~未覚(みかく)に吟味(あじ)わう、孤独の暗(やみ)から気色が退(の)いた…~(『夢時代』より)

天川裕司

~未覚(みかく)に吟味(あじ)わう、孤独の暗(やみ)から気色が退(の)いた…~(『夢時代』より)

~未覚(みかく)に吟味(あじ)わう、孤独の暗(やみ)から気色が退(の)いた…~

 精神(こころ)に息衝くモンドの交響(ひびき)が無臭を連れ添い主観(あるじ)へ解(と)けた…。未知に棚引く幻魔(げんま)の感覚(いしき)が仁王に先立ち汚名を従え、幻(ゆめ)の自然(あるじ)へ堂々巡りの「虚空」を揺らせてまったり降りた。過去に連なる七つの覇気には男女(ひと)のmorgue(モルグ)が恰も成り出し、安い上辺(うわべ)を気取りながらも〝惜しい黄名(きな)〟には意識を結び、明日(あす)の美声(こえ)から具体(からだ)が仕上がる〝虚空・遊戯(こくうゆうぎ)〟に連結して居る…。―――

 文言(ことば)の界(かぎり)に流行(ながれ)が立つ時「不毛の女流」が目覚ましくも見え、在る事無い事通過して生く悲壮の文化が集合して居た。孤島の記憶に幻(ゆめ)が始まり旧い夜風に真夜(しんや)が立つのは、お決まり通りの長い寝室(ねむろ)の〝長蛇〟に巻かれる問診だった。旅の疲れを湯浴みに落して一男(おとこ)の一身(からだ)は五体を振り上げ、〝買い物籠〟から一女(おんな)を覗かす不明の安堵を叱責して居た。虚空の背後に女性(おんな)が先立ち不孝の事実に物憂い陰りが…、堂々巡りの〝発破〟の許容(なか)から一人(ひと)を観たまま大きく成り行き、人見知りに割く無業(むぎょう)の合図は真昼(ひる)の最中(さなか)の御託の界(かぎり)で、厚い展開(ながれ)に嗣業が立つのは定形(かたち)を魅せない主観(あるじ)であった。孤独の上着を思中(しちゅう)に据え置き〝未知〟の夕べに危篤が往くのは、有頂(うちょう)に晴らせる二夜(ふたよ)の界(かぎり)と「門前払いの毒牙」であった。一女(おんな)の気配に人物(もの)が発(た)ち往く幻想(ゆめ)に清閑(しずか)な娯楽の限りは、憂き世の方から無知に損なう「水と霊との斡旋」だった。帰納に絶ち生く信途(しんと)の界(かぎり)は無信の席へとその実(み)を投げ掛け、私闘に暮れ生く旧い従蛇(じゅうだ)は余程の文言(ことば)に根詰まりだった…。起死に興(おこ)せる未来(さき)の成果(はて)には男女(ひと)の八頭(おろち)が段々息衝き、不彩(ふさい)に色付く感覚(いしき)の界(かぎり)は無駄を装う信者と成った。家計の辺りに孤高が飛び乗る幻想(ゆめ)の道理は不在を遂げずに、悪しき最期をその掌(て)に掴める目暗(めくら)の主観(あるじ)を滑稽にも観て、幻(ゆめ)の一夜(とばり)へどんどん畳むは、文言(ことば)に活きない「不毛の感覚(いしき)」と怒号に伴う査定であった…。分厚(あつ)い展開(ながれ)に着る物追わずに無想の日蓋(ひぶた)が絡まり成るのは、無審(むしん)の論破で暗(やみ)が高鳴る不利な勇気の蛇足であった。操舵に射止める女神の表情(かお)から古い規律(おきて)が散々息衝き、明日(あす)の延命(いのち)へ闊歩するのは幻想(ゆめ)へ息衝く「不毛の有利」と、礎から咲く精華(はな)の長命(いのち)の二重(にじゅう)に駆られた呼び子であった。漆黒(くろ)い空間(すきま)が段々静まり不意の〝城下(じょうか)〟に人間(ひと)が降りれば、虚空の感覚(いしき)が無頼を貫く不義の進化は鮮烈だった。過去の許容(うち)から未屈(みくつ)が飛び交い走馬(うま)の速さを身塵(みじん)に保(も)つのは、宙(そら)の成果(かなた)へ浮足立ち往く未想(みそう)の〝想図(そうず)〟に相対(あいたい)して居る。虚空の葦から一女(おんな)が跳び出し一男(おとこ)の躰を未知へ退(の)け得る未想(みそう)の傀儡(どうぐ)を真傍(まよこ)に観るのは、無頼の感覚(いしき)を道化に紐解く無心の合図と相異を保(も)たない…。旧い進化の既憶(きおく)の内(なか)には女性(おんな)の既憶(きおく)が散乱して活き、幻想(ゆめ)の〝合図〟に乱歩を辿れる一人(ひと)の相図(あいず)を穢して行った…。既憶(きおく)の人陰(かげ)から身塵(みじん)が跳び出せ幻(ゆめ)の弄図(ろうず)へ人間(ひと)が立つのは、無己(おのれ)の許容(なか)から一宙(そら)を見上げる夢想の勇気に相当している。虚空の上気が結託して生く「煩悶ばかりの手数(てかず)の一幻(ゆめ)」には、未だ識(し)り得ぬ旧(むかし)の夢から一人(ひと)の進化が騒々しく鳴り、幻想(ゆめ)に見紛う奇想の八頭(おろち)と「思記(しき)」に煩う冗句を識(し)った。煙たい目をした「向日仕立ての散乱」ばかりは一人(ひと)の進義(しんぎ)を有頂に翻(かえ)され、遥か遠くへ一女(おんな)が死に往く不当の合図は絶命した儘、併せ鏡に文句を吐(は)き生く不毛の従途(じゅうと)を正しく保(も)った…。生憶(きおく)ばかりに具体(からだ)が仕上がり不調を識(し)り得ぬ身嵩(みかさ)の温度は、事始(こと)を見守る深化の翳りと仔細に羨む従途(じゅうと)を観ながら、生憶(きおく)違いの女性(おんな)の構図を残香(かおり)任せに器用に持った…。

      *

 …何処(どこ)かの寮のような所に行って居り(泊まり込みではない)、俺はそこでパソコンの知恵袋のような事をやっており、顔も知らない相手と何か情報交換して居た。と言うか、殆ど主観の遣り取りである。

 そんな中で、滅茶滅茶非常識な女性ユーザーが居り、そう言う女性ユーザーは二人居たようだったが、一人は一向に出て来なかった。俺は物凄い尿意を感じて、寮のトイレへ行き、便器内が回るトイレで小便をして居たが、或る程度、小便をしてその便器の容器に重みが付いて来るとその重みで回らなくなり、安定して小便を出来た(実際、あとで目が覚めると可成り尿意がして居り、トイレへ行って居る。その時は二〇一四年六月二日の明け方四時半頃であり、その日会社へ行く父親が既に起きて洗濯物か何かを畳む・ハンガーへの付け替えをして居るような音が聞えて居た。トイレ付近から台所を覗いただけなので、父の動く姿は覗いて居ない)。

 虚空・遊戯に無感が飛び交い冷たい涼風(かぜ)から躰が延びるは、「台所」に在る家族の熱気と遠い蜃気の明け渡しであり、父と蔓延る母性(はは)の揺蕩(ゆらぎ)は、幻(ゆめ)の未知から不倖を紐解く橙色した勇気に在った。確信ばかりが無己(おのれ)を流離い不頼(ふらい)の進途(しんと)を驚意(きょうい)に観るのは、幻想(ゆめ)の小唄(うた)から無想を紐解く厚い正理(せいり)に伴い独歩(ある)き、既知の孤独を未知へ見果てる無双の発破を髑髏に詠んだ…。途暮々々(とぼとぼ)独歩(ある)ける人煙(けむり)の内(なか)には陽(よう)の活歩(かっぽ)が段々遠退き、乱れた仕種を人間(ひと)に培う固陋の情緒が噴延(ふんえん)して居た。一精(こころ)の叫びが一女(おんな)を引き留め小春(はる)の日差しを一通(とおり)に抱く時、無心を掠める滑稽(おかし)な既憶(きおく)は無情に平伏し相対(あいたい)して居る。精神(こころ)の何処(どこ)かで億尾に出さない死闘の遊戯に凡庸(ふつう)が活き貫(ぬ)き、幻想(ゆめ)の傘下へ堂々巡れる浮浪の感覚(いしき)は呆(ぼ)んやりして居た。幻想(ゆめ)の無闇に久しく遅れて辻褄合うのは目下の展開(ながれ)で、憂き世に堂々空転(ころ)がり続ける奈落の深歩(しんぽ)は陽光(ひかり)を識(し)った。幻想(ゆめ)の孤独に孤独が産れて不装(ふそう)の遊戯へ男女(ひと)が往く頃、無尽に帰(き)せ生く二性(ふたつ)の煽りは孤踏(ことう)に安転(ころ)がる抑揚さえ観た…。神秘(ふしぎ)に散らばる不動の幻(ゆめ)には一人(ひと)の両眼(まなこ)が絶理(ぜつり)へ空転(ころ)がる、幻見ヶ丘(ゆめみがおか)の微かな涼風(かぜ)への思創(しそう)の遥かを驚嘆しながら、来春(はる)に仕留めた七つの精気を不毛の跡地へ引き摺(ず)り出せた。