第56話

 「さて、どうしたものかな?」


 どうやら選ばれし者に登録をするように政府は呼び掛けており、登録した選ばれし者は自衛隊の一員として給料を出してくれるそうだ。


 上下関係がある組織に入って命令を聞くだけなのは楽ではあるが、俺の力を使うのに組織に入って活動するべきだろうか?


 確かにお金は大事だが、既にお金を得る手段がある俺としては態々面倒な人間関係のあるだろう組織に入りたくはない。


 登録しないでの活動も可能だろうが何かしらの制限を政府が付けて来る可能性だってある。


 本当にどうしたものかと悩んでしまうが、そんな悩みよりも先に何かを食べろとお腹が訴えて来た。


 「難しいことは後にしてご飯を食べよう。」


 吸血鬼世界からの侵略者や機械生命体世界の侵略者を大量に倒したことで手に入ったポイントを使って、俺はステータスボードのポイント購入で既に作られている料理やお弁当を購入していく。


 朝から大量の惣菜やお弁当が並べられたテーブルを眺めながら、俺はその中の一つを口の中に放り込んだ。


 「ん、美味いな。」


 ポイント購入で購入したお弁当の具材は普通に美味しい。外の並ぶような店で食べられる味だ。ポイントをそこそこ使ったがこれなら満足だな。


 次々に購入した料理を口の中に入れて咀嚼し飲み込んでいく。


 「ごちそうさまでした。」


 テーブルに置かれたすべての料理が俺のお腹の中に入り一息吐く。


 食休みをしながらも俺は登録するのかしないのかをどうしたものかと考える。


 どちらにしてもメリットとデメリットがあるのだが、やっぱり人間関係のことを考えると登録しない方が面倒ごとが少なさそうだ。


 「よし!やっぱり登録はなしだな。」


 人との関わり合いの面倒くささに、俺は登録はしないことに決めた。


 これで何かしらの問題が発生するかも知れないが、その時はその時の俺に頑張って貰おう。


 決まることが決まって一段絡した俺は食事を先にしたせいで気になっていたが調べなかったことを確認する。


 「それにしてもステータスがなんで光っていたんだろうな?」


 ステータスボードを開いてステータスを押してみた。すると、報酬があります。と表示される。


 なんでステータスボードを開いた時にこのメッセージが出なかったんだろうと思ったが、そんなことを気にしても仕方がないと俺は報酬を受け取った。


 手に入った報酬は武装装備スロットの追加が1つ、スキルの追加が1つ、必殺技の追加が1つ、大量のポイント購入で使用可能なポイントだった。


 そしてどうして報酬が手に入ったのか、それは報酬をもらう際に表示された文章を読んで結果、どうやら地球への侵攻を阻止に関して貢献度が高いから報酬として貰えたらしい。


 日本エリア2つのゲートの貢献度を見るに俺の貢献度が50%を超えているのはやっぱりあの場の最高指揮官だった存在を撃破しているからだろう。


 もしかしたら他にも俺と同じくらいの報酬を受け取っている人が地球の何処かにはいるかも知れない。


 他にも地球に侵攻させなかった国は幾つもあるのだから。


 とりあえずポイント購入のポイントがどれだけ増えたのかを確認したあとに、追加された武装装備スロットやスキルや必殺技をどうするかを決めていこう。


 それが終われば今後どうすれば良いのかを考えないとな。日本エリアのゲート内にある別世界に繋がるだろうゲートの向こう側も気になるし、ゲートを通り抜けて攻め込んで来ている侵略者たちだってどうにかしないと日本にも影響が出るのは分かりきっていることだしな。


 「難しいことは後にして今はポイントの確認をするか。」


 パパッとステータスボードを操作して確認する。


 「うおっ!?こんなにポイントが貰えるのかよ!!」


 想像していたよりもポイントが貰えていた。侵略者たちを倒して手に入ったポイントよりも多くのポイントが手に入ったことに驚いてしまう。

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