～無知に活き生く未婚の魂（たましい）～（『夢時代』より）

～無知に活き生く未婚の魂（たましい）～（『夢時代』より）

～無知に活き生く未婚の魂（たましい）～

　短い幻（ゆめ）から四肢（てあし）が伸び活き、思惑（こころ）の活動（うごき）が揚々散り生く幻想（ゆめ）の上気を噴散（ふんさん）して居た。白亜（しろ）い精神（こころ）に初春（はる）が吹くのは未知の具体（からだ）が呆（ぼ）んやり発（た）って、明日（あす）に色めく従者の嘲笑（わら）いが現行（いま）を見果てる陽気に依った…。―――、一夜（とばり）が降りない無造（むぞう）の柔らに〝不夜〟が目立てる〝悪しき〟を据え保（も）ち、白亜（しろ）い四季（きせつ）が揚々棚引く不要の孤独を延々知った…。一女（おんな）の前腕（うで）から実力（ちから）が発（た）ち尽（き）る無様（むよう）の主観（あるじ）は減退して活き、孤独に封じる暗黙（やみ）の傘下は音（おと）を発（た）てずにふらりと浮いた。浮いた矢先は女性（おんな）の墓場で無意識（いしき）に先取る幾様（きよう）の成果（かなた）は、無己（おのれ）の立場を不倫に伴う未想（みそう）の雲母に追随させ得た。…不倫の幸（こう）から暗（やみ）が冴え活き無活（むかつ）の旧巣（ふるす）を幻想（ゆめ）に問うのは、事始（こと）の界（かぎり）を明惑へ問い生く不幸の定めに相当して居る。一女（おんな）の禿冠（かむろ）を歩先（ほさき）に観るうち暗黙（やみ）の成果（せいか）は私闘に佇み、奥手を識（し）らない夢限（むげん）の長（ちょう）には〝梨の礫〟を散々観て居る…。事始（こと）に遮る悦（えつ）の恨みは精神（こころ）の目下（ふもと）へ精華を見納め、漆黒（くろ）い成果（かなた）を本気で安（やす）める無言の自然（あるじ）を認識して居る…。無謀に華咲（はなさ）く真夜（しんや）の主宴（うたげ）に未動（みどう）の定めを自然（あるじ）に観る時、精神（こころ）の許容（うち）から〝生（せい）〟を射止める不感の八頭（おろち）を随観（ずいかん）して居た…。純心（こころ）の概（おお）くに身重が掛かれる旧い〝見出し〟を延々相（あい）し、精神（こころ）の狭間（あいだ）で器用を相（あい）する気楼の如くを総身に識（し）った。幻（ゆめ）の手許を相（あい）する独理（ドグマ）は男性（おとこ）の傘下を気安（きやす）く見納め、大児（こども）の思惑（こころ）を見様（みよう）に呟く疲労の気色を散々識（し）った…。分厚（あつ）い身憶（みおく）を幻（ゆめ）に観るのが意図も容易く滑稽（おかし）な響きで、幻想（ゆめ）の地道に真面を相（あい）せる浮浪と幻見（ゆめみ）た自覚（かくご）の程には、明日（あす）の〝歪み〟が女性（おんな）を愛する「底上げ」程度の器量が在った。未完（みじゅく）を幻見（ゆめみ）た孤独の所以（ありか）は早々（そうそう）誤る望みを平らげ、夜半（よわ）に蔓延る概（おお）きな小人（こびと）を一幻（ゆめ）の宙（そら）から涼しく見下げて、白亜（しろ）い明日（あす）から次第に通れる無動（むどう）を意図した独創（こごと）の傘下は、駆逐ばかりに〝男性（おとこ）〟を連れ添う未完（みじゅく）の文言（ことば）を散々聴いた。孤独の大海（うみ）から無力を掲げる思乱（しらん）に添い得た真夏の景色は、孤独を相（あい）して独理（ドグマ）を屈（こご）める浮浪の感覚（いしき）を通算して居た…。

