ボーはおそれている


 「ボーはおそれている」は2023年のアメリカ映画。一応、ジャンルはコメディホラーに分類されるらしいですが、あの狂気映画の代名詞といえる「ミッドサマー」の脚本・監督のアリ・アスターさんと「ジョーカー」のホアキン・フェニックスさんのタッグという事で狂気に満ちた文字通りに気が狂う映画です。


 あらすじとしましては、日常の些細な事でも不安になってしまう怖がり中年男性のボーは、つい先程まで電話で話していた母が突然死んだという電話を受ける。母の元へとアパートを出た瞬間から、彼の日常は既に崩壊を始めていた。現実と妄想の区別も分からないボーの過酷な里帰りは恐ろしい旅へと変貌してゆくのである。



 確か、この映画が公開された時は世間はスラムダンクやスパイファミリーの映画が流行ってた時期だったのかなと思います。僕はこの時期は映画館に行けなかったので、ボーはおそれているは気になってはいたのですが、観れぬままにアマプラ見放題を待っておりました。まぁ、観たらヤバい映画でしたねぇ。三時間と長いのですが、狂気を詰め込みまくっている三時間なので、だいぶ濃縮されてんなぁて感じですね。長いからちょっと分割かなぁとも一瞬考えたのですが、切りどころが難しかったのと3時間て割と溶けるもんだなとそのままぶっ続けで観ましたねコレは。


 最初は真っ暗で「あれ、通信環境が悪くなったか?」と錯覚を起こしてくれます。しばらくしたら音が出るから演出て分かりますけど。まぁ、ここは序の口ですぐに狂気の世界にご招待されちゃいますのでね、もうここから三時間いったい何を見せられているんだ。どこから現実でどこから妄想なんだと混乱の渦に呑まれたまま、終わっちまったて感じ。ミッドサマーが水で割ったカルピスをぶっ掛けられ続けられる感じで、こっちはカルピス原液を直接口に流し込まれ続けてゆくみたいなね感じ。よくわかんないけど、まぁそんな感じ、いい表現が浮かばないなぁ。なんかね、気づけばエンドロールをただ静かに唖然と眺めている自分の顔が黒い部分に映ってましたね。

 ホアキン・フェニックスさんとレディ・ガガさんのジョーカー新作観る前に子どもみたいに泣きじゃくるホアキンさんの演技を堪能してから観るのもいいかもしれないし、悪いかも知れない。吹き替えの森川智之さんの声も凄かった。分の悪いかけは嫌いじゃない、打ち抜く止めてみろなクール森川さんがどこにもいないんだもの。


 素っ裸の男性のモザイクやら、濡れ場とか、嘔吐シーンとかもあるので、そういうのが苦手な方にはちょっとススメられないかな? ミッドサマーを視聴済みで覚悟完了してる方には安心してオススメできます。こちらもしっかりと頭が狂うと思います。

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