第11話

******



「おはようございます、優香ゆうかさん」


 待ちに待った、有給休暇の日。

 わたしは興奮のあまり、寝不足だった。しかも、朝の9時という早い時間から優香さんの家にお邪魔する始末。飢えているの、丸わかりである。


香菜江かなえさん、いらっしゃい。ごめんね、こんなに早く来るとは思わなかったから、まだお洗濯とかの途中で」


「すみません、早く来すぎちゃいました。邪魔になりそうでしたら、その辺で時間潰してきます」


「ううん、こっちこそ。香菜江さんが来てくれるのわかっていたのに、早めに家事を済ませておかなくってごめんね。あがって待ってて?」


 優香さんは玄関のドアを開け、中へうながしてくれる。

 わたしは彼女の好意に甘え、待たせてもらうことにした。


 ……もう優香さんのお宅にもたびたびお邪魔しているので、見慣れたものだ。どこに何があるのかも把握してしまっている。なんなら、直近の土日にも遊びに来てるし。我が家同然にくつろげる。


「家事、お手伝いしますよ」


「だめよ。香菜江さんはお休みの日なんだから、ゆっくりしてて? それに、お客さんに手伝わせるなんて……」


 優香さんが慌ただしく洗濯物を干しているのを見て声をかけてみたが、やんわりと断られてしまう。居間からは裏庭が見通せるので、優香さんの働きぶりがよくわかる。二人暮らしの洗濯物はさほど多いようには見えないので、わたしと分担してやればさっと終わるはず。


「客扱いされるほうが、悲しいですよ。それにほら、家事だって夫婦で分担するものじゃないですか」


 わたしは、優香さんが出してくれたお茶を飲み干してから、裏庭におどり出た。

 優香さんは申し訳無さそうな顔をしていたが、強引に彼女の手から洗濯物を奪い取る。そして、物干し竿に手際よくかけていった。


「ありがとう、香菜江さん。香菜江さんってやたら積極的なときがあって……そういうとこ、好きよ」


「え? 家事が早く終われば、その分たっぷりイチャイチャできると思っただけですよ」


「ふふ、香菜江さんらしいわね。じゃあ、一緒にしましょうか」


 わたしは頷き、洗濯かごから衣類を手に取る。そして、失態に気付くこととなる。


「こ、これは優香さんの……。でっか」


 掴み取ってしまったのは、優香さんのブラジャー。わたしがつけているものとはてんで違う。もはやそれはブラジャーではない何かなのではないか、って思ってしまうほど大きいものだった。

 服越しで揉んだときも大きいとは感じていたが、予想を越えるサイズだ。わたしは優香さんのブラジャーを広げ、しげしげと眺めてしまっていた。


「ちょ、ちょっと! それだめ!」


「はっ。すみません、つ、つい……」


 どうせこの後じっくり見させてもらう予定だが、洗濯物を凝視するのも失礼か。わたしは素直に、優香さんにブラジャーを渡した。となると、洗濯かごには優香さんのパンツも入っているわけか。急に、お宝ボックスのように見えてきた。


「香菜江さん。洗濯物は私がやるので、台所のお掃除お願いね」


「あ、はい」


 優香さん、有無を言わさぬ目つきと口調だったので、わたしは首を縦に動かすことしかできなかった。

 尻にかれる旦那の気分だが、これはこれで良いものだ。




******



「ふぅ。二人でやると、やっぱり早いわね。香菜江さん、おつかれさま。助かっちゃった」


「いいんですよ。他に手伝えることがあればなんでも言ってください」


 10時。

 家事が一段落つくと、居間で足を伸ばすのんびりとした時間が始まった。


「香菜江さんって、ほんといい旦那さんって感じよね。私も助けられてばっかりじゃなくて、たくさんお返ししないといけないのに」


「旦那って言ってもらえると……そうなるつもりなので、嬉しいです」


「ふふ、そうだったわね。ほら、イチャイチャしたかったんでしょう? おいで」


 優香さんは腕を広げて、ハグするポーズをしてくれた。

 ドキッとする。

 優香さん、恋愛慣れしていないからか、めちゃくちゃ顔を赤くしている。わたしのために頑張っている姿にキュンってする。


 勇気を出して誘ってくれているのだから、迷わず豊満な胸に飛び込んだ。

 そして、赤ん坊のように優香さんの胸に頬を当て、スリスリした。


「香菜江さん、急に子どもみたいになっちゃって。可愛いところもあるんだから」


「優香さんって母性たっぷりで、甘えたくなる魅力があるんですよ。それに、胸が柔らかくて気持ちいいです……」


「こんなんでリラックスできるのなら、いつでもしてね……? 理沙の前だと、理沙も張り合っちゃうと思うから、やめたほうがいいかもだけど……」


 まさか、わたしのライバルは理沙ちゃんだったか。

 ……いくらなんでも、嫉妬とかはないけど。それに、理沙ちゃんにとっていい親になりたい願望はあるし、優香さんを取り合うことになっちゃまずいしね。


「二人っきりになれる時間、あんまり取れなさそうですよね。だから……貴重な今の時間は、自分を隠しません」


「ふふ、そうして? 香菜江さん見てると、私のことが好きってすごく伝わってくるの。私も……香菜江さんに、好きって気持ち、伝わってるといいな」


 優香さんの胸の中で、髪を撫でられながら耳元でささやかれる。

 幸せすぎて、脳みそが爆発するかと思った。優香さんの甘いボイスだけで、頭がぐちゃぐちゃにかき回される。


「大丈夫です。ちゃんと伝わってますから。愛してますよ、優香さん」


「私も……愛してるからね、香菜江さん……」


 空気に火がついたような気がした。

 お互いの瞳に情欲の炎がともり、心が燃えるように熱い。今から愛し合うのだと実感する。優香さんに、"愛してる"って言ってもらえたことが、わたしの欲をこの上なく刺激してくる。


