くたばれ九州北部死神協会

朽網あずささんは、基本、軽バンを使って生活を営んでいる。お酒の配達を引き受けたり、郵便物をかき集めたりしていた。よそ者の目線から見て、ごく普通な、炎天下に帽子をかぶって、箱を肩に担いで歩く配達員だった。でも実は、彼女は死神である。

そう、彼女は時給500円未満な日も多い死神で、私の師匠。

本業の死神に関する業務があまりにも過酷なため、助手1人を弟子入りした。もちろん私だ。私の名前?知られても意味がないじゃない。

八百万の神がおる国に、1人か2人くらいで死神の業務を民間に委託することに反対しても、意味がない。結局、神々からのお偉いさんが民間に任せてもいいと判断してしまった。でも、1人か2人くらいに死神の業務をこなせないから、結局、死神になったとしても、各死神協会に加入せざるを得なかった。

協会とは、特定業界の発展などを目的として設立されることが多い組織である。孤独を感じるオオカミが仲間が増えることを喜んで寄せたくなる存在でもあるのだ。でも、私からしたら、この朽網あずささんが加盟している九州北部死神協会は、基本サポートやしない、ただ利益を分かちあう存在だった。

朽網あずささんは、それでも協会に属さない時代よりもマシとなったを語った。


案の定、朽網あずささんは翌日に、協会まで呼び出された。よくよく考えてみれば当然のことであった。死神としても、かんじがらめに縛られていた宿命か。

彼女は私が入れない部屋から出たら、あっという間に、死神の体が縮んだ。力が失われた死神なんて、相手にされる価値はない。みたいな悪役セリフは不要だ。

帰りはどうしよう…と思ったら、昨日運転したのも私だった。

ケンカ最中のオオカミは仲間の首を噛まないし、カラスも同族の目をつついたりはしない。にしても悔しい。裏に何かの取引されてVIPとなった人に、海峡を跨ぐ大橋から自由落下してかすり傷一つ無いやつに、平の死神に何のできこともない。

結局その狂い笑い姿を見送ることしかできないのだ。

チートな身を手に入れた人間もいたら、雨の日にモノレールの駅の半径30メートル範囲に近づいただけなのに、落雷で感電したついてない奴もいるんだ。哀れな様子なんだ。

そして、ある程度、因果応報を現世の人々を信じてもらうために、軽いやつがくじ引きしてからの計画殺人もある。闇の政府に操られた人生、当事者でも家族でも予想もしなかったことだろう。

でもねでもね、よく考えたら、VIPとなった人が海峡を跨いて何キロもあったら、また保護されるの?不可解なことだ。

協会ヨ、クタバレ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る