精神(こころ)の逆生(もどり)がしんどく成りつつ弱音を吐くのは真っ暗闇にて、幻覚(ゆめ)の〝跡地〟へ呆(ぼ)んやりするのは無効を期し生く精神(せいしん)だった。橙色した無傷の両刃(やいば)は身重に割かせる古傷から見て、安らぎさえ無い不毛の〝跡地〟に自在を阿る優雅を識(し)り付け、暗い表情(かお)した無適(むてき)の人輩(やから)は無意(むい)に紐解く感情から観て、一人(ひと)の合図を矢庭に仕向ける幻(ゆめ)の相図(あいず)を想像して居た…。分厚(あつ)い櫓を完成させつつ初夏の逆生(もどり)に悪態吐(あくたいづ)くのは、幻想(ゆめ)の静寂(しじま)へ解釈して生く室(むろ)の欠伸に根絶やしだった…。苦労を横切る布陣の貌(かお)には橙色した奥義(おく)が拡がり、自己(おのれ)の前方(まえ)から大海(うみ)を観て生く一人(ひと)の欠伸に相当している…。無頼の盲者(もうじゃ)に紐解きながらも幻(ゆめ)の過失は並(なみ)を引き裂き、孤高の労苦に縮小して生く酷い荒地(あれち)を模索して居た。一女(おんな)の背後へ憂き世が立つとき男性(おとこ)の周囲(まわり)は興醒めしながら、不倫へ独走(はし)れる本能(ちから)の寝言を補強して生く毒牙に遭った。〝ハイエナ男(おとこ)〟の夢の死相(かお)には女性(おんな)に溺れた没我が表れ、二重(ふたえ)に倣える孤高の二体(からだ)は孤独に覆われ皆殺しに遭う…。

 緊(きつ)く縛れる不装(ふそう)の迷路は〝相図(あいず)〟を忘れてどすんと居座り、孤高の信仰(めいろ)へ有頂を蹴散らす不明の自然(あるじ)を光合(こうごう)して居た。白亜(しろ)い気色が悶々しながら狂える幻想(ゆめ)には真逆(まさか)が拡がり、女性(おんな)の体に「愛撫」が問うのを、日頃見て居た男性(おとこ)が識(し)った。幻想(ゆめ)の重味(おもみ)が久しく鳴り生く〝夢想〟を掲げた不為(ふい)への転歩(てんぽ)は、分厚(あつ)い景色に段々静める無想の定形(かたち)に段々纏まり、暑い四季(きせつ)の音頭は何時(いつ)でも、努(ゆめ)に問うまま雄(おす)を皆殺(ころ)せる不正の敗地(アジト)へ転開(てんかい)して居た…。

      *

 …その小便が済んでから(無論夢の中で、であり、起きてトイレへ行く前)その時、その不快な、悪口憎音(あっこうぞうおん)を可成り書き捲って居た女が、トイレへ行った後に何処(どこ)か(手洗い?)へ行った俺の背後に、自分もそこに用事が在るの、と言った具合に、屹立と、平然とした顔ですらりと立って居た。人によれば、容姿端麗で、顔は小さく整って居り小顔で、澄まして在って、如何(いか)にも理知的が似合う女で、小さなショルダーバッグをきちんと小脇に抱えて清潔感在り、可愛らしくも、いやそれよりも先ず奇麗であって、唯、擦(す)れ違う俺よりも数センチは身長が高いで在ろう高身長を有して居たのだが、俺にとっては気に入らぬ所であった。

