番外編 流星雨~夜絵の詩~
灰色の大地に
背中預けて見上げた夜空を
冷たい流れ星が切り裂いた。
一瞬にして消える空の亀裂。
けれどすぐにまた
新しい刃が黒い夜空を傷つける。
この空の儀式を輝夜は美しいと言った。
この空の儀式を私は悲しいと思った。
美しくはない。
ただ一瞬空を傷つけるために
散っていく星たちは。
美しくはない。
ただ一瞬の痛みの見返しに
小さな星を握りつぶす夜空は。
世界が始まった時から幾度も繰り返されてきた
この儀式を
私はこれからも見届け続けなければならないのだろうか。
この灰色の大地の上で。
―夜絵―
2003年3月
世界が危うい感じになってきた頃、書いたやつ。
夜絵は、流れ星に別の物を見ているわけですが、「自ら真っ白い世界を捨てて、穢れある世界に来た人」と、「世界はそういうものだと知りながらもそこに憂いを感じている人」の違い、みたいな感じで書いたと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます