悪女と言われた令嬢は隣国の王妃の座をお金で買う!

naturalsoft

プロローグ☆

【お知らせ】

近況ノートにタイトルイラストあり。


この小説はなろうとアルファでも投稿しております。

サブタイに☆がある時は作者が作成したイラストが掲載されております。

カクヨムではイラストが掲載できないので、一度キャライラストを見て頂ければ、より小説の雰囲気が、わかるかと思います。


では、お楽しみ下さい。

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エスタナ帝国では七人の妃を娶る習わしがあった。1【日】2【月】3【火】4【水】5【木】6【金】7【土】の曜日を司る七人の妃を選び、日曜が最上の正室であり日→土の順にランクが下がる。序列はあるが全員正室扱いである。


これは昔に、毎日誰の妃の下に向かうのか、熾烈な後宮争いがあり、多くの妃や子供が陰謀により亡くなった事で制定された制度であった。

無論、その日にその妃の下に向かうかどうかは皇帝が決めるが、溺愛している妃がいても、その曜日以外は訪れる事が禁じられていた。


そして今回、隣の国から妃として連れてこられた一人の悪女と呼ばれる者が後宮に入る事で物語が始まる──



【イリシア王国】

大陸最南に位置しており、大きな港を持つ貿易大国である。この大陸は山脈に囲まれており、海に面している国は山脈のない北と南の国のみとなっている。山脈を挟んだ西の方にも小さな国はあるが、険しい山脈を越えるか、大きく迂回していかないといけないため、大陸の中にあるエスタナ帝国は、1番近い南のイリシア王国を度々戦争を仕掛けて、港を手に入れようとしていた。


北の方には、国が4つほどありそこまで手を伸ばすのは現実ではない。南にはイリシア王国のみしかないため、小競り合いが絶えないのだ。



そして、前回の戦争で久々に大敗したイリシア王国は、最重要な国境砦こそ死守したものの、多くの兵を失い、不利な停戦条約を結ばされる事になった。


そして、代替わりしたエスタナ帝国の妃として、【人質】として妃を送るように言われたのだ。


その人質として送られる事になった令嬢は、シオン・オリオン辺境伯令嬢である。


これにはオリオン辺境伯は激怒した。いや、辺境伯領の民、全てが激怒した事案だった。


理由として、今回の戦争の大敗した理由が、イリシア王家の失態だったからだ。

北の大国からイリシア王国を護っていたオリオン辺境伯は、今回、王族としての実績作りの為に、第一王子を総大将にして、エスタナ帝国を追い返す手はずだった。王子はお飾りで、辺境伯が総指揮を取るはずだったが、それを良しとしない第一王子が王族と総大将の肩書で、無謀な突撃を指示した為に、作戦は失敗。


友軍を助ける為に乱戦になり、より被害が拡大したと言う訳である。


しかも、旗色が悪くなると第一王子は辺境伯に全て押し付けて、逃げ出してしまったのだ。


何とか砦を守ったが、もし奪われていたらイリシア王国自体が帝国に飲み込まれる所だった。


無駄に兵士を死なせたばかりか、敗戦の責任も全て辺境伯が悪いと報告し、更にその責任を取って娘を人質に送れと言う命令に辺境伯及び、北に位置する貴族達は怒り心頭という訳である。


帝国はイリシア王国の王族の姫を差し出せという命令を出しているのだが、辺境伯の妻マリアは現国王の妹で、その娘であるシオン・オリオン令嬢も王家の血を引いており、王位継承権があるのだ。


故に、シオン令嬢を送っても嘘ではないので問題ないのだが──


ただ、長年、北の国境を護っていたオリオン辺境伯の令嬢である。辺境伯に殺された帝国兵は数知れず、帝国の悪意がシオンに向くのはわかり切っていた。


シオンを人質に送る事は辺境伯を縛るということ。

娘の命が惜しければ───


そんな事もわからずに辺境伯の娘であるシオンを帝国に差し出せと言う王家の命令に怒らない訳が無かった。


長年、帝国との戦は辺境伯に押し付けて、貿易で巨万の富を得ている王家が腐ってしまったのは誰の目にも明らかであり、不正の温床にもなっていた。


第一王子は王都でシオン令嬢の悪い噂を大いに流した。自分の失態を隠す為と、悪女なら人質として送っても問題ないという、世論を味方に付けるためだった。



こうして、様々な要因が重なり、シオン辺境伯令嬢は帝国へ嫁ぐことになったのだった。


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