第2話 過去

「あの日」それは突然だった。10月14日土曜日14時17分私はリビングで家族と一家団欒していた。何気ない日常が地獄に変わった。突然外で今までに聞いた事のない轟音が鳴り響き、遅れて家が崩れた。私のお父さんは咄嗟に私に覆いかぶさってくれた。お母さんは瓦礫から出れたようで私たちを探している様だ。お母さんが瓦礫の山をどかしてくれて私とお父さんは見えるようになった。しかし、柱が私達を押し潰して居るようだ。お父さんは力を振り絞り私を出してくれた。しかし限界か柱に押しつぶされた。何とか私とお母さんで出そうとするもびくともしなかった。数分後、赤い液体が私の足元へと流れてきた。どうやらお父さんに瓦礫が刺さっていたみたいだ。お父さんは木片私を出したあとに私の隣にあった木片にお腹が刺さっていたみたいだ。お父さんは何か言おうとしたものの何も言える事はなく絶命した。もう日が暮れていた。私とお母さんは大声で泣いた。しかし、ここで追い打ちをかけるかのように私に更に悲劇が襲った。お母さんのなく声が悲鳴に変わった。そこにはまるでゴブリンのような緑色の肌をしたムキムキの化け物がいた。手には棍棒を持っているイメージがあったが、手には血の着いたナタを持っていた。いち早くそれに気づいたらお母さんは抵抗をするものの、力で負け、何度も何度も刺されていた。人は意外と硬かった。10分くらい滅多刺しにしているお母さんをみて腰を抜かし唖然としていた。悶え苦しむ母とその悲鳴を聞いて歪んだ笑顔を見せる化け物。この光景は忘れられない。お母さんは最後の言葉かのように、かすれた声で「逃げて」と言った。ふと我に戻り自分の事しか考えられなくなった。そこから私は無我夢中に走った

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