第25話
蹴り、拳、肘打ち、蹴り、膝蹴り、拳、手刀、蹴り、掌底、振り下ろしと連続で攻撃を浴びせていると、俺が攻撃している吸血鬼以外が指揮をしている眷属からの殺気が俺に向けられる。
ここで攻撃している吸血鬼を倒さないといけない。ここで攻撃を止めれば逃げられてしまう。より殺意と闘志を乗せて攻撃を絶え間なく続けていく。
そしてここだと言うタイミングで俺は必殺技を使うことにした。
「エナジぃーナックゥルゥゥーッ!!!」
拳にエネルギーを収束させて繰り出した【エナジーナックル】は、俺の攻撃に寄ってズタボロに服も身体もなっている吸血鬼の頭部を砕いた。
そして続けて吸血鬼の心臓部分にもう片方の拳から繰り出された【エナジーナックル】が突き刺さる。
すると、吸血鬼の身体は全て灰へと変わって行き、突き刺さっていた腕や拳にサラサラとした灰が掛かっていく。
「ふぅー……。」
ここで一息吐いた俺だがすぐに吸血鬼に従っている吸血鬼の眷属たちが俺の元へと距離が縮まっていた。
2度目の無呼吸での連続攻撃に寄って消耗している体力や不調になっている体調は、1度目よりも悪くなってはいないが、それでも消耗は激しい。
それでも2度、3度と深呼吸を繰り返し行なえば戦うことが出来る程度にはなったが、全力戦闘を行なう時の5分の1の戦闘力くらいしかないくらいには低下している状態だ。
この状態の俺では眷属たちを一撃で倒すことは難しいだろう。そうなると迫って来ている次の眷属への対応が遅れてしまい危険な状態になってしまうだろう。
それでもここで逃亡することは出来ない。今の俺は眷属たちに囲まれているのだから。
でも俺としては運が良かった。今の状態で吸血鬼に襲われた場合、確実に殺されていただろう。
吸血鬼が物臭な性格なのか、それとも俺をもっと弱らせる為の行動なのかは分からないが、俺はすぐ側まで接近している犬と狼の眷属に対処していく。
ギリギリで回避することで体力の消耗を少なくしながら、最低限の力で犬や狼の眷属の首にダメージを与える。
毛皮や筋肉に阻まれて首骨に与えられる衝撃は減ってしまうが、そんな部位への攻撃に犬と狼の眷属は力をそんなに入れていなくても大きなダメージになったのか、犬と狼の眷属たちは弱っていた。
このまま戦えば数を減らせるが、俺の元へと空から蔓の鞭や蝙蝠の突撃が行なわれ、人間やグールの眷属も襲って来始める。
四方八方から迫って掴み掛かって来ている眷属や上空から攻撃する眷属の攻撃の数々に回避をしながら眷属を受け流し利用して攻撃を受けないようにしていく。
それでも少しずつ俺の武装に傷が付いて体力を削られるが、その間に何となく無呼吸連打での影響から回復することが出来た。
「ここから反撃だッ!!!」
まだ本調子ではない状態の為、狼とグールの眷属を一撃で殺すことは出来ないが、それ以外の眷属は頭部を砕ける程度まで回復したお陰で迫って来ていた眷属は少しずつ数を減らしていた。
「これでも食らえ!!」
飛んで来た蔓の鞭を掴むと、俺は蔓を振り回してウリ科の眷属を武器の代わりに使って攻撃をする。
流石に数回ぶつければウリ科の眷属は砕けてしまうが、そのお陰で俺の周りの生きている眷属は近寄らない状態にしてやった。
今の俺の力で振り回す蔓を受ければ皮を抉られるほどの威力があり、下手な部位に蔓を受けた眷属はそれだけで戦闘力を激減してしまっているほどだ。
無呼吸からの体調を元に戻すまで戦い方を工夫していたが、それもようやく終わった。ここからは完全に殺す気で動き回り攻撃を俺は仕掛けに向かった。
周りに死体を晒している眷属が転がっている地面を転ばないようにしながら接近して眷属を殺していく。
移動、攻撃、移動、攻撃、移動、攻撃と絶え間なく殺していくが、呼吸をキチンとしているからか、それほど消耗しないで眷属の数は襲われた時と比べてかなり数を減らしていた。
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