氷川警部の大捜査シリーズ 東海道五十三次連続殺人と引き裂かれた友情

第1話 氷川警部の朝

氷川光一警部は、朝の静寂の中で目を覚ました。夏の日差しがカーテンの隙間から差し込み、彼の部屋を淡いオレンジ色に染めていた。時計の針は6時を指している。彼はベッドから起き上がり、カーテンを開けると、東京の街が朝霧に包まれているのが見えた。

ゆっくりとストレッチをして体をほぐした後、氷川はキッチンに向かった。コーヒーメーカーのスイッチを入れ、トーストを焼く準備をする。コーヒーの香ばしい香りがキッチンに広がる中、彼は新聞を手に取った。新聞の見出しには、最近の犯罪や政治のニュースが並んでいたが、氷川の目はそれらを一瞥するだけだった。彼の頭の中には、未解決の事件が常に渦巻いている。

トーストが焼けると、バターを塗り、ゆで卵と一緒にシンプルな朝食をとった。食べながら、彼は今日のスケジュールを頭の中で整理した。「今日は過去の捜査資料でも確認するか。」

朝食を終えると、氷川はシャワーを浴びて身支度を整えた。スーツを着込み、ネクタイを締めると、鏡の前で自分の姿を確認した。背筋を伸ばし、深呼吸を一つする。氷川は、自分の職務に対する強い責任感を感じていた。

準備が整うと、彼は鍵を手に取り、玄関のドアを開けた。外に出ると、東京の朝の空気が彼を包み込んだ。彼は車に乗り込み、エンジンをかけた。車の中で、ラジオから流れるニュースを聞きながら、彼は警視庁に向かって走り出した。

警視庁に到着すると、田宮晶子が朝食を取っていた。氷川は田宮が食べていたパンが気になる。

　「二人ともおはよう。それはコンビニ食かな？」

「おはようございます氷川さん、そうなんですよこのコンビニのパン、チョコチップが入っていて美味しいんですよ。今度是非食べてみてください」田宮はそう言いながらパンを頬張る。

　「おぉそうか。」氷川は今度食べてみたいと思った。

　そして他のデスクで作業をしている警察官たちに声を掛ける。

「みんな、今日も気を引き締めていこう」と氷川は言った。「我々の仕事は、人々の安全を守ることだ。今日も一日頑張ろう。」

「ハイッ」一同が大きく返事をする。

　氷川は窓を開け外の空気を大きく吸う「今日も事件がなにもないといいんだがな」とつぶやいた。

「そういえば中原はどうした」と田宮に尋ねる。

　「そういえば見当たりませんね。」