異世界召喚に巻き込まれた!?〜貰ったチートは女神様〜

不定形

第1話 異世界召喚巻き込まれ!?〜in謎の白い空間〜

 小鳥の心地よい鳴き声と清々しい朝日を浴びながら、軽い足取りで歩く。

 グッドモーニング世界!!


「いやー、今日もいいてんき」


 昨日雨だったけど!いや、見方を変えれば雨もいい天気だな、よし!

 夏もそろそろ終わり、秋の香りが漂う今日この頃。早朝ってのはすごく涼しいものだ。

 なんて、考えてると。


「おっと」

「す、すみません!」


 曲がり角から、近くの高校(名前忘れた)のジャージ姿でランニングしている女子高生とぶつかりそうになった。どっちもぶつかる寸でで止まれた。


「大丈夫かい?」


「は、はい。大丈夫です!お兄さんは…」


「俺は大丈夫だよ」


 にこやかに、清々しい笑顔で対応する。若いっていいね!雰囲気がエネルギッシュだ!


「じゃ、気を付けて、頑張ってね」


「はい!ありがとうございます!」


 別れようと一歩を踏み出した瞬間、足下から、目も開けられない位の光が襲ってきた。


「え!?」


 さっきの女子高生の方を振り返ると、なんとその娘を中心に円で広がってるみたいだ。

 ……こりゃ異世界召喚っちゅーやつや!


 瞬間、意識が落ちていった。






「うー…ん………おまえ……そりゃ蛾やない………リュウキュウジュウサンホシチビオオキノコムシやないかい………」


「どんな夢見てるの!?」


「ん…?知らないてんじょ……知らない空間だ」


 目が覚めたら上下左右どこも真っ白な、角とか言う概念すら感じないまさに謎空間。目が覚めたらくっそ美少女付きの謎空間にいたら、誰でも変なこと口走るよね。


「あ、初めまして、斉藤光輝さいとうこうきです」


「ご丁寧にどうも…じゃ、ない!何でそんな平然としてるの!?」


 なんならふざけ始めてるし、とこちらを指を刺しながら叫ぶ暫定女神さま。人を指差すなんて、ギョーギが悪いですねぇ!


「まったく…初めまして、斉藤くん。私はキミがいた世界とは違う世界の神様だよ!」


「お前様は一体何の神様?」


 確かにまだ若いけど、少しでも敬意を持ってくれても…なんてため息を吐きながらぼやいた女神様は、敬意がないそんな輩にも丁寧に教えてくれるそう。やさしい。


「私は風を司る戦神リーフ。神話の一つも無い、まだまだ新参の神だよ」


 威厳が多量に含まれた名乗りは、他なんて知らないのに『あぁ、この女神はかなり高位なんだな』と理解させられるものだった。うーん、胸張ってかわいいね。


「ほえぇ〜」


「もっと興味持ってくれても良くない?」


「そんなこと申されましても…実績も何もないんじゃぁ…ねぇ?」


「うぅ…」


「それに、何をされても"可愛い"って感情しか沸かないし」


「へぁっ!?」


「けどやっぱ実績がないってのが……」


「うぐぅっ!」


 泣きそうになったり驚いたり、かと思えばダメージ受けたり…大変そうで草。


「うぅぅ…私の反応で遊びやがってぇ…」


 あ、バレてたみたい。まあ笑いながら言ったら流石にバレるか。


「もう!何もあげずに異世界に放り出すよ!!」


「なんですって!?神様が脅迫なんてしていいのかー!!」


「うるさい!敬いの気持ちがないのが悪いんだ!天誅天罰神の裁き!」


 くっそ!ガタガタぐうの音も出ない正論ぬかしやがって!!正しけりゃいいってわけじゃねぇんだぞ!

 それはそれとして、特典欲しいから謝るけど。


「ゴメンネ」


「謝意が…敬意が足りないけど……許す。一回だけだよ」


「わーいありがとー」


「やっぱこのまま送ろっかな…」


 人の命を何だと思ってんだー!!

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