Paradogs

@citruslemon

エピローグ



 学校に行きたくない。


 というより、人間関係とか、そんな風な『苦痛』を感じたくない。



 どうしてわざわざ、『苦痛』を感じるために学校に行くのかが不思議でならない。

 『苦痛』を感じたくないと思うのが自然のはずだ。だって僕等は人間なんだから。


 なのに、学校に行きたいと思ってしまう。キラキラした学園生活に憧れてしまう。

 部活動で仲間と汗を流したりとか、好きなことをとことん究めたりとか。

 きっと僕は、そんなキラキラに魅せられてしまっているんだろうな。

 例え、それが耐え難い『苦痛』を伴ったとしても。


 学校に行って、たくさんの友達を作って、帰り道に談笑しながら帰る。

 「昨日のあいつ見た?w」「あいつってほんとバカやってんなーw」みたいなそんな

 くだらないことで笑い合って、ふざけあって、バカにして、バカにされて...

 そんなキラキラしたくだらないものに、僕は魅せられてしまっているのかな。

 やはり、輝くことは良いことじゃないんだろうな。でも、それでも憧れてしまう。


 


 僕等はどうすれば、あんな風にキラキラできたのだろうか。


 保育園の頃に教わった「みんななかよく」が僕にできてたら、僕も一緒に輝けたの

 だろうか。


 僕が細かいことに気を取られずに、何も考えず、無神経に生きられたなら、もっと

 楽に生きられたのだろうか。


 よく知らない誰かを守る勇気を出さなければ、よく知らない誰かに、傷つけられる

 こともなかっただろうか。





 みんなの言うにさえならなければ、僕等は輝けたのだろうか。




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