『SKILL-Tree』で始まる僕の物語
天風 繋
第1話 固有スキル
人には、スキルと言う物が生まれた時に神々から祝福される。
最初のスキルは、
固有スキルから派生するスキルを、
派生スキルは、固有スキルに起因・類似する。
固有スキル『騎士』を持つ人は、派生スキルで『剣』『盾』を得ることが多い。
時として多いのは、職業のような固有スキルが顕現する。
その為、固有スキルが仕事に影響を与える。
僕の住む村『ハリマウ』でも、祝福の日が行われようとしていた。
祝福の日は、数え5歳になる子供たちが新年に能力値の開示を行う儀式である。
1月7日。
村の教会の中では、子供たちが集まっている。
生まれた時から、それぞれに祝福を授かっているが開示をするのはこの5歳の『祝福の日』が最初になる。
なぜなら、生まれてすぐに開示するとその子の人生の選択肢を狭める可能性があることや年齢的な訓練が出来る年齢ではないことがあげられる。
うちは、平民…それも下級平民だ。
この世界の階級制度は、下級平民・上級平民・下級貴族・上級貴族に分別される。
富裕率によって平民は変わる。
まあ、下級は貧乏というわけだ。
父は、固有スキル『衛兵』。
派生スキルは、『盾』『槍』。
母は、固有スキル『術師』。
派生スキルは、『水』『風』。
それぞれ、熟練度合いが2の後半くらいだろうか。
…僕がどうしてそんなことをしているかというと。
僕は、自分の能力値を知っているからだ。
ある日。
読書をしていたら、僕の目の前に透明な板のような物が表示されるようになった。
『派生スキル『読書』を取得しました。』
それは、メッセージボードと言うことを両親から聞かされた。
派生スキル『読書』は、固有スキル『学者』が多く保有しているらしい。
両親は、とても喜んでいた。
『学者』は、高給取りが多いらしい。
それが、3歳の頃の話だ。
僕は、読書を続けた。
4歳になった頃。
草花の図鑑や魔物の図鑑を読み耽ると新しいメッセージボードが現れた。
『派生スキル『目利き』を取得しました。
固有派生スキル『鑑定』を取得しました。』
この時、生えた
固有スキル『鑑定』ではなく、固有派生スキル『鑑定』だったのだ。
僕は、その日に自身の本当の固有スキルを知ることになる。
教会では、子供たちが列を作り司教の元へと向かっていた。
1人1人と信託を受けていく。
やがて、僕の番がやってきた。
「君、名前は?」
「アーレン」
「下級平民か。30スォンだ」
金まで取るのか。守銭奴め。
僕は、両親から受け取ったお金を手渡す。
30スォンは、日本円にして3000円。
家のような下級平民にとっては1週間の生活費に等しい。
「神よ、この者『アーレン』に祝福を」
そう司教が、告げると僕の前にメッセージボードが表示された。
『固有スキル『SKILL-Tree』』と。
「ん?スキルが読めん」
ああ、なるほど。
異世界語で書かれているのか。
神様も面白いことをするな。
「固有スキル『スキルツリー』。
僕の鑑定では、そう書かれています」
「『鑑定』だと」
辺りが、ざわめきだす。
小さな村で『鑑定』が出ることは珍しい。
ちなみに、自分自身の『鑑定』ではこう見えている。
名前:アーレン
性別:男
年齢:5歳
誕生日:1月1日
称号:異世界転生者
固有スキル:SKILL-Tree
固有派生スキル:鑑定、術師、騎士、拳士、衛兵
派生スキル:読書、目利き、水、風、火、地、光、闇、剣、盾、拳、体捌き、槍
こんな感じだ。
僕は、元々この世界の人間じゃない。
いや、転生だから魂だけが違う世界からきたということだろう。
だから、異世界語が読める。
3歳からの2年間で大体の傾向は分かった。
派生スキルには、熟練度がある。
固有派生スキルを発生させるには、熟練度が0.1以上が必要。
まあ、派生スキルが発生した段階でほとんど発生する。
昔、ゲームで欲しいと思っていた機能だ。
僕は、無限にスキルを取得することが出来るのかもしれない。
まだ、熟練度が低いから固有派生の先になにかがあるかもしれない。
次の更新予定
毎週 金曜日 00:00 予定は変更される可能性があります
『SKILL-Tree』で始まる僕の物語 天風 繋 @amkze
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