　温厚（あつ）い感覚（いしき）を目下（ふもと）に観ながら地道に咲き行く旧い日々には、人間（ひと）の四肢（てあし）が怒調（どちょう）を伴う過楼（かろう）の景色を散々観て居る。一幻（ゆめ）の相図（あいず）に夢限（むげん）を伴う孤高の感覚（いしき）は試算に優（すぐ）れず、旧い企図から充分動ける幻想（ゆめ）の便りは無頼に活き着け、明日（あす）の孤独を暗（やみ）に消し去る未想（みそう）の自然（あるじ）は減退さえせず、空虚を呼び付け空虚に従う安い衝動（うごき）に私算（しざん）を解（と）いた。白亜（しろ）い感覚（いしき）に気色を忘れる半端な門者（もんじゃ）は〝加減〟を見忘れ、純心（こころ）の小敗地（アジト）に腕力（ちから）を休める不浪（ふろう）の孤独は躰を創り、明日（あす）と現行（いま）との脆（よわ）い流行（ながれ）は自己（おのれ）の活命（いのち）を静々観て居た…。角度を知らない無造（むぞう）の描写に無己（おのれ）の孤独が幻滅して活き、逆さに振れども老人（ひと）を貶せる〝悪意の常識（かたち）〟は沈黙している…。明日（あす）への言霊（こだま）を手腕に乗じて幸先（さき）を忘れる〝気楼〟の調子は、孤独を培い孤独を射止める不様（ふよう）の所以（ありか）を上手（じょうず）に見納め、白亜（しろ）い上気に幻想（ゆめ）を識（し）らない虚空の主観（あるじ）は気分を見納め、孤独の水面（みなも）を揚々生育（そだ）てる無用に報せた生茂（せいも）の文言（ことば）は、幻（ゆめ）と大器（うつわ）を概（おお）きく見果てる私様（しよう）の音頭を矢庭に執った。精神（こころ）の翳りを尽す間際に一幻（ゆめ）を透せる無適（むてき）の合図は、小言に纏わる双（ふた）つの〝透り〟を減退しながら確認して居た。一女（おんな）の〝悪しき〟を正（せい）に採りつつ一男（おとこ）の真面目は感覚（いしき）を仕留めて、温厚（あつ）い気色を幻（ゆめ）に嵌め込む漆黒（くろ）い気色が揚々照り出し、気楼の狭間（あいだ）を駆逐して生く二重（ふたえ）に分れた〝暗夜（よる）〟の景色は、独創（どくそう）ながらに音を発てない不安の成就を小声（こえ）に観て居た…。精神（こころ）の嘆きを虚無に見るうち無断を欲しがる無屈（むくつ）の気色は、幻（ゆめ）の白紙（こころ）へ陽（よう）を射止める規矩の所以（ありか）を手懐け出した。人間（ひと）を毛嫌い現代人（ひと）を憎める無活（むかつ）に準じた俺の純心（こころ）は、陶器に透せる華奢を採り挙げ不純に併せる素描（すがお）を保（も）った。精神（こころ）の豊穣（ゆたか）に未想（みそう）を重ねる幻想（ゆめ）の御託は端正（きれい）を見忘れ、精神（こころ）の何処（どこ）かで「相（あい）」を求める〝不安だらけの虚空の暗（やみ）〟には、現行人（ひと）の形（かたち）が憎悪に蔓延る無様（むよう）の空城（くるわ）を解体して活き、白亜（しろ）い四季（きせつ）の立派の素顔は発音（おと）に縋れる領土を保（も）った。一幻（ゆめ）の準備に花瓶を投げ生く「陶器」に仕留めた一女（おんな）の気色は、一男（おとこ）の蔵（くら）から死期を覚（さと）れる未活（みかつ）の温度を上手（じょうず）に採り行き、独創（こごと）の傀儡（どうぐ）を未知に統（たば）ねる不毛の論理の理性（はどめ）の裏には、幻夢（ゆめ）の定形（かたち）が身欲（よく）に企む〝私算（しざん）〟の相図（あいず）を形成して居た…。…孤独を忘れる不意の相図（あいず）に、常盤の感覚（いしき）は努々（つとつと）弾めず、旧い寝言を精神（こころ）に靡かす虚空の様子は〝二重（ふたえ）〟続きで、一女（おんな）の様子と男性（おとこ）の様子を美識（びしき）に描（か）きつつ寝室（ねむろ）を割いた。五月蠅（あわ）い身欲（よく）から天界（かぎり）が奪われ、死相に揺らめく大樹の四季（きせつ）は、幻想（ゆめ）の独創（こごと）を概（おお）きく分け得る未想（みそう）の純度を構築して居た。漆黒（くろ）い躾が女性（おんな）を惑わせ男性（おとこ）の動作を鈍くするのは、暗（やみ）の感覚（いしき）にそのまま挙がれる不毛の〝明度〟の表れだった。一男（おとこ）の孤憶（こおく）に幼稚が発（た）つのは女性（おんな）の正義の正純故にて、分厚（あつ）い空壁（かべ）から経過（とき）が流行（なが）れる不動の感覚（いしき）の緩みに相（あい）せば、不問に片付く夜半（よわ）の寝言は幻（ゆめ）を見ぬまま座敷で割れた…。

　　　　　　＊

　…俺が夢の中を如何（どう）とでも扱える超能力者の様（よう）に成り、誰と何と対峙しても勝つ自信満々と言う内実を持って居た。魔太郎（またろう）が居た。心中で「魔太郎が来る」と二度程呟きながら砂利道のような道を歩いて居り、それでも少々魔太郎が来る事を恐れて居た。苗字を思い出せないで居り歯痒かった。大和武士の様（よう）な怪力・凶暴自慢の奴が現れ同行して居たが俺は超能力を持って居た為に殆ど恐れる事は無く、一緒に歩き、飲み会のような場所に行って居た。

　　　　　　＊

　精神（こころ）の空間（すきま）に後光（ひかり）が差し込み、幻想（ゆめ）の相図（あいず）はかたかた鳴らずに、事始（こと）に構えた時空の便りを宙（ちゅう）へ放（ほう）って感覚（いしき）を投げ遣り、未信の孤憶（こおく）を地上へ成らさず無名の孤独を延々識（し）った。未刻（とき）の行くまま地上に降り立ち「旧い木馬」を時空（そら）に見るのは、明日（あす）の傘下を自由に配する余暇の御伽の狂おしさに在る。一女（おんな）の孤独を啄む内から表情（かお）を見せない自然（あるじ）は独走（はし）り、宙（そら）の彼方へ自明を放れる九段（くだん）の主観（あるじ）は阿修羅を知った…。硬く成り生く不相（ふそう）の合間は唐突成らねど、不意を突かせぬ始動の凝（こご）りは宙（ちゅう）を観たまま無断に省み、明日（あす）の「如く」を今日へ見て生く旧い仮想の真実等には、幻覚（ゆめ）の自主（あるじ）が独創（こごと）へ失（き）え行く孤独の主観（あるじ）と相異無かった…。不装（ふそう）の自主（あるじ）が孤独に発（た）ち生く旧い主宴（うたげ）の問答等には、一男（おとこ）の気色が最果て実らぬ不覚の信途（しんと）を殊に破って、未知に撓（たわ）めた未読の条（じょう）には〝不相（ふそう）〟に逆らう常識（かたち）が在った…。孤独と相（あい）する幾つの発破は、俗世（このよ）に操（と）られた条（じょう）に伴い、幻夢（ゆめ）の〝葦〟から具現して生く未活の信仰（ルール）を古城に盛（も）った…。既憶（きおく）の条（じょう）には神秘（ふしぎ）が成り立ち旧い気色が次第に得るのは、幻（ゆめ）の輪廻（ロンド）が変化を報せる無刻（むこく）の譲渡に相異無かった。孤独の震えは四肢（てあし）を焚き付け〝葦〟の偶奇を即座に嘗めるが、未知の辛気（しんき）に信仰（まよい）を挟める無告（むこく）の情（じょう）から感覚（いしき）を保（も）った…。無己（おのれ）の自覚（かくご）に幻想（ゆめ）を省み、孤独の造作に眩んで生くのは、野性好きから一女（おんな）を仕留める〝向きの情（なさけ）〟にほとほと近い。男性（おとこ）の孤独を一女（おんな）に足らしめ暗（やみ）の感覚（いしき）を自由に保（も）つのは、自己（おのれ）の精神（こころ）に感覚（いしき）を保（も）ち生く個動（こどう）を撓（たわ）める幻（ゆめ）の微動（うごき）に展開（ながれ）を観た儘、旧い既憶（きおく）に旧（むかし）を見るのは、精神（こころ）の塒の主観（あるじ）でもある。一幻（ゆめ）の展開（ながれ）に未知を片付け孤独の「空地（あきち）」へ微動（うごき）を見るのは、少年（こども）の空から「宙（ちゅう）」を引き出す旧来（むかしながら）の微動（びどう）であった…。

