【完結済】え、ここってダンジョンだったの?!
久坂裕介
地下一階
第一話
「あ、あわわわわ……」と僕は、
羽を広げて空中を
「あのジャイアント・バットは、おそらくこの地下一階のボス。倒さなきゃ、先に進めないわ! 私が戦うから
そして
そしてこのダンジョンの一番深くにいるかも知れない、ドラゴン・ロードのことを調べなきゃいけない。そうすることが僕たちが地球に帰ることができる、たった一つの方法だろうから。
シオンさんのすぐ後ろにいる直道を見てみると、直道もガクガクと震えている。
そして僕はシオンさんに、
プロテクション!
●
あーあ、一人で、つまんないな。
もちろん宿題は出ていたが、やる気は出ない。家に帰っても、誰もいない。お父さんもお母さんも、仕事だからだ。だから取りあえず家の近くにある、神社にきた。ひょっとしたら、誰かいるかも知れないと思って。でもやっぱり、誰もいなかった。
「はあ……」
ダメだ、ヒマすぎる。
去年の僕は、小学四年生だった。そして小学一年生から同じクラスだった直道と、学校が終わるといつもこの神社で遊んでいた。小型のゲーム機で一緒に遊んだり、スーパーでお
でも五年生になってからはほとんど、いや全然、遊ばなくなった。直道の話によると、学校が終わると
これは直道のお母さんから、言われたそうだ。人生で成功するには、良い会社に入らなければならない。そのためには良い中学、良い高校、そして良い大学に入らなければならないそうだ。だから良い中学に行けるように、今から塾で勉強しなければならないそうだ。
それを聞いた僕は
だって、よく分からないから。だから塾に通ったとしても、続かないだろう。そして直道と遊ぶことも、もちろんできないだろう。そう考えて塾に通うことは、やめた。
直道は月曜日から金曜日まで、塾に通っている。だったら土曜日と日曜日に一緒に遊ぼうと思って、LINEでメッセージを送って
直道は僕にとって、ただ一人の友達だった。家も近かったし、気も合ったし。だから五年生になってクラス
でもほとんどの子はすでに
僕の性格が分からないから、僕が何をするか分からない。それならもう性格も十分、知っていて仲も良い今までの友達と遊ぶことは当たり前かも知れない。それを感じ取った僕は、同じクラスの子に声をかけることをやめた。
だから僕は学校が終わると、この神社でヒマをつぶしていた。お父さんとお母さんが、家に帰ってくるまで。もちろん、ひょっとしたら直道がいるかも知れないと
でも五年生になって二か月が
でもその日、僕はとんでもないことをしてしまった。直道に、ウソをついた。LINEで、『お
そして、
「だ、
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