ついてくる人

天川裕司

ついてくる人

タイトル:ついてくる人


ある夜、私はストーカーにあった。

でもその姿が全く見えず、

私は誰に追われているのかわからなかった。

でも足音が聞こえる。誰かの気配を感じる。


その気配がだんだん強まってきたとき、

私が住んでるアパートの部屋で

やっぱり不思議なことが起き始めていた。


私はこう見えてゲームが好きで、

レトロゲームなんかをよくやっていた。

それをひとりでするのも寂しいからと、

ある時からYouTuberになり、

ライブ配信でみんなと一緒に楽しむようになった。


その時はアバターを使わず、私は自分の素顔を晒す。

みんなと一緒にゲームする感覚が好きだったのだ。


でもそんなことをしていたとき…

視聴者ユーザー「え?今日は2人でやってんですか?」

と言う声が軒並み多くなった。


もちろん1人。

独身で、特定の男性と付き合うなんて

そんな兆しもなかった私。


でもその声があまりに多くなってきたので

私も奇妙に思い始め、

「本当にこの部屋に誰かいるの?」

みたいな気になっちゃったんだ。


それからだった。

部屋のものが勝手に動いたり、

置いたはずのものがそこに無かったり、

ポルターガイスト現象のような

ワケのわからない光景を見せ付けられた。


「や、やめて!やめて〜!」

私は恐怖のあまり叫んでしまった。

すると…


リンカクさん「…ごめんね。怖がらせる気はなかったんだ。ただ文明の利器を追ってここまで来た時、結果的に君を追う事になっちゃったんだよ」


リンカクさん「まぁ追う相手は誰でも良かったんだけどね。空中に漂っていたら、ちょうどあぜ道を歩いてる君を見つけたから」


「え…?」


空気の中から妙な人の輪郭が現れ、

それが私に向かってその時そう言った。

それから自分の事をいろいろ説明してくれ、

その輪郭…昔の時代からここへ来たその人は消え去った。


そう、その人は平安時代ごろに農村で生まれた

ある男性だったらしい。

奇妙な力を授かったらしく、時代を超えて生きることができていた。


その人が私の家までついてきて、

今の時代がどんなに変わったのか?

その文明の利器はどんな快適を

人の生活に与えているのか?


その辺りの事を知りたかったらしく、

相手は誰でも良いながら私が選ばれ、

この部屋に少し居たと言う。


思い返してみると、確かに部屋のものが動いていた時、

テレビのリモコンや扇風機、クーラーのリモコン、

そしてパソコンやスマートフォンなど、

文明の利器が生み出した、便利なものが多かった。


もしかすると昔の人は、やはり現代人の生活を羨ましく思い、

時に彼のように生き延びた存在がいたとすれば、

誰かが使ってるその文明の利器を自分も使いたい、

そんなふうに思うものなのかもしれない。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=QxMDAsbcDUk

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ついてくる人 天川裕司 @tenkawayuji

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