日頃も想ふ‐Red and Blue‐

衣草薫創KunsouKoromogusa

第1話

 この世界は地球がある宇宙とはまた別の宇宙の惑星。この惑星に住んでる住人はガンバ星と言う。そこに招き入れられた地球人は日本在住の20XX年生まれの17歳。彼らは魔王を倒さないと帰れないデスゲームの世界に閉じ込められてしまった。


~ラズベーン~


 タッタッタッタ...

私は大きな魔物、赤い鱗を纏う地上で浮遊して生活する魚姿をした名はクレイザー。明らかに自分より強い魔物を相手にしていることが分かり、引き際と判断した。しかし、この粘りっこくついてくるクレイザー。逃げきれもしないのか。既に息が上がり、前に出す足もおぼつかない。体力がかなり消耗されているのと、魔法を使いすぎたあから魔力ももうない。積んだな。そう思ったときにはやけに冷静に慣れた。後は覚悟を決めるだけだ。


そう、死ぬ覚悟。


キョーーーーイン!!!

変な鳴き声だ。そう思う余裕さえあった。水の代わりに空気の流れが背中を打ち付ける。気づいたときには目の前が青空だ。この日は雲一つなかった。秋らしかった。私は目を瞑り、走馬灯が脳内に流れ込んでくる。元居た世界の家族とご飯を食べている風景だった。他にも、学校で行われた運動会だったり、親と喧嘩したり、友達と笑いあった日常。生きていても、彼らには会えないのだから死んでもいいやとも思った。私の最期にほしいものは、日常だった。それも、もう無理だからな。

「愛してる。」

元居た世界に言い忘れていたことをここでやっと言えた。そして、意識を失う。瞬時に目の前が真っ暗になった。

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