第15話
投げられた1メートルを超える大きさの眷属犬を躱そうとしていたが、周りに仲間がおり更に後方から来る仲間もいたせいで侵略者の一団に命中する。
「投擲ではそこまでダメージはないのかよ。」
投擲された眷属犬が命中してもそこまで被害を受けた様子を見せていない侵略者たちだが、それでも足止めには役に立ち、後方から次から次へと向かってくる侵略者との衝突事故を起こして、そちらの方が投げて当たった眷属犬よりもダメージが多そうだった。
そして俺は投擲と後方からの衝突のぶつかりで体勢を崩している侵略者たちの元へと走り出していく。
「両手でのエナジーナックル。よし!出来たぞ!!」
右拳と左拳の両方に【エナジーナックル】を発動して通常攻撃では一撃で殺さないだろう眷属狼とグールの2体を狙う。
拳1つで行なう【エナジーナックル】よりも緑色の光を放つエネルギーの集まりは悪いが、それでも振り抜いた拳の一撃で眷属狼とグールの頭部を粉砕し殺すことには成功した。
そして次に行なうのは一撃で殺せる眷属犬と眷属人を攻撃することだ。どちらも後方からの衝突で地面に近い位置に頭部がある。
それを蹴り、握り拳の振り落とし、拳の振り上げ、また蹴り、蹴り、蹴りと呼吸1つせずに休むことなく繰り返していった。
これで体勢を崩していた眷属犬と眷属人の大半を殺すことが出来たが、既に衝突で体勢を崩していた侵略者たちも立ち直っており、ここからが本番になるだろう。
「出来る!俺なら出来る!!行くぞ!エナジーナックル!!!」
自身を鼓舞しながら両拳に緑色のエネルギーを纏った俺は侵略者たちへと突っ込んでいく。
正面で俺のことを待ち構えるグールへと接近した俺はエネルギーを纏う拳を繰り出した。
そんな俺に対してグールが行なって来たのは特攻だった。俺の【エナジーナックル】の一撃を受けるのを気にせずに攻撃を仕掛けて来たのだ。
俺の拳がグールの頭部を粉砕するのと同じくして、グールの鋭い長い爪が俺の武装を切り裂いていく。
「ぐあっ!?痛え!!」
俺の武装の金属装甲を切り裂き胸にグールの爪での切り傷が出来る。その傷痕から血が流れ出していくが、そんな俺にお構いなく今度は左右から2匹の眷属狼が飛び掛かってくる。
今の俺の状態だとこの2匹の眷属狼からの攻撃を躱すのは不可能だ。だが、先ほど俺がやられた様に同士討ち覚悟ならば1匹は確実に殺せるはずだ。
「死ねぇ!!!」
俺はすぐに向かってくる1匹へと身体を向けると、その1匹の頭部へとエネルギーの纏う拳を振り抜いた。
下から上へと振るわれた拳は眷属狼の頭部を砕く。だけど、頭部を砕いた眷属狼の頭のない身体は慣性の法則?に従って俺へとぶつかった。
そして、俺の背後から飛び掛かり噛み付いて来たもう1匹の眷属狼もぶつかり、俺は正面と背後からぶつかり体勢を崩す。
「ぐぁああ!!?離せッ!いい加減に離せよッ!!!!」
金属の装甲を突き破る牙によって俺の肩から首にかけてを眷属狼に噛み付かれる。
すぐ近くから鼻息の荒い眷属狼の息遣いが聞こえるなかで、俺は視界の端に映る眷属狼の鼻を思い切り殴る。
何度も何度も眷属狼が噛み付くのを止めるまで殴れば、「ギャン!?」と眷属狼は鳴いて口を離した。
噛み付かれた左肩から左腕を動かすのに支障が出ているが、俺はすぐに行動を移す必要があった。
先ほど俺の左肩を噛み付いていた眷属狼とは違う眷属狼とグールが俺に向かって来ているからだ。
胸部の傷や装甲、左肩の傷や装甲はユニークスキル【超強化再生】で再生するだろう。それも強化された状態で。だからこそ、俺は痛みに耐えながら向かってくる侵略者を殺すことだけに意識を向けて両拳にエネルギーを纏わせていくのだった。
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