あれから、二年が経過した。

夢月みつき

本文「おいらとあの子」

 あれから、二年が経過した。

 あの子は元気でいるだろうか?

 あの子は体が弱いから、風邪など引いていないといいけど。

 あの夏祭りの夜、おいらとあの子は出逢った。

 人懐こくて笑顔の可愛い子だった。


 金魚すくい、輪投げに射的、盆踊りも踊った。

 おいしい食べ物もたくさん、食べた。

 おいらとあの子は仲良くなって、たくさん遊んだ。


 なのに、なのに……

 あの子は、おいらの正体を知ってしまった。

 狐のあやかし、おいらの正体。

 あの子は驚いて逃げていく

 怖くて追いかけることが出来なかった。


 狐の少年のイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093080448396213


 人の少女のイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093080448508439


 悲しみのふたりのイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093080448611482


 あれから、二年が経って また、夏祭りの季節が訪れた。

 この二年、どんなに寂しかったか

 どんなに罪悪感にさいなまれたか

 おいらは月夜に一声、鳴いた。


 道の向こうから、金魚柄の浴衣を着た女の子が近づいてくる。

 輝くように顔が明るくなる。

 成長した姿、変わらない笑顔。


 ひさしぶりの二人の姿

 夏祭りの夜に「ごめんね、ありがとう」の声が重なった。



 再会したふたりのイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093080448736651



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 最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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