　取り留めないまま無憶（むおく）を相（あい）する鼓動の傘下は自体（からだ）を結ばれ、狂句を欲する無用の朝日は過去に蹴上がる嫉妬を見て居た。既憶（きおく）の間際に幻（ゆめ）が表れ、現行（いま）と孤独に夢想（むそう）が発（た）つのは、自己（おのれ）の寝床に女性（おんな）が呼吸（いき）する無調（むちょう）の様子の残像でもある。寝室（ねむろ）に概（おお）くの亡霊が居て、女性（おんな）の気色を文言（ことば）に換え生く無想の芥（あくた）を想像し遣ると、白亜（しろ）い文句（ことば）が空間（すきま）を埋め生く一人（ひと）の素顔を描（えが）いて行った。男性（おとこ）の文言（ことば）に無理を通せぬ疲労の意味から幻想（げんそう）さえ成り、分厚（あつ）い空壁（かべ）には未憶（みおく）が募れる夢想（むそう）の進理（しんり）が堂々巡られ脆（よわ）い一女（おんな）の素描（すなお）の八光（おろち）は、無言に徹して御託を並べる、男性（おとこ）の精神（こころ）へ軽く通した夜半（よわ）の寝床を独歩（ある）いて行った…。人物（もの）を見ながら宙（そら）を仰いで、女性（おんな）の柔裸（やわら）に夢中を観て生く旧い正義を通底するのは、甲斐無く乗じる事始（こと）への真摯と脆（よわ）い孤独の常軌であって、一女（おんな）の眼（め）をした無言の〝火花〟は、俺の背に立つ無言の主観（あるじ）とそれほど化（か）わらず相対（あいたい）して居た…。孤独の描理（びょうり）と幻（ゆめ）への感覚（いしき）は、俗世（このよ）を劈く初春（はる）の独理（ドグマ）と相対（あいたい）しながら、明日（あす）への孤独を上手（うわて）に観て生く無想の適度と準じてあった。男性（おとこ）の下肢から一女（おんな）が産れて旧い譲渡は露夢（アクメ）を観ながら、幻想（ゆめ）の具体（からだ）を気楼へ突き出す思楼（しろう）の小敗地（アジト）は凡々（ぼんぼん）発（た）った。一女（おんな）の衝動（うごき）は小説仕立てで男性（おとこ）の自覚（かくご）を自慰に導く、白亜（しろ）い精神（こころ）を解体し果てる未想（みそう）の文言（ことば）を概（おお）きく投げ捨て、挨拶代わりに明日（あす）を幻見（ゆめみ）る概（おお）きな労苦をその目に知った…。分厚（あつ）い眼（め）をした無己（おのれ）の〝一連（ドラマ）〟は幻（ゆめ）の文句（ことば）を連続して採り、一女（おんな）の自覚（かくご）と自己（おのれ）の孤独を陽（よう）に引き裂き徘徊しながら、幻想（ゆめ）の安堵を両掌（りょうて）に遮る男性（おとこ）の信途（しんと）に追随して在り、幻覚（ゆめ）の譲渡と日々の実現（リアル）は無想に徹して独歩（ある）いて行った。孤独を幻見（ゆめみ）た滑稽（おかし）な男・女（だんじょ）は日々の創意に無断を見て取り、分厚（あつ）い流行（ながれ）に器用を見て取る事始（ことのはじめ）を準じて採りつつ、脆（よわ）い女性（おんな）を裏切る羞恥は、俺の精神（こころ）へ暗黙（やみ）を放れる擬態の温度が具体（からだ）を象（と）った。―――孤独に遊泳（およ）げる「日々」を忘れた夢想の連呼は、現（うつつ）を幻見（ゆめみ）て明日（あす）を煩う旧来独白（むかしがたり）の体温（おんど）を採って、俺の孤独に見守る集気（しゅうき）を孤独の連歩（れんぽ）に劈き入（い）らせた…。苦労を横目に段々活き尽（き）る無様（むよう）の発破は「段階」さえ識（し）り、明日（あす）の文言（ことば）に正体（からだ）を見て取る一女（おんな）の律儀を済し崩しにする…。…無陋（むろう）の掟を定形（かたち）に見ながら「日々の連呼」は文言（ことば）を彩（と）り活き、無己（おのれ）の勝手を幻想（ゆめ）に葬る漆黒（くろ）い自然（あるじ）は再現された。幻（ゆめ）の脆（もろ）さに白亜（はくあ）を観ながら大児（こども）の概（おお）くは無難に操（と）られて、五月蠅（あわ）い常軌を独創（こごと）へ置き去る無様（むよう）の心理を検算（けんさん）して居る…。一男（おとこ）から成る無情の刹那は精神（こころ）を透せる樞（しかけ）を知り付け、明日（あす）の孤独を和らげ始める人間（ひと）に象（と）られた滑稽（おかし）な脳裏は、幻（ゆめ）の発端（はし）から暴利を貪る日々の寝床を安泰させ得た。個録（ころく）に繋がる七つの歪曲（ゆがみ）は幻想（ゆめ）の脆（もろ）さに通底した儘、現代人（ひと）の現（うつつ）に憎悪を見守る厚手の奥義を確認して居た。琥珀の脚色（いろ）から一女（おんな）が生れて、一男（おとこ）の孤憶（こおく）は未亡を恐れて幻想（ゆめ）を襲った。白亜（しろ）い孤独を未知の行方に見詰めて居ながら、明日（あす）の孤独は電子に載り出し幻（ゆめ）への気迫を小声に識（し）った。一女（おんな）の具体（からだ）が過去に仕上がり男性（おとこ）の暗黙（やみ）から順々生くのは身許を成し得ぬ脆さであった。孤独の具体（からだ）へ未来（さき）を報せる孤独の刹那は曖昧ながらに夜半（よわ）の温度に記憶を捜せる徒労の純度に相応だった。孤独の人陰（かげ）から未知（さき）が挙がれる旧い兆しは具体（からだ）を脱ぎ捨て、身欲（よく）を脱ぎ捨て女性（おんな）を相（あい）せる萎びた信仰（めいろ）は無情を識（し）った。男性（おとこ）の小言（ことば）は夜半（よわ）に発する…。

