謎解き1:干支(簡単目)


「キーパー」

 探索者達がワープしたその部屋には左右の壁に本棚がずらりと並べられており、真ん中には大きい円机と椅子、その奥には銅像らしきものがある。


―――――――――――――――――――――

○部屋の詳細

▶︎壁紙は水色、高さ5メートル、10メートルの正方形

▶︎天井には太陽と月が描かれている

▶︎手前の壁にはカレンダーがある

▶︎右の本棚には干支とは何かについての本

▶︎左の本棚にはトムとジェリーの本

▶︎机の上には問題が書かれた紙【謎解き】が置いてある

▶︎動物の銅像が14体横並びになってる

▶︎銅像のちょい手前に矢印が引かれている

▶︎椅子に座ってる時に念じると飲食物が出てきて食せる

 

目星無し

①左右の壁に本棚

② 真ん中には大きい円机と椅子

③ 奥には銅像らしきもの


目星あり

①机と椅子はプレイヤー人数

②机の上には紙とペンがある

③動物の銅像が14体横並びになってる

「馬」「虎」「龍」「犬」「猫」「牛」「鳥」「兎」「蛇」「猿」「鼬」「鼠」「羊」「猪」

④天井には太陽と月のマークが


図書館

①右の本棚の前で図書館

▶︎「干支について」

②左の本棚の前で図書館

▶︎「猫と鼠」


条件付き目星

①銅像の前で目星

▶︎銅像裏の壁に、愚か者、優しき者、12位……1位とある

②手前(南)の壁で目星

▶︎新品のカレンダーがあり、1月が表示されている

―――――――――――――――――――――

【謎解き】


昔昔のこと、競走をした14匹の動物がいる。

その中の1匹は、愚かな動物。

その中の1匹は、優しき動物。

その中の1匹は、狡き動物。

勘違いした優しき動物は神の温情により報われた。

しかし、騙された愚かな動物には神の手は差し出されなかった。

愚かな動物は狡き動物を許さない。

怒った愚かな者は狡き者の銅像の順番を1番最後にした。

順番を弄った後、満足し愚かな者は帰った。

次の日真っ直ぐな動物が本当の順位に直そうとしたため、自分の動物を1番最初に置いた。

次の日順番が変わった自分の銅像を、狡き者は見つけた。

本当は1位なはずの自分が1番最後にいて、そうでない動物が1位にいることに怒り、全体的に変更させた。

次の日全体的に順番の違う銅像を優しき者が見つけた。

優しき者は何も言わずに元の順番に戻した。

それを見て遊び心の沸いたニャル様が順番をバラバラにした。

順番がバラバラになってる銅像を見て全員喧嘩した。

特に愚かな動物と狡き動物の喧嘩は酷かった。

月の出る夜、狡き動物が怒り狂った愚かな動物に傷つけられた。

日の出る朝、優しき動物が狡き動物の怪我を見つけた。

優しき動物は悲しんだ。

皆に狡き動物が怪我したことを伝えると、愚かな者動物にすぐ白羽の矢が飛んでいった。

愚かな動物はすぐに後悔し、認めた。

もうこんな争いは起きてはいけない。

だから仲直りした、皆全員で。

この日は皆で手を取って楽しく笑った。

1年に1回は絶対楽しくしよう、皆で誓った。

しかし仲直りしていつも楽しく過ごしていると、その日のことを忘れてしまったのだ。

思い出した者はカレンダーに、私達の物語の起源となったその日に印をつけて欲しい。

そして、銅像の位置が違う時は直してやって欲しい。

さすれば新たな道が貴方の前に現れるだろう。

1つ忠告するのならば、まずは月日の主を探すが吉。

………………………………………………………………………………

答え、銅像の位置を戻した上に1月1日


猫▶︎鼬▶︎猪▶︎犬▶︎鳥▶︎猿▶︎羊▶︎馬▶︎蛇▶︎龍▶︎兎▶︎虎▶︎牛▶︎鼠


――――――

主を探せ

▶︎主役

月の出る夜の主役

▶︎ねずみ(1月)

日の出る朝の主役

▶︎イタチ(つイタチ(1日))

―――――――――――――――――――――

[図書館]

 

○右の本棚「干支について」

昔、時間を決める時に使ったシステムであり、12匹の動物の名前が由来である。12匹の動物は1月から鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、猪である。この順番は繁殖力の高い鼠が子孫繁栄を願われていたり、生活的に必要であった牛、虎のように勇ましくなれるように……等の意味があるがここでは割愛。ここでは12匹によってされたと思われる競走についての話をする。ある神様が月の名を決めるために、様々な動物を1月1日に呼んで競走させ、その中で取り分け早かった1位から12位の動物の名を使うことにした。結果は上の通りであるが、鼠は猫を騙し1月2日に来るように仕向けたり、その日の前から準備していた牛に隠れて1位になったりと、様々な事が起こったとされている。

 

○左の本棚「猫と鼠」

猫と鼠はいつも敵対し喧嘩している。しかし、時には手を取り合って仲良くすることもあるらしい。

―――――――――――――――――――――

「キーパー」

 銅像の位置を直しカレンダーの1月1日に印を付けると辺りが光だし、それに伴ってプレイヤー達は目を手で覆い隠すだろう。

 光が収まったことで恐る恐るプレイヤー達が目を開けると、そこには立体映像越しに見た事のある人物……否、神がいた。

 その神の名はニャルラトホテプ、通称ニャル様。

 プレイヤー達は立体映像で見た美貌に、魅入ってしまうことだろう。

 それに気づいた当の本人はプレイヤーをおちょくっているのか、流し目を使ったり、髪を耳に掛けたりしている。

 

ニャル様

「いやー、美人って視線を集めすぎて困っちゃうなぁあ。僕、これでも男なんだけどなああああ。ホント、美しいってギルティだよねぇ…あはははっ。……あ、そういえば第1の謎のクリアおめでとう!やっぱり謎解きゲームって、見てる方も楽しいからサイコーだよねぇ…うんうん。え?だって楽しかったでしょ、君達も?…うんうん、大丈夫大丈夫、言わなくても分かるから!君達の顔を見れば楽しかったってことがよぉーく分かる。てことで、早速次に行こっか。休憩したいなら部屋見てからにでもすれば良いさ…パチンッ」


「キーパー」

 ニャル様が指をパチンッと鳴らすと、プレイヤー達の視界は一瞬だけ暗転し、気づくと別の部屋に来ていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る