第9話ばばけが来た~👻。
これはまだ次男が3歳くらいの時のお話。クリスマスを前にした12月のある夜。21時ごろに仕事を終えて帰宅したんですが。まだ子供たちが起きているようだったので、ちょっとびっくりさせてやろうと少し前から仕掛けを用意していて、
「悠さぁ、もしお外が真っ暗になってから怖いお化けが来たらどうする?」
とか、子供たちが日が暮れてから
「おやつ買いに行こう」
と言った時には、
「今ねぇ、お父さんが車運転して帰ってたらねぇ、お化けに呼び止められてねぇ、真っ暗になってからおやつ買いに行こうと言ってる子供いねぇかぁ。そんな子供がおったら俺ぇが食ってやるぞぉ~」って言ってたよ」
とか、なかなか寝ようとしなかったときには
「さっきねぇ。ここらへんで悠って言う小さな男の子はおらんかえぇ?」ってお化けに聞かれたから、お父さんは知らんよって言っといたけど、いつまでも起きてたらお化けが迎えにくるよ」
とか言いくるめて、ちょっとお化けが来るかもしれないって思わせておいて、悠に対してどっきりを決行する日がやってきました。
車のエンジンを切ると、まずは上着のフードを目深にかぶって、それからあらかじめ用意しておいた懐中電灯を下からあてがって、マスクを着用して、サングラスかけて、準備万端にして玄関のベルを鳴らしました。そして悠が
「お父さんお帰り~」
と言いながら玄関を開けて、さらに
「お父さんおかえ…?ギャ~~~ッ(*_*)‼‼。ばばけが来た~。ばばけが来た~」
と悲鳴を上げて慌てて奥の部屋に飛び込んでいって、大騒ぎ。さらに私が
「まだ起きてる悪い子は誰だ~」
と低い声で家の中に入ると、さらに悠は大騒ぎ。
「ギャ~~~‼‼ばばけが家の中に入ってきた~」
と言いつつも、たぶん
「僕がみんなを守るんじゃ~」
って思ったんでしょうね。
「ばばけなんか僕がやっつけてやる~」
と言いながら、人気アニメナルトの螺旋丸を放つときのポーズを決めて、
「螺旋丸‼‼」
といいながら、必死に対抗するので、それが面白くて、大笑いしながら
「ぶわ~。お父さんでした~」
と言うと、マジで腰が抜けたようになって、
「もう。本当にばばけが来たって思ったじゃん」
と半べそかきながら言ってました。
「ごめんごめん。でも、本当に早く寝んかったら、こわーいお化けが来るよ。世の中には機械伯爵とか、悪いターミネーターとか、ムスカ大佐みたいな人とか、スール皇帝みたいな悪いことするお化けもたくさんいるから、早く寝んと連れて行かんといけんようになるぞ~」
って言うと、そのあとからは早く寝るようになりましたねぇ。やっぱりお化けは怖いんでしょうか?まぁ、ズール皇帝とか、機械伯爵とか、悪いターミネーターみたいなんがわんさかいたら、それはそれで怖いですよねぇ。
ちなみにその次男が言ったばばけ、翌年の我が家の新語流行語大賞になりました。
正月に実家に帰ったら、
「僕の家にねぇ、この前ばばけが来たんよ~。めっちゃ怖かった~」
と祖父母に話してたんですが、祖父母から見れば
「ばばけってなんじゃそれ?」
って感じで、そのばばけの意味がまるっきり解ってないようでしたが、とにかく怖いものじゃあるということだけは伝わったようでした。
ちなみに、スール皇帝って言うのは、1981年から1982年にかけて放送されたアニメ「六神合体ゴッドマーズ」に出てくる、私が知りうる限り、最悪・最強の悪役キャラで、あれが現実にいたら、マジで怖いっす。
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