社会不適合者
心中事件の次の日から、僕がターゲット。
ストレス発散道具。おもちゃ。
僕は空気みたいな人間から、それに降格した。
あの子は助けてくれない。
唯一、話せたあの子。やっぱり同性と仲良くするよね。陰気で根暗な僕とは、仲良くすべきじゃないよ。
でも、どうか、お願いだ。
一瞬でいいから、少しでいいから。
僕の味方になってほしい。
そう願った次の日、君は僕をかばった。
一週間と少しの、その日だ。
でも、そこから学校に来なくなっちゃって。
僕の心の残りも支えもなくなった。
だから、死んでしまおうと思う。
母には捨てられ。父にはなにも与えられず、淡々となにかを過ごすだけの人生は、君に捧げるよ。…紅葉。
そう思ったのも、もう意味がないのかな?
少し永い眠りのことを思い出した。
今は古文の授業中。
頭のなかで、永い眠りの曲がかかる。
蒼空さんが、死んだ事件のことを思い出した。
ノートに、なにか書いて、それで死のう。
今思いだしたことだから、遺言なんて決まってない…
頭のなかにでてきた、言葉。
それを書きなぐる。
僕を虐めた相手を、無駄に綺麗な字で書いた。
短い遺言。
もう残すものはない。から。
だから。
机から立ち上がる。
先生が、なにかを言っていた。
でも、そんなのどうでも良い。
ここは四階。
頭から落ちれば死ぬ。
きっと。
走って廊下にでて、逃げ出して。
怒号が聞こえた。
そんなのは気にしないで、もう、いいでしょ?
一つ窓が開いていて、ぴったりだと思った。
右足を窓に引っ掻けて身を少し乗り出す。
まだ追いかけてきていたんだ。先生。
危ないだろ!早く戻ってこい!
なんか、そんなことを言ってた。
でもそんなのどうでも良くて、もう
「今さら!遅いですよ!」
眼には、百点満点の蒼い空。
心中事件で死んだ、あの人を思い出した。
僕の代わりに虐められたんだ。
だから、君は許さない。
でも、ごめんね。
僕は助けられない。
自殺したら、地獄に行くんだってさ。
だから、僕は
無駄に遅く感じる終わりが、とうとう僕にも
死因、虐めによるストレスに耐えきれず自殺。
窓から飛び降りるなんて、痛いでしょうに。
飛び降りて死ぬのならば、もっと高いビルからなら、意識を失ってから死ねるでしょうに。
自殺しようなんて思考があるだけで、貴方は異常ですから。死ねて良かったですね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます