明日に消える私をここに(制作中)

三門兵装

はじめに

 ねぇ、忘却症って知ってる?


 それはいつか自分の事を忘れてしまう、なんていう残酷な症状を隠し持っているのに、患者に最も安らかな死を与えると言われている不治の病。


 私、かささぎ 兎花とうか。失恋経験はあるけど、彼氏はいない。片腕がないだけの、いたって普通の女子大生。 そう、きっと普通の。


 絶望の瞬間は一瞬、だなんて実際に感じたこともない人が無責任に言うけれど。あれって、本当なんだなぁって思った。


 お母さんと思い出を振り返る最後の旅行に行った。


 これらは全部、この日記に書かれてること。そして多分この器に「あった」もの。


 でも、これだけは覚えてるし、分かってる。



 こんな人生、終わってしまえ。


 ずっとそう思ってた。


 だけどね、私を導いてくれたのは貴方なんだよ。


 ふふ、皮肉なものね。だって私は、あなたに━━━━━━━━

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