【星骸ノ世界】
《終末再現都市》附帯情報
⓪東京都 二十三区 【機工ノ世界】
①北海道 札幌市 【滅火ノ世界】
②宮城県 仙台市 【破約ノ世界】
③神奈川県 横浜市 【悪天ノ世界】
④静岡県 浜松市 【汚穢ノ世界】
⑤愛知県 名古屋市 【星骸ノ世界】
⑥京都府 京都市 【微睡ノ世界】
⑦大阪府 大阪市 【逆態ノ世界】
⑧兵庫県 神戸市 【巨獣ノ世界】
⑨福岡県 福岡市 【飢餓ノ世界】
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⑤【星骸ノ世界】
2135年到来確立:7%
再現場所:愛知県名古屋市中区付近
【概説】
それは、ヒト種には避けられるべくもない悲運。
星に根付き反映する種であるがゆえに抗いようのない出来事。
巨大隕石群の衝突と激震。大地を月面のような巨大な穴ぼこに変え、衝撃により地表を吹き飛ばし、海が陸を飲み込み、空に爆炎が舞い上がり、そして星そのものを生き物の住めぬ大地に変えた。
偶発的、無作為的、脈絡なく誰も責めることもできずに。
その世界は悲運の世界。
墜ちてきた星に偶々滅ぼされた、ありきたりに終わった世界。
その終末の名を【星骸ノ世界】と言う。
【遺歴】
▶2129年:
・レクウルス星団の観測
大小無数の隕石を内在させる流動星団が木星付近で初めて観測される。
また、軌道予測により太陽黄経零度、地球が太陽の周りを六回周った年。
2135年の秋分の日に地球に衝突する確率が高いことが判明した。
衝突の回避から、迎撃方法、エネルギー計算、クレーターの規模。
地震、津波など地表の被害、予想される気候変動等各種シュミレーションを通じて算出。
約6600万年前の白亜紀末、嘗て地表を跋扈していた恐竜。
それら全てを絶滅させた隕石衝突に比肩する規模だと分かる。
▶2132年:
各種回避方法の検討実施
・星団の軌道誘因
起動誘因のため重力トラクターが採用。巨大なラグビーボール型の宇宙船をレクウルス星団に沿わせる形で飛ばし、宇宙船の重力場で星団を引っ張り新たな機動に導く方法。衛星軌道にあった各種小規模衛星が使用されるが、成果には至らず。
・星団の軌道変更措置
高速で飛行する宇宙探査機や衛星を星団に衝突させる(キネティックインパクター)。
インパクターの設計と打ち上げが世界各地で行われるが、計9368機のうち星団に衝突したのは僅か28機のみ。
周辺に内包する瓦礫片ラブパイル部分は一部軌道変更に成功するも、その中心にある本星は軌道変更に失敗。
・星団の爆破
最終的な手段として戦術核ミサイルの打ち上げが実行。
有人探査機も飛ばされレクウルス星団の直接爆破を狙うも、爆破規模が足りず本星の一部を欠けさせるのみで失敗。
▶2133年
・終末予想の開示
軌道の誘因・変更。また星団の爆破失敗により世界政府はレクウルス星団の情報公開を実行。
対隕石衝突用避難シェルター、私用宇宙船が建造。高所の別荘地や循環インフラ機器が飛ぶように売れる。
終末を悲観して犯罪率の上昇。治安の悪化に伴い都市国家を離れ、地方移住が増える。
一部の上流階級の宇宙船、宇宙滞在用コロニーはすでに建造されていた。
多くの国で経済活動がストップする中、一部の極東国家の人間はそれでも働いていた。
▶2135年:
・レクウルス星団落下
隕石群が大気圏に突入し大気との摩擦により表面が過熱。
無数の赤い火球が人の頭上を仰ぎ、落下。過大な爆発音と衝撃波により、落下地点から半径数キロメートルを吹き飛ばす。
高高度で爆発飛散した隕石が都市の上空に降り注ぎ、ある種この世の光景ではないほど美しかった。
巨大なクレーターと巻き起こる爆炎。空を覆いつくす黒い煙が日光を遮り数カ月の間太陽を完全に遮断。
地球全体にわたる気温の急激な寒冷化が生じ、生態系や農業に深刻な影響を与えた。
爆発の衝撃から辛うじて生き残った極少数の人間もインフラの壊滅と食料供給の停止、大気汚染と寒冷化によって死に絶える。
人間はここに絶滅した。
【補足】
▶レクウルス星団
大小無数の隕石を内在させる流動星団。
当初は瓦礫が緩く集まった「ラブルパイル(破砕集積体)型」と考えられていたが、その中心部に芯のような働きを持つ本星「エレリス(過重芯体)型」だと判明。過重重力場を形成させ、表面層の瓦礫を纏い木星軌道から地球を目指して飛行。
星がその寿命を終え、本来加熱膨張を繰り返し飛散するはずだった亡骸は一部核のみが残り、意思を持つように生きている星を目指した。
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