　一女（おんな）の宮（かど）から孤憶（こおく）が仕上がり陰府（よみ）の内（なか）まで気楼を見遣るは、明日（あす）の理性（はどめ）に活命（いのち）を見棄てる「孤独の王者」の推奨である。児（こども）の術（すべ）から宙（そら）を幻見（ゆめみ）て一重（ひとえ）の身軽を既知に詠むのは、幻想（ゆめ）の一体（からだ）を微妙に切り取る白亜の葦への常套だった。幻（ゆめ）の界（かぎり）を私闘に観ながら夜の地道を女性（おんな）に観るのは、孤独を信じて男性（おとこ）を見捨てる一女（おんな）の自然（あるじ）の王手であった。―――、女性（おんな）の禿冠（かむろ）を脱ぎ捨てながらも暗夜（よる）の旧巣（ふるす）を上手（じょうず）に観るのは、精神（こころ）の大器（うつわ）を自主（あるじ）に観て生く不毛の調子に相対（そうたい）して居た…。無刻（とき）に準じて未刻（とき）に従う幻想（ゆめ）の男・女（だんじょ）は気楼を看破（みやぶ）り、明日（あす）の一定（さだめ）を未踏（みとう）に識（し）らない幻（ゆめ）の八光（おろち）に分体（ぶんたい）して居た。精神（こころ）の底から幻（ゆめ）を失くせる私闘の滅びは束の間成れども、鬼畜の匣から好機が出るのは無造（むぞう）の弄（あそ）びに通底して居た。人間（ひと）の文言（ことば）を良く良く知りつつ無信（むしん）の孤憶（こおく）を独理（ドグマ）に観るのは、無想の匣から精神（こころ）を揺さ振る父性（ふせい）の葦への追悼だった…。一女（おんな）の孤独を思惑（こころ）に秘め得た幻想（ゆめ）の自覚（かくご）は延々在れども、夜半（よわ）を視（め）にする苦行の独語（かたり）は未（いま）を追い駆け宙（そら）へ解（と）け込み、明日（あす）の空虚を煩う間（あいだ）に〝無視〟を掴める男・女（だんじょ）の交響（ひびき）は、虚空（そら）の許容（うち）から未然を表す神秘（ふしぎ）の文言（ことば）の延長だった。厚い過去から無音に切り裂く不義の晴嵐（あらし）は堂々巡りで、幻（ゆめ）の精神（こころ）に駆逐して行く白亜（しろ）い孤独は悶々すれども、独歩（ある）いた果（さ）きから夜半（よわ）が近付く不浪（ふろう）を意図した男・女（だんじょ）の決死は、幻想（ゆめ）の〝火花〟を向日へ見て行く旧い衝動（うごき）に相当していた…。男性（おとこ）の孤憶（こおく）が宙（そら）を見上げて苦境を掌（て）にする魔界を保（も）った。一女（おんな）の孤憶（こおく）が段々透れる旧い水面（みなも）の気色の内には、分厚（あつ）い自覚（かくご）の白亜（しろ）い「日蓋（ひぶた）」が過保護を呼び込み安定して居た…。

　孤独を掌（て）にする幻想（ゆめ）に纏わる未覚（みかく）の杜には、苦労ばかりを人間（ひと）に留（と）め得る孤高の人途（じんと）が〝決死〟を決め込み、明日（あす）の許容（うち）から「昨日」へ飛び込む苦行の〝旧巣（ふるす）〟は自覚（かくご）を認（みと）めた。―――、一女（おんな）の体が美麗を携え陽日（ようび）を数える人途（じんと）の許容（うち）では、昨日に企み幻（ゆめ）を相（あい）する「女性（おんな）の主宴（うたげ）」が御馳走だった。過酷の日々から揚々気取れる〝独歩〟の所以（ありか）は悶々しながら、陽（よう）を掌（て）に取る孤独の末路に男・女（だんじょ）を遺棄する強靭（つよ）さが表れ、旧い千夜（とばり）が轟々唸れる人間（ひと）の具体（からだ）の一本道から、〝陽（よう）〟を採れない朧の〝上手（じょうず）〟が地上に降（お）り立ち神秘（ふしぎ）を彩（と）った…。

　　　　　　＊

　…階段が大きく、又長く続く水色っぽい門構えをした呑み処のような場所であり、俺はそこでも、何時（いつ）か魔太郎が来ないかとずっと気にして居た。来る前に、魔太郎に、魔太郎に何時（いつ）もちょっかいを出す眼鏡面（めがねづら）のひょろ松に、「魔太郎にちょっかいを出して遣られて来い」と指図して居た為である。又、長く、幅の大きな陸橋の様（よう）な場所を、とんねるずの石橋とずっと歩いて居た。石橋は世の中の権威の象徴だった。何時（いつ）、誰が自分の所へ来ても、能力を以て勝てる自信が在った。

