第102話 犬吸いについて
犬吸い……なんか恋愛小説として完成度が高い気がしました……。
ちなみに私は恋愛小説を一冊も読んだことがありません。強いて言えば、ノルウェイの森と、自害を共にできる強い絆で結ばれた夫婦の物語である憂国くらいです。たまたま読んだ本に恋愛要素があって良かったです。偏りすごい。
◯犬吸いのここがすごい
共通点が占い要素なんで共感高いし、なんか運命!って感じが恋愛小説の空気を整えてくれる。(この部室の運命!はまた違った引力だけどw)。
文学トークによる日常も、友達以上恋人未満のいー感じを簡単にイメージできるようにしている。
→ライバルのサイコパス感が読者の「部長大丈夫?!」みたいなハラハラ感に。主人公は擦れた感じだけど実は純愛的でいい奴という対比。
→ハルキの新刊の強さwww(共感のピントがすごい)。ライバルの手口に部長がコロコロ行くことに対し、「ハルキなら仕方ない」という主人公の気持ちと読者の気持ちが完全一致w
→部長の素振りが変わり、察しの良さが仇となって何のアクションもしない主人公の人物像に、読者は思う。「そう、私もあの時身を引いたの。でも大人になって気づいたのだ。告白してフラれることくらい実は何でもないことだってね」(作者の恋愛観が知りたくなってくるー!)
モノから読者が勝手に世界を広げる。それが作者の意図に沿っている。
読者が勝手にドキドキ、ハラハラ、切なくなる。
それで良し。
”読むことを頑張らなくても楽しめる”ってすごい!
なんか、文字が物語を進めるんじゃなくて、読者の頭が勝手に物語を進めるのが良い作品かなと思いました!
追記
続きがあったとして……自分の妄想なんですけど、
永沢ぬりゃはたくさんの女の子に手を出していて、文学ジャンルで遊ぶなら部長かな、くらいなゲームだったと。
段々にそれがわかってきた部長。
主人公がどうするかなんですが、主人公の愛読書が背中を押すとかどうですかねー。
本が賢者的、メンター的な役割。
主人公に事情がある背景つけて。
その背景が他人と距離をとる性格を作っていて、本によりそこを克服かつそれにより恋愛にも踏み込めて、最後はハピエン。
最後ハピエンなら、実は永沢ぬりゃとはまだ男女の仲じゃない方がいいなぁ。
実は部長も主人公が好きだったけど、その気がなさそうだったから諦めてたとか。
飼い犬がいるのもいいですね!
目の前の犬と部長のわんこ的なところへの愛着の描写がリンクするし、”主人公の独白”が自然になる。
追記
内田百閒についての記事自体が面白かったw
https://www.akishobo.com/akichi/kurishita/v6
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