第4章:進む

ヨウタは何も考えずに、ただ誘われるようにその星が落ちた方向へと歩き出した。


夜通し歩き続けた…


既に疲れ切っていたかもしれない。それでも彼の足は止まらなかった。


しばらく歩き続けると、彼は山奥にたどり着いた。本当に誰一人通ったことのない、文字通り未開の地だった。周囲は荒れた藪と木々に囲まれ、静寂の中に不気味な雰囲気が漂っていた。


遠くから濃い闇が垂れ込める雲が迫ってくるように見えた。風が激しく吹き、木の葉が互いにぶつかる音がヨウタの耳元に響いた。


ヨウタは山を登り始めた。茂みの中、木々が密集して生い茂り、空がほとんど見えないほどだった。彼の足取りは、葉や枝に引っかかりながらぎしぎしと音を立てた。


だんだんと暗くなり、見えなくなっていく深い場所へと進む感覚に恐怖を覚えた。彼の心臓はますます速く鼓動し、恐怖が胸を圧迫した。


引き返そうとしたが、道に迷ってしまった。足を戻すたびに同じ木と同じ岩が見えた。


暗闇の中、ほとんど何も見えなかった。彼は手を伸ばし、木を探りながら進んだ。枝が彼の手を引っかきながら過ぎ去った。


山中の夜だからか、非常に寒かった。冷たい空気が肌を突き刺し、彼の息は白く変わった。


全身が震え、めまいがした。ヨウタはめまいに襲われながらも一歩一歩を踏み出した。彼の体は重く、足取りはますます鈍くなっていった。


どうせここまで来たのだから、どうせ自分に戻る場所などないと思い、登り続けることにした。彼の心の中にはただ前に進まなければならないという思いしかなかった。


そのまま登り続けた。枝に引っかかって転んだり、茨に引っかかって肌が裂け、血が出たりもした。血は彼の手を伝って流れ落ちた。茨が肉に食い込み、ひりひりと痛みを感じた。


それでも彼は進み続けた。涙を飲み込み、泣かないように歯を食いしばった。彼の目は赤く染まり、胸の中では泣き声が溢れ出しそうになった。


しばらくそうして歩き続けた。突然、雨が降り出した。雷も鳴り、強い風も吹いてきた。彼の体は雨に濡れ、重くなった。雨粒が彼の顔を激しく打ち、彼は目を開けることができなかった。


「本当に雨が降るんだ…天気予報で天気が悪いって言ってたけど…」ヨウタは雨の中で独り言をつぶやいた。彼の声は風雨にかき消され、ほとんど聞こえなかった。


雨に打たれながら登り続けた。彼の服は濡れ、体はますます重くなった。彼の足取りはますます苦しくなった。


雨に打たれ、急激に寒くなった。彼の体は凍りつきそうだった。冷たい雨が彼の肌に突き刺さった。


暗い雲のせいで月明かりも遮られ、もう何も見えなかった。彼は手を伸ばし、木を探りながら進んだ。枝が彼の手を引っかきながら過ぎ去った。


それでも足の感覚を頼りに登り続けた。枝に顔を引っかかれ、足は石にぶつかった。彼は痛みに耐えながら前に進んだ。


何度も木にぶつかった。彼の顔には小さな傷ができた。傷から血が流れ落ちたが、彼は痛みに耐えながら歩き続けた。


そうしてしばらく登り続けた。雨はますます強くなり、豪雨となった。全身が水に濡れた。彼の体は重く、足取りはますます重くなった。


「おかしいな…足の感覚はあるのに傾斜がなくなった気がする…」ヨウタは足元を探りながら言った。彼の声は不安と混乱で満ちていた。


「平地か?」よく見えなかったが、手で地面を触ってみた。「草原だ。」彼の指先に感じる触感は柔らかく温かかった。


不思議なことに、温かい気がした。彼の足先から温かさが広がっていった。温かい気が彼の体を包んだ。


ヨウタは驚いて一瞬足を止めた。靴は泥だらけだった。初めての感覚だった。彼の心の中には混乱と不安が入り混じっていた。


「暖かい…」数歩歩くと突然温かさが消えた…元の位置に戻るとまた温かさが戻った。彼の心は温かさへの渇望で満たされていた。


方向を変えて一歩進んでみた。温かさが続いていた。彼の心は安堵で満たされていた。


ヨウタはこの方法で足先で感じる温かさに従って歩いた。彼の体は疲れ切っていたが、温かさを感じながら少しずつ進んでいった。彼の心の中には小さな希望の灯がともり始めた。