      *

 無謀を目にした厳(いか)つい背中が一女(おんな)の末路を遠方(とおく)に調え、布告を掌(て)にした無己(おのれ)の孤独を延々疑い祈祷して居た。醜い男・女(だんじょ)が厠で佇み固陋の深化を情(こころ)に知るのは、…夢幻(むげん)が担げる不装(ふそう)の柔裸(やわら)の同等巡りに同様でもある。不頼(ふらい)の概(おお)くが自活(かて)を呑み込み一糸纏わぬ愚かな姿勢(すがた)で、気楼の成果を呆(ぼ)んやり見送る不快の遊離を段々手に保(も)ち、不義を象る辛苦の要(かなめ)を無効の静間(しずま)へ放(ほう)って置いた。彼処(かしこ)の手数(かず)から「無頼」が息継ぎ不装(ふそう)の有利が自然(あるじ)を彩(と)る頃、無戒(むかい)に羽ばたく不快の新派(しんぱ)は何処(いずこ)も同じに夕暮れから成る…。分厚(あつ)い界(かぎり)の未応(みおう)の暗術(すべ)には死闘に解(と)け入る孤独が立ち込め、昨日に好(よ)く観た無己(おのれ)の自覚(かくご)は奮迅から成る夢想(ゆめ)を過った。精神(こころ)の自活(かて)には活路が見得出し、やがて同じの空虚の果てには、精神(こころ)の底から同じ〝合図〟が一体(からだ)を通して女性(おんな)を象り、男女(ひと)の温(ぬく)みを明日(あす)に保(も)ち行く不当の主観(あるじ)を混乱させ得る…。未知への幻想(ゆめ)から気楼が盛(さか)れて無駄を織り成す不倖の正義は、白亜(しろ)い孤独に主観(あるじ)を気取れる不意の行事に悪態吐(づ)いた…。精神(こころ)の成果(はて)から無審(むしん)を紐解く従者の泉(いずみ)に真向きに立つのは、幻(ゆめ)の意味から孤高を紐解く不通の正義の表れだった…。無心を掌(て)にした奥義(おく)の正義は不装(ふそう)に佇む進化を幻見(ゆめみ)て、「宙(そら)の合図」を合成して生く不相(ふそう)の疎らを一人(ひと)へと出した。無為の精神(こころ)に紐解く哀れを「采配」から見た無言の正義は、所々で生気を象る一幻(ゆめ)の生茂(せいも)を個人に象(と)った。個別に彩る神秘(ふしぎ)の聖夜は、無限の許容(うち)にて孤独を幻見(ゆめみ)て、明日(あす)の文言(ことば)疲労へ返せる不義の役目を一通(とおり)に覆う。無己(おのれ)の進化を段々通せる不頼(ふらい)に集まる錦の成果は、真言(しんごん)ばかりの煙たい幻想(ゆめ)から孤独を視(め)にした暁だけ観て、不装(ふそう)の芝居を女性(おんな)に詠み取る過信に活き生く主観(あるじ)を採った。無応の日中(ひなか)に相図(あいず)が生く頃「胴元坂(どうげんざか)」には男女(ひと)が移ろい、派手を目にする憂き世の深化が一通(とおり)を視(め)にして無頼を活き貫(ぬ)き、孤高に色付く花の信仰(めいろ)は不義を尊び自体(おのれ)を保(も)った。過信に悦ぶ滑稽(おかし)な信仰(めいろ)は陽(よう)の光を無効に煩い、明日(あす)を棚引く宙(そら)の空間(あいだ)は寝室(ねむろ)を跳び越え可笑しく成った。男女(ひと)の墓標(しるべ)に精華(はな)を蹴散らす不頓(ふとん)の忍びを無下にしながら、傘を差さない陽(よう)の合図は雨天(そら)を煽げる根気を身に付け、休み通しの日頃の暗黙(やみ)から不幸を掴める強靭(つよ)さが従い、男女(ひと)の寝室(ねむろ)に感覚(いしき)が片付く不相(ふそう)の相図(あいず)は身悶え始める…。自体(おのれ)の労苦に俗世(このよ)を棄て置き、暗(やみ)の許容(なか)から〝漢字〟を詠むのは、自己(おのれ)の昼から滑稽(こっけい)ばかりが調子を見紛う〝悪しき合図〟の勝手から成る。向日の天気に尻込みしながら不応の従者は真言(ことば)を準え、無己(おのれ)の感覚(いしき)を美識(びしき)に視(み)て採る不解(ふかい)の信理(しんり)は爽快だった。過去の精華(はな)から自体(からだ)が発(た)ち退(の)き〝大海(うみ)〟の両眼(まなこ)に繁みが発(た)つのは、自己(おのれ)の相図(あいず)が活歩(かつほ)を始める「自由の牙城(とりで)」と同じであった。無心の日々にて余進(よしん)を煩い、孤高の鈍(くもり)に未知が生くのは〝素人気取り〟の人波(なみ)の所以(ありか)で、既知に鈍(くも)れる日々が経つのは、無近(むこん)に羽ばたく聡明だった。

