じゅうしちもじの部屋

えぞや真音

6月の句

一、中空なかぞらに月朧なり桜桃忌


二、幼鳥の声もたわわに枇杷びわの枝


三、頬杖に奥歯の疼く梅雨の入り


四、夜と朝の境目描く流れ星


五、幼子が鶏冠とさかをまねる立葵たちあおい


六、アスファルト散りてこそ咲け夏椿


七、鞠ひとつ雨ざらしなり合歓ねむの花


八、朝焼けに急かされ名残りの夏至の月

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