　　　　　　＊

　生憶（きおく）の最中（さなか）を巡行しながら四季外（きせつはず）れの軍服調から、未知に導く旧い〝主宴（うたげ）〟は孤独を乗り越え主観（あるじ）を知った。無刻（とき）に仕留める人間（ひと）の要（かなめ）は、未知を識（し）り貫（ぬ）く阿漕を買った。苦労性から一幻（ゆめ）が仕上がる無為の孤独は杜撰に落ち着き、幻想（ゆめ）の時刻（とき）へと未来（さき）を導く不相（ふそう）の小敗地（アジト）を揚々識（し）った。不問を想わす夷敵（いてき）の進歩は不夜の許容（うち）から上々顕れ、虚空（そら）を見下げる異国の音頭を早々仕留める未来（みらい）を識（し）った…。幻（ゆめ）の許容（うち）から無頼に見果てる無想の自覚（かくご）は前途を見渡し、明日（あす）の孤独に人間（ひと）を観て生く不浪の孤独を揚々識（し）った…。孤独の主観（あるじ）と対峙しながら見様（みよう）の感覚（いしき）は不真面目ながらに、孤独を変じて揚々保（たも）てる白亜（しろ）い感覚（いしき）に落ち度を観て居た。孤踏（ことう）を遮る未屈（みくつ）の谷では遍く賛美が呼吸を調え、未知に着飾る不要の感覚（いしき）は通底し得ない浮浪と成った。文言（ことば）通りの感覚（いしき）を整え遍く大海（うみ）から嗣業が発（た）つのは、旧（むかし）に概（おお）きく呼吸して居る夜半（よわ）の主観（あるじ）の愚問であった。…男性（おとこ）と一女（おんな）の孤独の主観（あるじ）を日々に幻見（ゆめみ）て努々（つとつと）鳴るのは、自己（おのれ）の感覚（いしき）に可細（かぼそ）く煩う未定の感覚（いしき）に相異を持たない…。幻想（ゆめ）に見紛う孤高の界（かぎり）が母性（はは）の具体（からだ）を先導するのは、自然（あるじ）の寝床を貴重に観て生く不悶（ふもん）の〝如く〟を超越して居る。一女（おんな）の気色を自然（あるじ）に観て生く〝不悶峠（ふもんとうげ）〟の宮（みやこ）の頭上（うえ）から、矢庭に概（おお）きく言霊（こだま）を擁する無知の桜を肢体（したい）に見るのは、幻（ゆめ）の余韻（あまり）に伝手を失くせる旧い自主（あるじ）を無様（むよう）に紐解き、文言（ことば）を託せる〝無知の哀れ〟を地鳴りに届ける、私闘の歪みに協力して居た…。一男（おとこ）の言（げん）から不当に迷わす旧い水面（みなも）が宙（ちゅう）を活き過ぎ、孤独を吟じて魅了を圧する正義の要（かなめ）は男・女（だんじょ）へ寄り付き、事始（こと）を確かめ〝雇用〟を相（あい）する無用に秀でる無傷の柔らは、愚痴を携え無根に死に生く旧い〝正義〟の現れだった…。

　　　　　　＊

　…魔太郎と対峙した時用のシミュレーションを頭の中で何度もして居た。呑み処では俺の横に〝何時（いつ）もの俗悪人〟のような人が座って居た。これ等の様子を書き写すのに四百字詰め原稿六、七枚程は費やしそうだった。形有る物何時（いつ）かは崩れる、それを言った者を夢の内では思い出し、それでも宴席に座って居た。結局、魔太郎は来なかった。

　　　　　　＊

　女性（おんな）の具体（からだ）は紆余々々（うようよ）流行（なが）れて、常盤に住み生く悪魔を飼い出し、男性（おとこ）と「俺」との密かな空間（すきま）を微妙を観るほど確かに仕分けて、分厚（あつ）い生活（かて）から脚力（ちから）を見出（みいだ）す〝不良〟の労気（ろうき）を追算（ついさん）して居た。一男（おとこ）の孤独が陰府（よみ）を見出（みいだ）し分厚（あつ）い空壁（かべ）から未知（さき）を観るのは、無己（おのれ）の無知から〝微妙〟が遠退く厄介払いが常套とも成る。自己（おのれ）の孤独を夜雲へ泣き捨て未知（みち）の集成（シグマ）を無駄に着るのは、無己（おのれ）の脆弱（よわ）さを追討して生く過酷の音頭の〝囲い〟であった。…白亜（しろ）く濁れる現（うつつ）の幻想（ゆめ）から、俺の肢体（からだ）は透って行った…。愛する女性（おんな）の表情（かお）さえ忘れて、毛嫌う「奈落」へ落ちて往（い）くのを余程の自覚（かくご）で蹂躙して居た…。一女（おんな）の孤独を相（あい）して居ながら、俺の孤独は暗黙（やみ）へと準じ、白亜（しろ）い人煙（けむり）に蝶が飛ぶのを愛する女性（おんな）と共に描いた。記憶を辿れる一女（おんな）の所以（ありか）を極力惜しまず宙（そら）を省み、〝向日〟に尽きせぬ「始終の主宴（うたげ）」に大児（こども）が拡がる予感を識（し）った。幻（ゆめ）の孤録（ころく）へ刻（とき）を見捨てて孤高に活き得る未練を退（の）ければ、熱い信仰（めいろ）が散々蠢く不通の傀儡（どうぐ）を具体（からだ）に識（し）った。無己（おのれ）の独創（こごと）を散々無視して暗黙（やみ）の縁（ふち）へと不毛を見入れば、烈しい佳日の奇譚の追随等には私闘に間見（まみ）える紅差（あかさ）が在った。白紙（こころ）に見据える無休の頭上（うえ）では無己（おのれ）の自覚（かくご）を杜撰にした儘、暗黙（やみ）の脆弱（よわ）さを想定して生く…。不活（ふかつ）に飛び交う無己（おのれ）の感覚（いしき）は旧い独理（ドグマ）を言い掛かりにして、幻（ゆめ）の感覚（いしき）と自己（おのれ）の感覚（いしき）に精神（こころ）を伴う現実さえ観た…。相（あい）する友の為にと、旧い大児（こども）が拡がり死んだ…。愛する女性（おんな）を理想に掲げて、幻（ゆめ）の現（うつつ）に見切りを付け活き、俺の肢体（からだ）を操る自然（あるじ）は無党（むとう）を伴う幸福さえ観た。脆弱（よわ）い精神（こころ）を地上に擡げて身軽（かる）い気儘へ澄んで行くのは、身軽（かる）い気色に夜半（よわ）を観て生く旧い王佐に君臨して居た。幻想（ゆめ）の独創（こごと）に概（おお）きく遭うのは、未曽有に捧げた大麻であった。螽斯が鳴く虚空の主宴（うたげ）に岐路を保（も）つのは、洗い浚いに許容を見出す「不応（ふおう）」に迫れる琥珀であった…。

