追憶の景色

思い出の中の景色は

琥珀に閉じ込められた飴色で

盆を過ぎても帰らぬ影法師に見送られ

畔道の蜻蛉を縫って歩く


手を繋ぐ人の面影若く

歩む足元は幼い


あの時の語り掛けた言葉は失くしたけれど

あの時の眼差しは永久に刻まれたまま

西日の逆光に陰を深くしていても

柔らかく輝いている


過去の記憶は洗われて

想いは綺麗な所だけを切り抜いて


それで良いんだよ


それで、良いんだよ



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