愛せない少女、愛する少年

ラテン

第1話

これは愛せない少女Aの日記のようなもの。





Aはいい家の子。いわゆるお嬢様みたいな子。習い事も沢山していた。




Aが小学校に上がった時、Aは両親から養子であることを伝えられた。誕生日の日に。

Aは理解できなかった。理解したくなかった。

Aは人を信じなくなった。心を閉ざした。




Aが小2の時。はじめて友ができた。大切な友。不器用で、変わった友。でも一緒にいてくれる。Aは救われた。その友の姉も優しかった。遊んでくれた。Aは少し心を開いた。




Aが小3の時。虐められた。習い事先の先輩に。何が悪かったんだろう?何をしたのだろうか?また、Aは心を閉ざした。今度はもっと深く深く。




Aは友達を1人作った。Aの中に。寂しかった。だからもっと増やした。Aの中に4人の友達ができた。これでもうひとりじゃないね。




Aが小4の時。家のことを教えられた。結婚しなさい。家を継ぎなさい。医者になりなさい。君は"いい子"なのだから。Aはもっと心を閉ざした。




Aが小5の時。友が転校した。もう会えないと。唯一の友。Aの両親は喜んだ。"これでAが悪い影響を受けなくてすむ"と。Aは悲しかった。悲しいは痛い。痛いのはいや。ならどうするか?感情をなくせばいい。そうすれば、楽だから。






少女は感情をなくした



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