「おっぱい吸いたい……」


 煩悩ぼんのう100%になったわたしは、ふと、呟いてしまった。

 だって、ずっと優香さんのおっぱいの中でよしよしされてるし。吸いたくなるのは自然なことだ。毎日、寝る前は優香さんのおっぱいを妄想していたのが日課だったし。


「す、吸ってみる……?」


「え! いいんですか!?」


 わたしは、砂漠で遭難中に水を与えられたかのように、がばりと顔を上げた。優香さんはその勢いに、小声で驚く。

 

「だって……そういうことするつもりで有給取ったんでしょ? 私だって、香菜江さんの気持ちにこたえるつもりだったし……」


「はじめてがこんなムードですみません……」


「ふふ、大丈夫よ。私、きっと、今日は忘れられない日になると思うから、どんなムードでも最高の想い出になるわ。んしょ……」


 優香さん、大胆にもシャツを一気に脱いだ。躊躇ちゅうちょがないように見えたのは、恥ずかしさをかき消すために、勢いをつけたからなのかもしれない。

 彼女の巨乳が、上下に揺れながらお目見えになった。ブラジャーに包まれてはいるが、メロン玉サイズなのでぶるんぶるんしている。シャツに内包ないほうされていた優香さんの体臭も、周囲に一気に振りまかれた。それはさながら、わたしに効果のある催淫さいいんガスだ。


「理沙以外に見られたことなんてないから……恥ずかしいわ。変じゃないかしら……?」


 優香さんがブラジャーを外しながら聞いてくる。彼女は両腕で自分を抱くようにして胸を隠した。しかし、あまりにも胸が大きすぎるため、はみ出ている。


「全然変じゃないし、綺麗ですよ。理沙ちゃんって、優香さんのおっぱいは吸ってたんですか?」


「え? 私はおっぱい出ないし、哺乳瓶でしかミルクあげたことないけど……。でも、一緒にお風呂入ってると、おっぱい触ってきたりはするわね」


「じゃあ、優香さんのおっぱい吸うのはわたしがはじめてなんですね。もっとよく見せてください」


「ん……」


 わたしは優香さんの手を取って、ゆっくりと胸をはだけさせた。

 ぼろん、と全部がさらけ出される。乳頭は綺麗な真っピンクだ。

 ごくり。わたしの生唾を飲む音が、やたら大きく聞こえた。


「すごっ、乳輪もおっきい」


「やだっ、そんなとこじっくり見ないで」


「ずっと夢見てました。優香さんのおっぱい……美しすぎる……あむ」


 無意識だった。わたしは、密に吸い寄せられる蝶のように、ぷっくりとした乳首を口に含んでいた。


「や……ぁっ……」


 優香さんのあえぎが漏れる。

 

 甘いミルクのような匂いのするおっぱい。すべすべもちもちで柔らかな乳房。そして、弾力があって噛みごたえもありそうな乳首。そこにきて優香さんのえっちな嬌声きょうせいときたものだから、めまいがする。

 理性を破壊し尽くされたわたしは、全力で優香さんのおっぱいを吸った。ちゅーちゅーと音がするくらいには、吸引した。乳首にキスマークをつけるつもりで、吸い続けた。


「香菜江さん、激しいっ……。はじめてだから、もうちょっと優しく……って噛んじゃだめぇっ……」


 優香さんの荒ぶる吐息が、わたしを更に狂わせる。乳首を舌で転がし、時には歯を立てて歯ざわりを楽しむ。

 おっぱいって最高。一日中吸っていられるかも。

 

 数分もしないうちに、優香さんの乳首はわたしの唾液まみれになっていた。乳首から口を離すと、優香さんが安堵あんどする。けれど、終わったわけではない。次は左のおっぱいを吸うことにした。


「香菜江さんっ、えっちすぎっ……」


「優香さんのほうがえっちです。声もおっぱいもえろすぎて我慢できない……」


 左のおっぱいもむさぼりつくす。

 すると、優香さんが足をもじもじとさせていることに気づいた。内ももをこすりつけ、切なそうにしている。


「優香さん……。こっちも、味わってみていいですか?」


 優香さんのお股を、さするように触れてみた。彼女は、大げさとも取れるくらいビクっとする。敏感な反応もまた、えろい。


「味わうって……?」


「え、口で。その後、はじめてもください」


「……お口……。想像したら、私、体が熱くて……。香菜江さんに、ぜんぶゆだねるわね……。愛してるわ……」


 優香さんも、目がとろんとしていた。おっぱいを丹念たんねんいじられたことによって、すっかり発情してしまったようだ。

 えっちのポテンシャル、高そうで興奮する。


「愛してるよ、優香……」


 わたしは、優香さんの下腹部に顔を埋めた……。

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