　未審（みしん）の人陰（かげ）から前進して生く旧く大きな人間（ひと）の鏡は、無名を企図して酒宴（うたげ）に発狂（くる）える未知の自分の白体（はくたい）だった。事始（こと）の過去へと概（おお）きく進める未曾有の自然（あるじ）の陽（よう）の繁りは、成人（おとな）に見得ても児（こども）へ懐かぬ不装（ふそう）を信じる虚無から成った…。孤独の人陰（かげ）から〝無人〟が零れる不応の悪魔に女性（おんな）が跳び発（た）ち、白亜（しろ）い気色に悶絶して生く旧い四季（きせつ）は翻（かえ）って行った。孤独の構図を次第に象る夜半（よわ）の寝屋から広さが具わり、泡沫（あぶく）の音色（ねいろ）へ義人（ひと）が零れる白亜（しろ）い気色に小言を置いた。幻想（ゆめ）の独創（こごと）を絢爛豪華に、夜半（よわ）の寝床へ持ち生く儘にて、素人気張りの未空（そら）の相図（あいず）は素知らぬ貌（かお）して意識と消えた。文言（ことば）の軽みに嗣業が織り成す旧い「寝床」は夜半（よわ）の間（ま）に間（ま）に、架空の描写で感覚（いしき）を撓（たわ）める脆弱（よわ）い自覚（かくご）は具体を採った。一女（おんな）の許容（なか）から一男（おとこ）が通える不通の主観（あるじ）は無類を着せ替え、挨拶代わりに凍え（こえ）を発（た）てない旧い生気は苦力（くりょく）を物（もの）にし、厚い空壁（かべ）から温度を冷ませる無表（むひょう）に間近い孤独の流行（ながれ）は、事始（こと）に暫く概（おお）きく構える未来（さき）の同調（しんぱ）を妄想している…。無情に過ぎ生く狭い勝手が文言（ことば）の流行（ながれ）に概（おお）きく仰け反り、白亜（しろ）い人煙（けむり）に義人（ひと）が活き生く不装（ふそう）の相図（あいず）は界（かぎり）を観て居た。女性（おんな）の孤独が一体（からだ）を纏める羊の〝塒〟は不問に追われて、幻想（ゆめ）の自然（あるじ）が明日（あす）へ煌（かが）やく気楼の〝合図〟を真横に彩（と）った。無己（おのれ）の肴（さかな）を目的（あて）にしながら奇妙の流行（ながれ）に人体（からだ）を観て活き、苦労に絶えない幻（ゆめ）に覗ける不安の自主（あるじ）は、一女（おんな）の仕種を勝手に看破（みやぶ）る浮浪の相図（あいず）を両手に振った。漆黒（くろ）い気色を両眼（りょうめ）に見るうち無音の羽音（はおと）は人から零れて、「正体（からだ）」を相（あい）する〝無論の相図〟は呼吸を着ながら後世（あと）へと延（ひ）いた。灰色から成る無適（むてき）の〝相図〟が義人（ひと）を留（とど）める自然（あるじ）の裾にて、旧い気色に魅惑を忘れる鈍（にぶ）い界（かぎり）を堂々観ながら、無己（おのれ）を相（あい）する無口の暗黙（やみ）には〝未知〟へ先立つ野心が去った…。

　　　　　　＊

　…自分で急いで清（すが）しさを求めて居た。誰が笑うにしても襲って来るにしても能力の故に心強かった。能力の故に、石橋と話す時でも自分のペースに持ち込めて、大抵何でも言えて居た。三つ編みの業とらしい聖処女を疎ましく思え、アルバイトばかりして居たレトロ・都会の純粋無垢な少年に応援して居た。…教会では誰もに渡るプレゼントのような物を用意して居た。