      *

 この女は、実に酷い投稿をして居り、俺はこの女の投稿を知るや否や、即刻、この女の自宅付近までサーチして辿り着いて、同じく、この女の投稿による被害を受けた者らと一緒に、この女をこてんぱんに〝ライン虐め〟でもして遣ろう、と努めて居たようだ。しかし、その張本人がこうして便所で小便をし終えた俺の背後に澄まして立って居るのが判ったんだからその女の自宅まで辿る必要は無いと言う結論には辿り着いて居た。しかし、いざ、この女を目前(まえ)にすると、手も足も出ない程に男の女に対する緊張を覚えて、何も出来なく成ったのだ。

 そこらで目が覚めた。俺は寝る前、インターネットの知恵袋を遣って居り、結構真面目に回答して居た。

      *

 幻想(ゆめ)へ包(くる)める無算(むさん)の許容(うち)から精神(こころ)の鈍(くもり)を頭上(ずじょう)に引き下げ、精神(こころ)と具体(からだ)の一進一歩(いっしんいっぽ)を脆(よわ)い四季(きせつ)に送って行った。通り縋りの一女(おんな)の容姿は精神(こころ)に紐解く無造(むぞう)に置き去り、一人(ひと)の明夜(あきや)を安転(ころ)び果て得る未覚(みかく)の遊離に離散する内、飛行に好かない女性(おんな)の延命(いのち)は鈍(くもり)を忘れて確認して居た。一幻(ゆめ)の所以(ありか)を正体(からだ)へ置き去る無興(むきょう)の興味は慌ただしく成り、刃渡りさえ無い浮浪の進化を無己(むこ)に聴かせる叱咤に摩(す)り替え、幻(ゆめ)の宙(そら)から微妙に埋れる一人(ひと)の思嵐(あらし)に追撃して居る。徒党を組まない隔離の神秘(しんぴ)は夜半(よわ)の許容(うち)から精神(こころ)を宿され、自体(おのれ)の感覚(いしき)に堂々巡れる不能を講じる〝悪魔〟を識(し)った。無戒(むかい)の美園(その)から空虚を呼ぶうち枯渇に囀る一人(ひと)の正体(からだ)は、幻(ゆめ)の縁(ふち)へと概(おお)きく空転(ころ)がる無常を掌(て)にした〝悪しき…〟を知って、苦労の水面(みなも)を小敗地(アジト)に認める不意の進理(しんり)を大海(うみ)へと置いた。都会に息衝く七つの不思議は頭脳を横切る不安を報され、幻想(ゆめ)の猛威へ孤独を啄む精神(こころ)の歪みを調整して居た。無己(おのれ)の危篤に精神(こころ)が表れ未知の目下(ふもと)に暁(あかり)が差すのは、児(こども)の身辺(あたり)で私闘を拡げる幻想(ゆめ)の極意に刺さって在った…。既憶(きおく)を歪める無知に紐解く固陋の出足は、無毛の孤独に葦を割かれて、夜半(よわ)の寝床で男女(ひと)を見紛う幻覚(ゆめ)の八頭(おろち)に改竄され得た。無己(おのれ)の労苦が不為(ふい)を識(し)るうち非行の入口(くち)から路途(ろと)を観るのは、滞りの無い無機の湯浴みに古豪が活き得る真価と成った。微かな保身に身悶えするのち淡い定形(かたち)は不穏を灯され、不意の夜空に野古々々(のこのこ)活き得る未活(みかつ)の同調(シンパ)を初夢(ゆめ)に観て活き、精神(こころ)が織り成す故郷の末(すえ)には、身嵩に突き出る男女(ひと)の勇気が宙(そら)を畳める度胸を保(も)ちつつ、歪み始める不装(ふそう)に漂う「可笑しい行為」が段々発(た)った…。既憶(きおく)に揺ら蹴(げ)る孤高の四隅(すみ)から悲壮の文化が哀れに跳び発(た)ち、無類に欲しがる「活き血」の全ては遊路(ゆうろ)に飛び交う暁(あかり)を識(し)った…。俗世(このよ)の人群(むれ)から関連して生く不意を信じた無己(おのれ)の果実は、無産に活き貫(ぬ)き無休を気取れる幻(ゆめ)の斬新(あらた)を無己(おのれ)に観た儘、脆(よわ)い気色を凡庸(ふうう)に取り巻く「不義を見付けた遊戯」に発(た)った。一女(おんな)の進度(しんど)が挙って発(た)つうち不能の主観(あるじ)は宙(そら)へ羽ばたき、未知へ片付く不問の柔裸(やわら)は〝一体(からだ)〟を呈せる分離を採った。人間(ひと)を壊せる「土台」の総ては扶養に報せる柔裸(やわら)を呈して、陰府(よみ)の許容(うち)から〝小槌〟を引き出す幻覚(ゆめ)の要(かなめ)に接触しながら、自己(おのれ)の文言(ことば)を五里(ごり)に沿わせる「不能の遊離」を絶対採った…。―――既憶(きおく)に架かれる夜這いの転地は未知に活き貫(ぬ)く無頼を設けて、素知らぬ貌(かお)した自然(あるじ)の美声(こえ)に透れる不頼(ふらい)の年輩(やから)は〝旧巣(ふるす)〟の相図(あいず)を具体(からだ)に揺さ振り、厚い気憶(きおく)に充満して生く不幸の信仰(めいろ)を順々仕上げて、一人(ひと)に相(あい)する労苦の主宴(うたげ)は「既憶(きおく)違い」の総身を保(も)った…。過去の許容(なか)からしがみ付き生く不装(ふそう)の神秘は無頼を講じて、脆弱(よわ)い進理(しんり)を頭上(そら)へ煽げる「未活(みかつ)の孤独」を幼く採った。過去の相場に具体(からだ)を湿らす不意の真理(しんり)はその実(み)を訴え、希少に悶える文言(ことば)の人陰(かげ)には幻(ゆめ)のモンクが絶叫して居り、生憶(きおく)の住み家を具体(からだ)に挙げ生く奇想の進化は甚だ宜しく、闘い始めた無適(むてき)の八頭(おろち)は延命(いのち)を零して嘲笑(わら)って在った…。

