少年法万々歳だ!!!☆この国は、犯罪者達に易しすぎる♪住みやすくてサイコー‬♡

佐藤 夜道

第1話 同級生を殺してみた

周りよく見てみろ。

バチなんか、誰も当たってねぇだろ。


これは現在13歳の僕が送っている楽しいスクールライフと、

希望に満ち溢れた輝かしい未来について語る青春物語である。


僕以外、誰も居ない化学室。


7月下旬の猛暑を忘れさせてくれるクーラーに感謝。


僕は温度設定を、24度から16度に下げた。


しかし


「それは低すぎるだろ」


と周りから文句を言われる心配はない。


今、僕の足元に転がっている死体が


「ねぇ、寒いんだけど。ウチ、女子だから寒いの苦手なの」


なんて口を開いたら大爆笑してしまうが……。


僕は他の人たちよりも、極度に暑がりなんだ。


1年2組の教室は、温度設定が常に22度にされている。


毎日毎日、暑さで溶けて死んでしまいそうだ。


1度だけ勝手に20度まで下げてみた事があったが


「安藤めっちゃジコチュー」


とクラスメイトたちから笑われてしまった。


僕にとっては全然笑い事ではなかったが


「ごめんごめん、元に戻すから許してよ」


と、こちらも笑っておいた。


血の海となった化学室の真ん中で、


僕は高々と腕を伸ばし


「少年法 万々歳だ」


と透き通った自慢の声で叫んだ。


そして自分を強く抱きしめ、本日の給食のメニュー(カレーライス)に胸を踊らせた。


この死体は、同じクラスの女子だ。


今さっき包丁で殺した。


1週間前の下校中いきなり告白をされたのだが、

断ったら周りの女子達に僕の悪口を言いふらしやがった。


「高校受験のために勉強しなくちゃ。だから伊藤さんと付き合う時間が無い。ごめんなさい。もっと良い男子なんて、いくらでもいるよ」


この僕が けっこう丁寧に断ってあげたのに、

何故こんな酷い目に合わなければならないのか?


納得がいかなかった。


だから殺す事にした。


今朝、1時間目の授業後に廊下でコソッと


「この前はごめんね。やっぱり僕、伊藤さんの事が好きだよ。3時間目の授業が終わったら化学室に来て。

皆が給食の準備をしている間に、渡したいプレゼントがあるから。

でも、この話は誰にもしないで。

1つしかない物だから。伊藤さんの分しかない」


と言っておびき寄せた。


伊藤はさっきまでぐしゃぐしゃの髪の毛だったのに、


ツインテールにして化学室に入ってきた。


「安藤、お待たせ。来てあげたよ」


「大丈夫、そんなに待ってないよ。わざわざ来てくれてありがとう。僕がここに来てって誘ったこと、誰にも話してないよね?」


「もちろんだよ。だって1つしかない物なんでしょ?ウチが欲しいし。でもね、それよりも、安藤がやっぱウチと付き合いたいって言ってくれた事の方が嬉しくてヤバイ」


伊藤はケラケラ笑いながら、

実験用机にドカッと座った。


机は座る場所じゃないだろう。


なんて下品な女だ。


「プレゼントは、僕のポケットの中に入っているよ。さっそくあげるね。ネックレスなんだ。つけてあげるから、目を閉じて」


僕はそう言って、伊藤に距離を詰めた。


「なんで目を閉じるの?やだよ、キスでもするつもり?まだ早いって」


伊藤は顔を手で隠しながら笑った。


「しないよ、そんなこと。目を開けた瞬間に、ビックリさせたいんだ。ほら、早くしないと給食の準備が終わっちゃうよ」


「変なことしたら、マジでぶっ殺すからね」


殺すは、僕の方だよ。


伊藤がニヤニヤしながら目を閉じた瞬間、

僕はポケットに入れていたナイフを掴み取り勢いよく首を切りつけた。


伊藤の首から、一直線に血がピューッと飛び出してきた。それをとっさに避けた。


ナイス、この白いシャツに1滴もかからなかった。


僕はバスケ部のエースなんだ。動体視力は飛び抜けて良い。


伊藤の体は倒れ、1分間ほど 全身が小刻みに痙攣していたが、声は出したくても出せないようだ。


恐れ入ったか、逆恨みバカ女め。


はい、さようなら。


それにしても、百円ショップは凄い。


こんなにも切れ味の良い刃物が、わずか百円で売られているのだから。


まだ子供の僕ですら、月々2千円のお小遣いの中から余裕で購入できてしまう。


勢いよく切りつけたのが原因なのか、

ナイフには血が少量しか付いていなかった。


その血を丁寧に舐め取りながら


「百円で女子殺せるなんてコスパ良すぎ」


と爆笑した。


それにしても、臭い血だ。

下品な女の血は臭い。なるほど、勉強になった。


伊藤が完全に息を引きとったかを再度確認し終えると、急にお腹が減ってきた。


早くカレー食べたい……。頭の中がカレーでいっぱいになった。


足元を見ると、真っ赤な水溜まりがどんどん広がっていた。


それが上靴に付着しないよう、椅子に座って足を浮かせた。


ああ、この液体が全てカレーだったらな……。


いやいや、バカな妄想をするのはやめて、まずは誰にも見つからないように教室に戻らなくては。


細心の注意をはらいながら、

忍者になったキブンで化学室を一歩出た。


すると他クラスの女子が2人、

僕の方へ歩み寄ってきた。


あー、失敗した……僕は忍者失格か。


「二人とも、どうしたの?」


「モエちゃんが安藤に告白されるかもって言ってたから見に来たの」


2人は目配せをしてクスクス笑った。


「そうだったんだね。伊藤さんが急にお腹痛いってしゃがみ込んだからどうしようかと思って。今、保健室の先生を呼びに行くところだったんだよ」


「え、モエちゃん大丈夫なの?」


2人がパタパタとが化学室に入って行った。


コイツらを、今から早急に処分しなくては。


僕はお腹が空いてて、

早くカレーを食べたいのに。


手間かけさせやがって。



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