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生命の始まりはどこなんだろう。
そんな風に、ふと考えたのは小学2年生の時だった。
人は生まれ、そしてやがて死ぬ。
人は人生を生きる。
そして行き着く先は、皆平等に死。
どんな人生を歩もうとも、終わりが訪れる。
なぜ、死ぬのに生きるのか。
そして死んだ人間はどこにいくのだろう?
その時の私は輪廻転生の概念について触れたばかりだった。
私は過去に死んだ人間の誰かで、そして今の私として生まれてきた。
それはなぜか?人という存在を紡ぐため。
膨大な輪廻転生、そして70億もの人類の一部として、人の存在を紡ぐために生まれてきた私という1つの生命。
そのことに気が付いた時、私はすべてを母に話していた。
生まれて初めて、脳がぐるぐると動き、視界が広くなった感覚だった。
目覚めた、とでもいうのだろうか。
その少し前、父方のひいおじいちゃんが亡くなっていた。
私の魂はそのひいおじいちゃんのものではないけれど、ひいおじいちゃんはその輪廻の輪に還ったのだと。そしてやがて私もそうなるのだと。
母はあなたは誰の生まれ変わりでもない、あなたよ。そう言ったのだった。
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