 不意に信じる不調の並には「無意志」を講じる不穏が羽ばたき、その実(み)を投げ遣る不穏の神秘は朦朧ながらに主観(あるじ)を愛せず、不倖の許容(うち)から孤独に満たない不論(ふろん)の聖化(せいか)を論じて在った。

 白亜(しろ)い途切りに一人(ひと)が佇み、陽(よう)の四肢(てあし)は脚力(ちから)を失くせど、不毛に片付く一人(ひと)の自主(あるじ)は困窮しながら〝走馬〟を描(か)いた…。


 無知の柔裸(やわら)を瞳(め)にした後(のち)にて虚空の情報は宙(そら)に満たされ、人物(もの)の心慮(しんりょ)へ愛撫して生く悲壮の要(かなめ)は一(いち)から傾き、一人(ひと)の〝合図〟を古豪に割き行く不為(ふい)の論破を齧って在った。未来(さき)の〝旧巣(ふるす)〟へ覗ける間も無く「不穏続きの滑稽(おかし)な信仰(めいろ)」は、幻想(ゆめ)の生憶(きおく)に正(ただ)しく直せる不相(ふそう)の総理へ身悶えして活き、孤独欲しさに悪魔へ懐ける不装(ふそう)の合理は自ずと解(と)けた。

      *

 甲斐無く散るのは無己(おのれ)の魂。無意識(いしき)に発(た)ち生く小言の独歩は、孤高の主観(あるじ)へ秘(ひっそ)り寄った…。頑なから観た有利の〝児(こども)〟は自己(おのれ)の悪魔を馴らして活きつつ、不穏に続ける自己(おのれ)の活路は酩酊して行く独理(ドグマ)を識(し)った。

      *

 白亜(しろ)い小人(こびと)に善意を講じる孤独の主宴(うたげ)は一色(いろ)を摩(す)り替え、夜半(よわ)の寝言に脚色(いろ)を捧げた不倫の配慮は事毎散った。分厚(あつ)い活気に身悶えし果てる無頼を審(しん)じた孤踏(ことう)の信仰(めいろ)は、幻想(ゆめ)の白亜(しろ)さへ具体(からだ)を挙げない気候の進理(しんり)へ調子を解(と)いた。無言に掲げる既憶(きおく)の精華(はな)には〝意思〟を伝える一体(からだ)が表れ、旧い千夜(とばり)に孤独を懐ける幻想(ゆめ)の生果へ高揚して居た…。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

~未覚(みかく)に吟味(あじ)わう、孤独の暗(やみ)から気色が退(の)いた…~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