　　　　　　＊

　…小声（こえ）を発する純粋無垢から少年（こども）が現れ未開を執り成し、少女（おんな）の瞳（め）に発（た）つ感情（こころ）の概（おお）くを無心に射止める独気（オーラ）を識（し）った。踵を鳴らして独歩（ある）く都会に、少年（こども）の両眼（まなこ）は大きく気取られ、歯牙（しが）無い〝弄（あそ）び〟に無審（むしん）を頬張る幸先（さき）を見果てぬ〝無論〟の日（ひ）の掌（て）は、転々（ころころ）空転（ころ）がる宙（そら）の果てから一女（おんな）ばかりを仕立てて在った…。虚空の交響（ひびき）を見忘れながらに旧い四季（きせつ）は〝護り〟を緩めて、弄（あそ）び疲れた無言の誤差から真昼に認（みと）める活気を贖い、拝する両眼（まなこ）を危うく観て居る「昨日の所以（ありか）」を充分知った。一女（おんな）の〝日（ひ）の掌（て）〟は底儚いまま未来（さき）へ咎める「往路（おうじ）」を見渡せ、無類の生憶（きおく）へ暫く居座る無言の巨躯から電音（でんおん）さえ聴く…。白亜（しろ）い気取りに嗚咽して生く未知（みち）の琥珀は気楼へ流行（なが）れて、分厚（あつ）い宙（そら）から電気を識（し）るのは無応（むおう）に独走（はし）れる女性（おんな）であった。一男（おとこ）の文言（ことば）を死相に観て活き鈍（くも）った両眼（まなこ）に既知を観るのは、児（こども）の時からすんなり変らぬ未曽有の表面（おもて）の界（かぎり）であった。人界（あるじ）の孤独に幻想（ゆめ）が表れ、宙（そら）の目下（ふもと）へ自然（あるじ）が立つのは、無機に震える未覚（みかく）の進歩の奇怪に纏わる無想であった。「未開」を取り巻く無己（おのれ）の〝進歩〟に塒を取り巻く不快が表れ、精神（こころ）の小敗地（アジト）へ則り始める不様（ふよう）の晴嵐（あらし）を可笑しく観て居た。無心（こころ）の嘆きを奇妙に見るうち純心（こころ）の補足を「限度」に見るのは、無知の柔らに奇怪を撓（たわ）める葦の元気の活性だった…。

　既に個録（ころく）が真横を練り出し、分厚（あつ）い〝暦（こよみ）〟を人家に識（し）った…。

　無活（むかつ）に見果てる脆弱（よわ）い孤憶（こおく）は無残に纏わる神秘を求めて、不敗に乗じる人間（ひと）の感覚（いしき）を「無造（むぞう）」に徹して踊り歩いて、…俗世（このよ）の文言（ことば）を未来（さき）に見得ない不応の自然（あるじ）へ開眼するのは、無屈（むくつ）に倣える病魔の感覚（いしき）と孤独の上手（じょうず）の合いの子だった…。苦心して生く孤独の人から「俗世（このよ）の活き血」を具体（からだ）に換え出し、魅力ばかりを人間（ひと）に集める不義の感覚（いしき）に身乗りを憶え、明日（あす）の朝から安心（こころ）に寄り付く無応の意識の停滞等には、無己（おのれ）の容姿（すがた）をすっかり失くせる無様（むよう）の晴嵐（あらし）を連携させ得た。―――孤憶（こおく）を牛耳る人間（ひと）の涙に、禿冠（かむろ）の光明（あかり）は散々散った…。精神（こころ）の許容（なか）から無残が居座る都会の活気が凡庸（ふつう）を見送り、人間（ひと）の成果が如何（どう）にも象（と）らない〝旧い往路（おうじ）〟の安定等には、涼風（かぜ）が吹き込む緩い既憶（きおく）の体裁ばかりが調達され得た…。未刻（とき）へ懐ける不動の集成（シグマ）は〝好い人〟ばかりに未婚を押し付け、幻（ゆめ）を越え生く人身（からだ）の総ては無婚（むこん）を操る条理を採った…。人間（ひと）の総身（からだ）が宙（そら）へ畳まれ不応の自主（あるじ）に美声（こえ）を聴く頃、無理を通さず孤独を相（あい）せる不審の自然（あるじ）を優遇して居る。独創（こごと）の概（おお）くが女体（にょたい）を狩り出し自己（おのれ）の感覚（いしき）を永久（とわ）に観る頃、無像（むぞう）の進度（しんど）に呼吸して生く不定の分業（ノルマ）を悪意に知った。驚く幻（ゆめ）から未聞（みぶん）に知れ行く幻（ゆめ）の条理に利損（りそん）が付く内、幻想（ゆめ）の文言（ことば）に概（おお）きく芽を出す旧い〝体裁（かたち）〟は詩吟を聴きつつ、不惑（ふわく）の一幻（ゆめ）から覇気を観て生く不当の自主（あるじ）はげんなりしてから、脆弱（よわ）い女性（おんな）の愛の許容（なか）から無言に識（し）れ得る好機を知った…。脆弱（よわ）い女性（おんな）を愛する男は、虚空の正義に見る見る解（と）かれて、争わない儘〝女性（じょせい）〟を護れる憂いの所以（ありか）を純心（こころ）に知った。精神（こころ）の過憶（かおく）を掬いながらも奇妙な感覚（いしき）を遠方（とおく）に見ながら、漆黒（くろ）い輪廻（ロンド）を運んで行け得る幻想（ゆめ）の実力（ちから）は随分盛（さか）り、明日（あす）の一通（とおり）を〝御殿〟に看破（みやぶ）る孤踏（ことう）の労苦は大層だった。白亜（しろ）い景色に女性（おんな）を観ながら精神（こころ）の準備は不悶（ふもん）を練り出し、幻（ゆめ）の純心（こころ）を遠方（とおく）へ置き遣る未想（みそう）の輪廻（ロンド）は華々しく散り、俗世（このよ）の概（おお）くを具体（からだ）に望める不安の要素は解体されつつ、不倖（ふこう）を片手に理性（はどめ）を望める俺の同調（シンパ）は自然（あるじ）に冷めた。幻（ゆめ）の気色に順繰り送れる俗世（このよ）の主観（あるじ）は凡庸ながらに、女性（おんな）の安堵を小手に見て取る不幸の様子は未刻（とき）へ狭まり、白亜（しろ）い純心（こころ）に育つ残骸（むくろ）は無心（こころ）の暗黙（やみ）から密かに上がれる…。〝蝙蝠傘〟から未知に辿れる男性（おとこ）の労苦は気儘に緩まり、一女（おんな）の流行（ながれ）へ未知を割くのは安い活気の哀れと識（し）り付け、不定愁訴の延びの内（なか）から端正（きれい）に流れる無垢の生憶（きおく）は、千夜（とばり）を忘れた旧い軒夜（のきよ）の〝文言（ことば）〟の整理に短命だった…。一女（おんな）の文句（ことば）は宙（そら）に咲き得る諸星（ほし）の程度に概（おお）きく散らばり、白亜（しろ）い〝俗世（このよ）〟を大きく見守る〝向き〟の四季（きせつ）にふらふら寄っては、枯渇を相（あい）した文言（ことば）の面（つら）から〝男・女（だんじょ）〟の様子が四方（よも）に散らばり、男性（おとこ）と一女（おんな）の無垢の一夜（いちや）を不適（ふてき）に変じて遁走して居た。形成（かたち）を追わない旧い成果は幻想（ゆめ）の界（かぎり）に自慢を着出して、分厚（あつ）い精神（こころ）に魅惑を講じる寝屋の目下（ふもと）に男・女（だんじょ）を従え、無己（おのれ）の気持ちに無垢を着飾る不要の晴嵐（あらし）に前進する後（のち）、〝不安要素〟は勝手に仕舞える宙（そら）の文言（ことば）を遠方（とおく）に識（し）った…。分厚（あつ）い空壁（かべ）から無言を聴き取る夜目（よめ）の暴嵐（あらし）は不忠に独歩（ある）けて、一定（さだめ）知らずの愚痴の概（おお）さは蒼い一形（かたち）を人に収めて、神秘（ふしぎ）を見守る旧い進度（しんど）は白亜（しろ）い景色に〝不安〟を観る内、旧（むかし）の孤独を男児に見て取る俗世（このよ）の定律（おきて）を日（ひ）の掌（て）に観て居た。男性（おとこ）と一女（おんな）の過去の許容（なか）から旧い正義は至純（しじゅん）に捕われ、道を独歩（ある）ける「孤独の睡魔」は許容（うち）を識（し）るまま無謀を気取れる…。孤憶（こおく）を過ぎ去る男性（おとこ）の正義は無心に弄（あそ）べる〝男・女（だんじょ）〟を侍らせ、旧い過程（さなか）へ人が逝くのを俗世（このよ）の総理（すべて）に暗算しながら、幻（ゆめ）と精神（こころ）で〝向日〟を相（あい）せる夜毎の愛撫に大きく出て居た…。分厚（あつ）い生憶（きおく）に幻（ゆめ）が発（た）つ内、不毛の自然（あるじ）は輪廻（ロンド）を見忘れ、独歩（ある）き始めた未活（みかつ）の幻（ゆめ）には男性（おとこ）の正義が独走（はし）って行った。苦労話に華が咲くうち未覚（みかく）の愛撫は論究し始め、事始（こと）へ懐ける無断の家屋が日々に解（と）け入り三日月（つき）を観るのも、俗世（このよ）に収めた丸い果実は無心を通して認（みと）めて在った。

