シチリア・マフィアの世界と社会考とかそんなの

 読んだよというだけでは片手落ちであるので紙幅を割くが、マフィアを肯定的に扱うわけではないと言うことを書いておく。


 とは言えあまり触れすぎると良くないよなぁ、とも思う。学術系の本の内容を出しすぎるとネタバレが過ぎる。しかしどこが面白いのかは伝えなければならないなぁとも。


 それでも、個人的に面白いと思ったのはマフィアは政治的な存在へと発達した、と言うことだ。

 発展するにつれて政治的な要素を得ていき、そして国家の政治を左右するようになっていく。この本は個人名を発展した後の上位層の名前しか出ない(と言うか名前が残ってないのではないかと思われる)が、こうして見るとマフィアの構成は国家のあり方ではなかろうかとも思う。


 その国の政治のある種の模倣であり、小国家、小社会として機能するのかなぁなんて考えたりする。


 社会の役割とは構成員に対する肯定だろうと考えている。役割を与え、満足を与え、肯定を与える。それを叶う限り大人数に与えるように取り計らうのは国家となる。

 社会に対する帰属意識は肯定されることによって醸成され、そしてそれを振るう対象が小さく、見えやすかったのならば構成員はその場所に愛着を抱きやすいんだろうなぁ、などと読んで考えた。

 

 

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夜の弾みにカクヨムカタル。 夜野はずみ @1615

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