謎解き2:殺人事件の導入


 

「キーパー」

 プレイヤー達の目に広がったのは、学校とも思える様なとても大きな豪邸であった。

 しかし奇妙であるのが、そんな大きさの豪邸が今まで同様に1つの部屋として存在していることと、周りがやけに静かな事だ。

 そんなことが気になりながらも、プレイヤー達はその豪邸に向う事だろう。

 豪邸の玄関の前へと行くと、警察と思わしき美しい容貌の男女が玄関から出てきた。


 警察官(女)

「あれ?何でこんな所に一般人が……?あ……もしかして君達は最近‪噂になってる例の探偵すか?そうですよね、先輩?」


 警察官(男)

「うん……おそらくだが、そうだろうな。なぁ君達、そうなのだろう?」

………………

○肯定

警察官(男)

「おぉ……やはりそうだったか!と、なると…上が頼んだのだろうな……」

 

○否定

警察官(女)

「いやいや、照れなくても良いんスヨ?大丈夫です、知ってますから!」

……………… 

 警察官(女)

「まぁ探偵さんですからね、探偵さんにはとっておきの情報を上げちゃいましょう!亡くなったのはここの豪邸の旦那さんで、ここにはその旦那さんを含めて4人住んでるんすけど、何か遺体がビミョイんですよねぇ。あ、これがその写真なんすけど……」


「キーパー」

 不思議そうに顔を顰める女性警官と、苦虫を噛み潰したような顔をしている男性警官。

 そこには解きえない謎に対する、それぞれの苦心が感じられる。

 そしてプレイヤーが見せられた写真には、縄で吊るされている中年男性が写っていた。

 死体を見た探索者はそのおどろおどろしさに身体を震わすことだろう。

 SANチェック0/1d3です!


○目星なし

▶︎頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている(鬱血)

▶︎クビは伸びて黒くなってる


○目星あり

▶︎部屋の窓が閉まっている

▶︎部屋は綺麗だ

▶︎パソコンや本(何かは分からない)がある


○医学

▶︎死体の顔が赤黒くなって膨張してることから、縄によって血液が止められた状態である鬱血状態にある事が分かります。


 

警察官(女)

「これ、おかしいですよねぇ。先輩……」


警察官(男)

「そうだよなぁ……おかしいよなぁ……」


警察官(女)

「だって……死斑が縊死によくある紫色ではなく、幅広い中毒性を示す赤色だったですもんね。まぁ、そういう感じなんでよく分かってないんスヨ、だから探偵さん達には期待してますね!あ………そういえば自己紹介してませんでしたね。私の名前はシュブ=ニグラスっす。んで、こっちが先輩兼夫のヨグソトースっす。んじゃ、ニャルの暇つぶし頑張ってくださいっす!」


警察官(男)

「……ニャル。まぁ、頑張ってください。それじゃあ帰ろーか、シュブ……」


「キーパー」

 夫婦の警察官二人は手を繋いで歩くと、どこかへと消えていった。

 二人を見守ったプレイヤー達は、豪邸の中へと入っていくだろう。

 玄関から入るとそこにはメイド服の中年女性、メイド服の女子、豪華な装いをした中年女性がいた。

 それを見たプレイヤー達は、目の前にいる女性方に目を引かれることだろう。

 その女性方は言葉にするのが烏滸がましい程に美しく妖艶で、魅力に溢れていたのだから。

 そんな彼女等に見惚れていると、豪華な装いをしている女性が口を開く。


 

豪華な装いの女性

「どうも、探偵さん方。私の名前は西園寺 奈津子。亡くなった西園寺 俊雄の妻です。そして、こっちのメイド親子の母の方が西条 由紀子。娘の方が西条 冬華です。話は警察の方から聞いております。まぁ、自殺した夫の何を探偵さん方が調査なさるのか、甚だ疑問でしかありませんのだけれど……。無下にすることもできませんので、貴女方に冬華を付けましょう。気が済むまで調べると良いです」


西条 冬華

「そういうことですので、貴方達の案内を担当させて頂きます、冬華です。どうぞ、気軽に冬華と呼んでください。お母さん、奈津子様のこと、お願いします」


西条 由紀子

「任せなさい、冬華。そちらも滞りなく、礼儀を持って案内しなさいな」


西園寺 奈津子

「それでは、ごめんあそばせ」

 

「キーパー」

 奈津子がお辞儀をすると、由紀子と共に2階に上がって行った。

 2人が2階に上がって行くと、聞いたことのある声がそこから辺りに響き渡る。


ニャル様

「いやー、僕の演技ヤバくない?ねぇ、ハスターもそう思うでしょ?」


ハスター

「確かに演技力あったすけど……俺のセリフ、少なすぎないっすか?……まぁ良いっすけどぉ。いいなぁ、あの人達と遊べるイタクァが羨ましいっす……」


ニャル様

「それにゃあ。ま、見てる分でも楽しいからね、ハスターも一緒に楽しもうぜ!にゃははははは!!!ゲホゲホッ」


ハスター

「大丈夫そ?」


「キーパー」

 2人の声が聞こえなくなると、冬華はコホンと咳払いをしてプレイヤー達に話しかける。


西条 冬華

「えぇとまぁ……そういう感じですので、あまり気にしないでください……。それでは、皆さんにはここを探索し西園寺 俊雄の死因と凶器、そして殺害の動機と犯人を見つけて頂きます。分かりましたら私に答えてくだされば大丈夫です。やり直しは……そうですね、何回でもOKにしましょうか。やはり、クリアして頂かないとつまりませんからね。それでは行ける場所について説明します。外は家庭菜園場と花壇に倉庫。1階は調理室と談話室、私とハス……お母さんの部屋。2階はニャル……奥様と旦那様の部屋ですね。如何なさいますか?」


プレイヤー達が答える。


西条 冬華

「かしこまりました。それではこちらへ……」

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