その12

・腹立たしいことだが、事実を報告したとしても村八分にされるのは目に見えている。

・冒険者カードを一瞥すると、男は眼鏡をクイっと上げて「こちらです」とギルドを案内してくれた。

・入り口のベルが鳴る。扉の先から見えたのはここでは顔を見ない、一見の客だった。

・商人は必死に護衛の離脱を慰留している。

・迷宮の最奥で、男の慟哭どうこくが木霊する。

・どんなことであっても直情径行ちょくじょうけいこうなのが彼らしい。

・背後に立っていたのは、熊と見紛う風貌の益荒男ますらおであった。

・倫理の良否は人々が決めるものだ。

滂沱ぼうだたる大雨は傘の寿命を削っているようにも感じられた。

・大学のために上京していたからか、彼は渋皮がむけていた。数年前までの鼻垂れ小僧の面影はもはやどこにもなかった。

・日々の生活が忙しいと、俗世から離れて安穏な生活が魅力的に思えてくる。

・岡目八目というし、ここは第三者に尋ねてみよう。

・この書が数奇な道へ導くことを、彼はまだ知らない。

・甲高い声が鉄塔の頂上から聞こえた。そこには小さな帽子をあみだにかぶった、怪盗風の少女が立っていた。

・これらの要素を基に、データを一元化する。

・オウム真理教は言わずと知れたカルト教団である。

・「冥土の土産に教えてやるよ。おまえの母親を殺したのは……俺だ」

・月次決算の推移を読み取ると、家計は毎月増加している。特に食費の増加が激しかった。

・荒唐無稽な考え方だと思われたが、以外にも好評だった。また、これが書籍化されると飛ぶように売れ、重版も決定した。馬鹿げた妄言が、奇しくも洛陽の紙価を高めたのである。

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