　　　　　　＊

　イチ…ゴ…ロ…△□▽◎…こ…こ…あ…あ…み…し…き…い…そ…わ…ん…ろ…い…き…い…あ…し…く…み…し…ん…あ…そ…た…め…ま…く…ん…し…と…ほ…の…も…お…きく…みち…お…ん…な…あ…は…す…め…き…く…さ…せ…に…ぬ…ね…め…ひ…ふ…あ…へ…ほ…ん…う…と…え………

　　　　　　＊

　暗（やみ）の一路（ルート）を改竄しながら〝気楼〟の要素は界（かぎり）を観て生き、幻（ゆめ）の果（さ）きから故郷を見守る旧い葦へと未活（みかつ）を遣った…。昨日の初歩（いろは）に同元（どうげん）さえ在り旧い孤独を自由に見て取る、温床破りの篩の許容（なか）から未知に解（と）け生く気楼が二重（かさ）なり、男・女（だんじょ）の総理（すべて）に未活を求める事始（こと）に概（おお）きな私算（しざん）は成った…。家屋ばかりが打算に発（た）つうち幻（ゆめ）の刹那は期待を拵え、俺の背中へ〝女性（おんな）〟が敷かれる身欲（みよく）の愛撫は生純（きじゅん）を識（し）った。事始（こと）に構える総ての懺悔が不毛に見得生く操舵の軌跡は、幻想（ゆめ）の夜毎に大きく見守る不安の疾駆が遁走していた。脆弱（よわ）い四季（きせつ）が律儀を捉える幻想（ゆめ）の宙（そら）では泡さが拡がり、不倖に懐ける孤独の要素は女性（おんな）の安堵を遁々（とんとん）観て居た。端正（きれい）な眼（め）をした日々の〝安堵〟は安（やす）む間も無く未知（さき）に仕上がり、扶養に着飾る具体の総てに幻（ゆめ）を設ける生純（きじゅん）を観て居た…。孤独の概（おお）さに首を傾げる一女（おんな）の勝手を理算（りさん）に整え、幻（ゆめ）の許容（うち）から概（おお）きく見限る〝不利〟を徹した女性（おんな）の内（なか）では、無口に宿れる旧い砂面（すなも）を何度も眼（め）にして、未活に揮える司祭の主観（あるじ）は〝事始（こと）〟に仰け反る王手を採った…。純心（こころ）の信仰（まよい）に未知を見るうち無用の孤独を拡げて生くのは、無己（おのれ）の無活（むかつ）を底上げして生く不審の安堵に衒って在った。

　無口に育む未信の一幻（ゆめ）から暗黙（やみ）に掲げる波浪が吹き出し、通り相場に一灯（あかり）が漏れるを一女（おんな）の優雅に解体するのは、「同元坂（どうげんざか）」から自己（おのれ）を気取れる不活（ふかつ）の一途（いっと）に逆上（のぼ）って在った…。

　未知（さき）の幻想（ゆめ）から〝家畜〟を呼び出す旧い気色の音波（なみ）の上には、男性（おとこ）の一体（からだ）に余世（よせい）を鈍（くも）らす不意の純度が概（おお）きく延び活き、空の下では旧い小敗地（アジト）が女性（おんな）を逃れて現行（いま）へ来た儘、…未屈（みくつ）を識（し）り行く最後の勇気は男・女（だんじょ）に懐ける活命（いのち）に在った―――。（交完（こうかん））