異世界転生者、可能性を信じて前に進む
@kurokuro11223344
第1話 転生者
「ここは何処だ?」
見渡す限り白一面の世界、長時間いると頭がおかしくなりそうなほど白い。
「そうだ、俺は歩道を歩いていたのにトラックが突っ込んできてそれから・・・」
「あまり自分の死の瞬間を思い出そうとするな」
後ろの方から声がした、色々な声が混じった声。
「あなたは誰ですか? ここの住民とか?」
「そんなわけないだろう、私は『神』だよ」
神、普段なら嘘だと一蹴できるが今回は状況も相まって本当に聞こえる。
「何を司っている神ですか?」
「”運命”かな」
「ということは俺の将来の嫁とか分ったりするんですか!? 答えてください!!」
俺がそういう運命ならわかるハズ。
「分からない、そもそも私はこの世界に生まれ落ちた生命に『運命の鎖』を掛ける役割だ、だから私は運命を司っているのだ。つまり君の将来の伴侶とかは知らん」
「そうか・・・、まぁ自分の運命が分かるのはつまらないからね」
「にしても何故お前はすぐに生まれ変わるていで話しているんだ?」
「え・・・、自分漫画を読んでいまして、こういう展開だと大体異世界に生まれ変わると学んだんです」
「そんなこと考えてるからトラックに突っ込まれるんだよ、まぁお前の読み通り今からお前を異世界に転移させる」
もしこんなことがおきたらなぁーとは思っていたが、まさか本当に起きるなんて・・・。
「異世界転移に当たって一つ重大なことを伝える」
「な、なんですか?」
何を伝えられるのだ俺は!?
「渡せるものはない、すまん」
突然すぎて思考が5秒くらい停止した気がした。
「・・・どういうことですか?」
「最近お前の他にも転移者、転生者が増えてきてな、いままでなら神の武具やらなんやら渡せたんだが、多すぎてもう渡すものがないんだ、申し訳ない」
なるほど、納得は出来んが理解はできる。
「じゃあなにかすんごいスキルとかはないんですか?」
「勘違いしているようだがスキルとは本来、人の強い思いと鍛え抜かれた力が世界を覆う『魔素』と融合したものなのだ、だからすんごいスキルなどは無いに等しい。お前の世界でいうとすんごいスキルはその道を極めた者のもつ完成された技術と思い、そんな感じだ分かったか?」
「は、はい・・・」
やはり漫画が異常だったんだ、たまに「これは流石に強すぎだろ」って思うようなスキルとか出てきたりするけど、確かにそんな簡単につよつよスキルが出てきたら世界終わっちゃうな。
「じゃあどうやって俺は無能力で異世界を生きていくんだ・・・」
「異世界はお前の生きていた世界とは違うファンタジーな世界だ、肝心なのは前向きに生きること、まだ終わりは決まっていないんだ」
そう言って神は俺のことを励ましてくれた、俺は何とかマイナスな気持ちを振り払えた。
「・・・今から運命の鎖を掛ける、この鎖によって人は運目に縛られることになるが、けっして運命からは見放されなくなる、自分という存在を認識し、今の自分にできることをすれば鎖は縛る『呪い』から導く『祝福』に変わる、忘れぬよう新しい世界で存分に励め」
「ありがとうございます! あ、そういえば名前なんて言うんですか?」
「私は運命を司る神・ベルクルドだ」
そう言うと俺の足元に魔法陣らしきものが展開されていく、そして青白い光が俺をつつみ込み、魔法陣の中に入って行った。
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