写真を撮ることが大好きな小春。でも、人は撮らない。
そんな彼女の世界に突然入り込んできたのが、サッカー部の三矢。最悪な出会いから始まる二人の関係は、意外にも少しずつ変化していく。読んでいると、視界の端に映る景色が鮮やかになってくるような感覚に陥る。
空の色、風の匂い、沈黙の重み。文章から伝わる臨場感が素敵です。
ただの部活ものとは違う、感情の揺れや静けさの中にある熱がじんわりと沁みてくる。そして何より、カメラの「今しかない瞬間を残す」という魔法のような力が、物語のすべてに詰まっています♩
私も写真を撮りますが、今すぐカメラを持って外に出たくなりました。