2話 エターニア帝国へ
馬車に揺られながら数日。ようやくエターニア帝国への国境が見えてきた。
「エストレッラ様。これから国境を渡り帝国へ向かいます。」
「分かったわ。」
御者にそう告げれば私はそっと窓の外を見てもうすっかり遠くなったクランカティア王国を思い出した。多分もう帰れないだろうと考えていればガタンと馬車が大きく揺れた。
「いった……一体何が……」
そう呟き少しぶつけた頭をさすっていれば御者が揉めているようだった。私はため息を吐き馬車から降り揉めている兵の方へ向いた。
「私はクランカティア王国が王女エストレッラ。此度はエターニア帝国第1王子シエロ様との婚礼のためこの道を通りたいのです」
私は淡々と兵に告げればザワザワと話し合いがされたあと兵たちは一言「どうぞお通りください」と告げてきた。
「申し訳ございませんエストレッラ様…お手を煩わせてしまい……」
「構わないわ。早く出して。」
私は馬車に乗り込みそう告げればようやく動きだした馬車にため息を吐きそっと目を瞑った。この国境を超えれば帝国。退屈しなければなんでもいい。そんなことを考えながら暫く揺られていると御者から声がかかった。
「エストレッラ様到着致しましたエターニア帝国でございます」
その声に私は目を開き窓を見てみればそこは王国とは全く違う景色が広がっていた。
「これから宮殿の方に向かいますね。もう少しの辛抱を」
「えぇ分かったわ。」
これから向かうであろう宮殿を想像しながら私は王国とは違う景色を眺めていた。
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