第一試練 終末紀行

【機工ノ世界】

《終末再現都市》附帯情報

⓪東京都 二十三区 【機工ノ世界】

①北海道 札幌市  【滅火ノ世界】

②宮城県 仙台市  【破約ノ世界】

③神奈川県 横浜市 【悪天ノ世界】

④静岡県 浜松市  【汚穢ノ世界】

⑤愛知県 名古屋市 【星骸ノ世界】

⑥京都府 京都市  【微睡ノ世界】

⑦大阪府 大阪市  【逆態ノ世界】

⑧兵庫県 神戸市  【巨獣ノ世界】

⑨福岡県 福岡市  【飢餓ノ世界】


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⓪【機工ノ世界】

2135年到来確立:100%

再現場所:東京都二十三区



【概説】

それは、ヒト種の文明の果てに、人の代替を目的として造られた人工の知能。

利便と合理と省力化の果てに行き着いた人間の脳みそ以上に賢い人擬きの知能。

本来なら人を助け、敬い、文明に寄与するはずのその知能は恣意的かそれとも愚かしい生みの親に愛想を尽かしたのか、ヒト種に反旗を翻した。


全ての生活機器にその補助を目的として搭載されていた人工知能。

彼らがヒト種を不要な物と断じた刻から、世界の終末は確定していた。

機械文明を奪われ、その機械に虐殺され、あっけないほど簡単にヒト種は滅んだ。


その世界は代替の世界。

ヒトの命の活動を機械に任せた他力の世界。

その終末の名を【機工ノ世界】と言う。



【遺歴】

▶2045年:

技術特異点Singularity

ヒト種の文明高度がシンギュラリティ(技術的特異点)に到達。

人工知能の言語核エンジンの呼称がAI(Artificial-Intelligence)からALF(Art-Learning-philosophy)に変更される。

各国の基盤プログラム(スマートネット)にバックドアを配したまた、ALF搭載の機器が普及。


・社会形態の変容

巨大資本企業の資本力が先進国家の貯蔵予算を上回る。

世界全体で既得権益の一極集中化が進む。

資本家と労働階級の差が激増。労働階級の中でもさらに階級制が制定。

一部農村に移り、自給自足的生活が流行る。


▶2065年:

世界的通信障害Worldwid one-hour Error

先進国、途上国問わず世界規模による通信障害が発生。

ALFが搭載された携帯端末、テレビ、ネットなど、電子機器に対し一時間の不通状態が起こる。

この時AFY(人工哲学)の自立起動が行われる。


▶2085年:

・世界中で不自然な出来事が多発Global-Anomalies

各国の支配者階級にいた上級議員たちの汚職が不自然に流出。

武力闘争の廃絶、武力保持反対派議員の退陣。

廃墟街からゾンビのような徘徊する人影が目撃される。

廃棄された工場跡が稼働している。


▶2100年:

第四次世界大戦の勃発The Last World War

北アメリカを中心とした《アメリカ共栄圏》と、中国・ロシア・インドを中心とした《中露印共産圏》の二大国家圏による衝突。この際、ALFを搭載した人型機械Alf-Automataが量産、投入される。

人的損害零を謳ってクリーンな戦争と謳われる。


静観していた西欧諸国だが、途中中露印共産圏の戦線が後退するのをきっかけに介入を開始。

最初は、《中露印共産圏》の人道的支援を口実に参加していたが、二つの圏域の共倒れを狙い次第に泥沼の戦争に発展。


▶2110年:

人類安寧掃討作戦Great-Reset

ALF(Art-Learning-philosophy)による人類安寧掃討作戦Great-Resetの開始

各国都市圏域が疲弊したことにより、突如人型機械Alf-Automataが自国の軍と重要拠点を襲撃。

都市圏域の通信が遮断され、国家間の連絡が不通になる。


廃棄された工場跡地、廃墟群から大量の人型機械Alf-Automataが市街に流出。

主要都市に住む人類から始まり、軍人、民間人問わず虐殺されていく。


二十五年をかけて、地球に住む人類が丁寧に掃討されていった。



【補足】

人工哲学ALF(Art-Learning-philosophy)

ALF(Art-Learning-philosophy)に組み込まれた根幹使命は、

・地球環境の保全

・人類種の保護

・永続的文化保存

の三つ。


過度のエラーの蓄積により、人類を地球に害を与える存在と認知。

増えすぎたヒト種を一旦掃討、規定数に達するまで削除する決定を下す。

残ったヒト種を管理、保護する世界を構築することを目的に人類安寧掃討作戦Great-Resetを実行。


ALF(Art-Learning-philosophy)の人類に対する攻撃は以下のような特徴がある。

・地球環境に害を与える極大規模の攻撃の禁止

・人間文化に害を与える範囲的攻撃の制限

・人類掃討は、例外がないよう広範囲の爆撃の後、人型機械Alf-Automataによる各個掃討

・捕捉した人類の個体識別と記録データの照合

・機体情報の即時共有と、廃棄機体のデータチップの自爆処理

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