枝に引っかかって転んだこともあった。彼は地面に倒れ、手で地面を突いた。指先に感じる泥の感触は冷たく湿っていた。


そのまま歩き続けた。途中で突然風雨があまりにも強くなり、後ろに倒れることもあった。風雨が彼の顔を激しく打った。彼の体は風雨に揺れ動いた。


諦めずに歩き続けた。彼は歯を食いしばり、立ち上がった。彼の体は重く、足取りはますます鈍くなっていった。


歩き続ける中で、突然温かさが消えた。どの方向も同じだった。彼の心は混乱と不安で満ちていた。


仕方なく周囲を見回しながらゆっくり歩いた。「うわっ!」突然足元の地面が消える感覚があった。彼の体は宙に投げ出された。


崖だった。ヨウタは落ちたが、かろうじて木の枝に掴まった。豪雨に濡れた枝は滑りやすかった。彼の手は枝をしっかりと握り締めた。


手に徐々に力が入らなくなった。激しい風雨が吹き荒れた。彼の体は風雨に揺さぶられた。


ヨウタの顔からは涙が流れ落ちた。緊迫した状況だったが、不思議と多くの考えが頭に浮かんだ。彼の心の中には様々な思いが交錯した。


自分の境遇と姿が浮かび、これまで抑えてきた否定的な思いが溢れ出した。


「誰も…僕を…」


「この手を離せば…少しは…楽になるのかな?」彼の声は絶望と悲しみで満ちていた。


結局、僕は…一人なんだ…


彼の目には深い悲しみと苦痛が漂っていた。彼の手は枝を離しそうで、体はもう耐えきれなかった。崖の下に落ちる恐怖と共に、ヨウタの心は凍りついた。風雨が彼の体を激しく打ち付け、彼は最後に絶望の深淵を感じた。


ヨウタは目を閉じ、最後の力を振り絞って木の枝を握りしめた。指先はどんどん滑り落ち、もう耐えきれないと思った。「誰も…僕を助けてくれない…」彼は心の中でつぶやき、最後の希望さえも失ってしまったようだった。ヨウタは全てを諦めたくなった。「この手を離せば…全ての苦痛が終わるのか…」彼の心は耐えられない絶望でいっぱいだった。


突然、ヨウタは驚いて目を開けた。握っていた木の枝からこれまで感じたことのない温かさが伝わってきた。彼の指先から広がるその温かさが全身に行き渡った。


足元で感じていた小さな力とは次元の異なる強力な力がヨウタの体を包み込み始めた。全身が暖かさに満ち、彼の体は冷たい風雨の中でも暖かさで満たされた。


崖の近くの空中でさえも異次元の温かさが感じられた。まるで誰かがヨウタの体を背後から抱きしめているかのようだった。ヨウタは本能的に力が湧いてきた。彼の体は温かさによって新たな力を得た。


滑り落ちていく体を再び持ち直し、自分の体を引き上げた。彼の手は木の枝をしっかりと握りしめた。彼は諦めなかった。


風雨が吹き荒れ、どんな悪条件が押し寄せてきても、この温かさだけで全てを耐え抜けると思った。彼の心の中には強い決意と意志が燃え上がった。


そうしてしばらく後、ついに崖を登り切ることに成功した。全身は泥だらけだった。彼の体は疲れ切っていたが、心の中には小さな希望の灯がともっていた。


登り切ると温かさは消えた。彼の心の中には名残惜しさと安堵が入り混じっていた。


多くの思いが巡った。彼の心の中には様々な思いが浮かんできた。彼の目には深い悲しみと苦痛が漂っていた。


全身の力が抜け、全ての気力が尽きたようだった。彼の体は重く、足取りはますます鈍くなった。


豪雨はさらに激しくなった。彼の体は雨に濡れて重くなった。彼の足取りはますます鈍くなった。


地面にへたり込んだ。彼の体は重く、心の中には深い悲しみと苦痛が漂っていた。


しばらくして、再び立ち上がった。彼の体は重く、足取りはますます鈍くなった。


体温が下がり、全身が震え、めまいがした。彼の体は凍りつきそうだった。


風があまりにも強く、木が倒れることもあった。彼の心の中には不安と混乱が入り混じっていた。


「あれは一体…何だったんだろう…」彼の声は不安と混乱で満ちていた。


「どこに行けばいいんだ…」ヨウタは絶望と悲しみでいっぱいだった。彼の目には深い悲しみと苦痛が漂っていた。


目を閉じ、今度は足だけでなく全身でその温かさを感じようとした。彼の心の中には温かさへの渇望で満ちていた。


すると、かすかな温かさが感じられた。ヨウタはその気を頼りに全身を震わせながら歩き続けた。彼の体は重く、足取りはますます鈍くなった。


再び傾斜が現れた。彼は登り続けた。彼の心の中には強い決意と意志が燃え上がった。


何度も転んで膝から血が出ることもあった。彼の膝からは血が流れ落ちた。


しばらく歩き続けると、ある場所にたどり着いた。彼の心の中には名残惜しさと安堵が入り混じっていた。


温かさも消えた。彼の心の中には混乱と不安が入り混じっていた。


平地だった。彼の体は疲れ切っていたが、心の中には小さな希望の灯がともっていた。


ヨウタは意識を失いそうだった。強風に吹き飛ばされることもあった。彼の体は風雨に揺さぶられた。


体で直感的に感じることができた。ここには何かがある…


周囲を歩き回った。彼の心の中には不安と混乱が入り混じっていた。


突然、稲妻がヨウタのすぐそばに落ちた。この時に発生した光で周囲の景色が見えた。彼の目には驚きと恐怖が浮かんでいた。雨が激しく降り視界はほとんど遮られていたが、稲妻の一瞬の光のおかげで周囲の景色を一時的に見ることができた。


ヨウタは風雨を避けられそうな場所を探して歩き続けた。


その場所に向かって歩いていたヨウタは、ついに意識を失い、そのまま泥の地面に倒れ込んだ。

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