On my Birthday ~母と娘~
風光
第一話
幼い頃、母は病気がちだった。
長く入院していた母は、毎年、私の誕生日にはケーキを用意してくれた。
だから、私の誕生日には毎年、母の病室でケーキを食べた。
「葉子、ろうそくの火を消しながら願いごとをかけると、その願い事は叶うんだよ。」
それが母の口癖だった。
私は笑って、願いを掛けながら蝋燭の火を吹き消した。
私の願いは、いつも同じだった。
『お母さんの病気が早く治りますように。』
私が高校生になった最初の誕生日、母は還らぬ人となった。
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