第2話 侍女サーシャ
「ほら、ハンカチ。ったく叩いただけで気絶するかぁ?普通」
『だってっ…ひっく…シーラ、様がっ…ひっく…急に…ひっく…性格変わるから…ひっく』
「〜っ!あ"ぁあ"もう、泣き止んでから喋ってくれ!」
それから私はなんとか泣き止んで落ち着いたその侍女に
王国の名前と自分の名前、またその侍女の名前を聞いた。
まずここは〝ラルジュ〟という名前の王国で、私はこの王国の第二王女だという。
…あぁそういえばそんなこと黒猫から聞いた気がするわ。
私の名前はシーラ・ベティ・フィオーレといい、ついさっきひっぱたいた侍女はサーシャというらしい。
ちなみに性格を改めたなんていっても今だけだとか言われそうなので、もうサーシャには転生したことを伝えた。
…ものすっごい引かれた。
あ、これ多分厨二病とか思われたな。…まいっか。
『シーラ様は転生されて来たのならこの世界についてこれっぽっちも知らないはず。
…あんたこれからどうやって生きていくの。』
「え、サーシャっていう侍女がいるじゃん。
これからはうちのためにめっちゃ働いてもらうからね。転生したのサーシャに言っちゃったんだから」
『…ありえない…私は…シーラ様に毒針を刺したのよ…?』
「え、怖。なんで生きてんのうち。てか度胸あるねサーシャ。」
『ば、ばかなんじゃないの!?普通私を罰するか怯えるかするでしょ!?』
「まぁ死んでないし。ほら、元気もりもり。」
『の、能天気にもほどがあるわっ!!』
それからはサーシャに能天気だのポジティブすぎて腹が立つだのいろいろ言われた。
最終的にサーシャは引き続き、私の侍女になってもらった。
毒針の件はとりあえず誰にも言わないということになった。
てかまだ私、家族に会ってないんだが。
「さてと、じゃあ家族に会いに行きますか」
『え。冗談でしょ?あんたが家族に会うなんて…ほんとに入れ替わったのね』
「嘘やろ、家族に会おうとしなかったマ?」
『えぇ。家族みんなと距離をおいてたし、いつもあんたいじめられて泣いてたし。』
「第二王女なのにみっともねぇなぁ…」
…サーシャによると食事の時間は、だいたい私が引きこもって家族が揃わないらしい。
でも家族はそんなこと気にせず食事をしているとか。
…大丈夫かなこれ。
《続く》
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