵も今宵とて、元気に声出してイって参りましょう……。

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