世界を渡る
抹茶オイシス
第1章 異世界召喚
第1話 異世界召喚
「はぁ〜」
ため息一つつくのは
高校までは周りの人間と同じ生活を送っていたが、卒業後は何かやりたいこともないので進学せずアルバイトを続け1年後にとりあえず専門学校に進学、しかし続けていたアルバイトが楽しく1浪して入った学校を1年半で中退、その後働くことも面倒になりアルバイトも辞め数年間引きこもり生活を送っていたところ、親から家を追い出され勘当をくらうというなんとなくで人生を生きてきた人物。
「とりあえず働く所探さないとな〜」
流石に今の自分の状態で生活を送るのは無理だということは分かっているので働き口を探してはいるが、数年間働いてこなかった為そこが不利になり既にアルバイトの面接を10社は断られているので焦りを感じている。やはり数年のブランクは大きいということを実感している俊は、続かなければ雇ってくれた会社に迷惑をかけることになるので自分が続けられそうな職だけを探していたが、もうこの際仕事を選り好んでいる場合ではない、続くか続かないかは入らなければ分からない、と思い半ばヤケクソになって職を探していた。
求人票を見てこんな自分でも雇ってくれる会社はないかと探していた時にそれを聞いた。
「見つけた」
急に聞こえてきた声に周りを見るが人はいない。追い込まれすぎて幻聴でも聞こえたかと自分の頭を疑い再び求人票を見ようとしたその時だった。
「聞こえていますか?中本俊さん?」
名前を呼ばれて幻聴ではないと感じ周りを見るが人はいない。どういうことかとこの不可解な謎を考えていると声の主が答えをくれた。
「そこに私はいません。私は全能神ピアト。あなた方人間が神と呼ぶ存在です。今はあなたの頭に直接語りかけています。心の中で念じれば私にはその声が届くので声に出さなくて大丈夫ですよ。それにそこには他の人間が近寄らないよう結界を張ったので急に大声を出しても誰も不審者とは思いません。私の話を理解したのなら念じてくれますか?」
突然そんなことを言われても情報量が多すぎて殆ど理解は出来なかったが、これが人間技ではないことは分かったのでとりあえず念じて答えてみる。
「えーと、これで聞こえてます?神様ですか、正直何がなんやらなんですけどその神様とやらが何故こんな自分に声をかけてくれるんです?もしかして絶体絶命の俺に情けでもかけてくれようっていう話なら喜んで乗りますけど...」
「はい、聞こえていますよ。そうですね、あなたを救うということに関して言えばそれは正解です。今のあなたは確かに崖っぷち、そんなあなたにとっておきの話を持ってきました。あなたは異世界という物を信じますか?」
異世界?急に話しかけられて未だ情報の処理に手間取っていると更に情報量が増え混乱しそうになってくるがなんとか処理する。
(とりあえず神様ということはなんとなくだけど分かった。しかし異世界?まさか噂に聞くあの異世界?なら神様がそんな話を持ってくるということはあの異世界召喚系?)
まさか本当にそんなことがあるのかと疑問には思ったが、今はそのまさかに自分の注目が行き今までの処理出来なかった事がどうでもよくなった。
「異世界というものは信じます。それよりまさか?」
「はい、そのまさかです。あなたの考えている通り望むならあなたは異世界に行くことが出来ます。一つ条件がありますがそれを飲んでいただけるなら問題はありません。」
条件とやらを聞いた俊は迷うことなくそれを飲み異世界行きを了承した。
「それでは契約は成立です。今からあなたを異世界に送ります。召喚先でどのような生活を送るかはあなたの自由です。それでは良い異世界生活を」
その言葉を聞くと視界が輝き始め、次の瞬間体が消えていき意識を失った。
目を覚ますとそこは見慣れない土地だった。そしてピアトと名乗る神が出した条件により俊はまさかの若返りをして異世界へと召喚されたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます